iTunes には、今まで Blue Note のアルバムしか入れていなかったのですが、 Rock などのジャズ以外のアルバムをすべて Sonic Stage に入れることにしたので、他のジャズ・アルバムを iTunes に放り込むことにしました.

 本当はフォルダできちんと分別したかったのですが、どうもジャンルの分類しかできそうもありません.
 多少、ボクの望んだ表示とは違いますが、我慢するとしましょう.
 その間、シャッフルで曲を流しっぱなしにしていますが、頭の中を次から次へとフレーズが飛び交い、訳が分からなくなってしまいそうでした.





 昨日は戦争関連で、"ブリキの太鼓" と "ハート・ロッカー" のことを書きました.
 今夜は、ジャズをテーマにした映画のことでも書いてみましょう.
 "Bird" については先日書きましたので、今夜は "ラウンド・ミッドナイト" について書いてみましょう.


 この映画も 20 年以上前の映画ですが、見たのはつい最近、いつもの DVD でした.





Round Midnight 001







  "Round Midnight"





  監督 : ベルトラン・タヴェルニエ
  撮影 : ブリュノ・ド・ケイゼル
  音楽 : ハービー・ハンコック
  出演 : デクスター・ゴードン
       フランソワ・クリュゼ
       ロネッテ・マッキー
       ハービー・ハンコック
       ボビー・ハッチャーソン
       クリスティーヌ・パスカル
  公開 : 1986 年


  アカデミー作曲賞受賞
  アカデミー主演男優賞ノミネート






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 デクスター・ゴードンが亡くなる 5 年くらい前の撮影ですが、この頃の演奏はどうだったんでしょう.
 映画のようだったんでしょうか.

 ボクの知っている (といってもほんのわずかしか知りませんが) 彼の演奏は、もっともっと自由奔放にブローするテナーだったように思うのですが、映画ではスタンダード中心に、どちらかというとしっとりと吹きあげている感じです.

 今にも朽ちかけるようなイメージで、あえてあーいった演奏にしているのかは、当時の演奏を知らないボクはよくわかりません.
 まぁ、映画を見る人たちはシリアスなジャズ・ファンばかりではないので、スタンダード中心だったり、テーマ部分の演奏中心になるのは、ある意味で仕方ないかもしれません.




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 "Bird" は Charlie Parker の過去の演奏うまく映像に乗せていましたが、この映画では本当のミュージシャンが出演して演奏しているので、まるでライブハウスにいるような感じを受けます.

 とにかく出ているミュージシャンが半端じゃないですね.
 Herbie Hancock は Eddie Wayne と言う名前のピアニスト.
 Bobby Hutcherson は Ace という名前の料理の得意な Vibe 奏者.
 この二人は、演奏場面以外の出演も多いです.
 最初にドアを開けて Herbie が入ってきた時には、正直驚いてしまいました ・・・・ えっ、 Herbie だよね!? って感じ(笑).


 その他の出演する主なミュージシャンは、
 Blue Note での演奏:
 Wayne Shorter(ts), John McLaughlin(g), Billy Higgins(ds)
 Davout Studio での演奏:
 Palle Mikkelborg(tp), Ron Carter, Mads Vinding(b)
 New York での演奏:
 Freddie Hubbard(tp), Cedar Walton(p), Tony Williams(ds)

  ・・・・・ というような、すごいミュージシャンたちです.
 これだけのミュージシャンが出てしまうと、ジャズの好きな人たちには、ストーリー云々の前に、いい映画になってしまいます(笑).




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 面食いのボクは、どうしてもフランシスの別れた奥さん役のクリスティーヌ・パスカルに視線がいってしまいます.
 この女優さんもきれいですよね、フランスの女優でそれなりに映画には出ています.


 でも、この映画の公開から 10 年後、 42 歳の若さで自殺してしまいました.
 映画の中でも、なんとなく影のある表情が印象的でしたね.




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 ストーリーはどうでしょう ・・・・・・.

 テーマは男同志の友情でしょうか、それとも一人のミュージシャンの生きざまでしょうか.
 デクスター・ゴードンの歩き方、話し方、だらしなさが、本当にこの Dale Turner という役をうまく表現しています.
 絶対にこういうミュージシャンが、過去にもたくさんいたんだと思ってしまいます.



 その意味では、この映画のデクスター・ゴードンの演技が光っているのは間違いありません ・・・・ アカデミー主演男優賞ノミネートも納得できます.
 演技なのか、地なのかはよくわかりませんが・・・・(笑).
 ただ、やっぱりストーリーが ・・・・・・ いまひとつかな.
 それとこの DVD のデザインが ・・・・ 公開時のポスターもこのデザインだったのでしょうか.
 これは何とかしてほしいな、ちっともいいと思わないのであります.

 そうはいっても、ボクは "Bird" よりはこの映画のほうが好きです.
 Blue Note の香りが、映画の中から漂ってくるから.




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 ボクのブログにもよくコメントをいただく NetHero さんが、 Hollywood Bowl で先日行われた Herbie Hancock の 70 歳誕生パーティ・コンサートにいった模様をブログで紹介していましたが、この映画の最後の部分がなんとなくその時の会場と同じような感じ (全く場所も違いますが・・・) を受けました.



 基本的に、すすんでライブを見ようとは思わないのですが、この映画の最後の部分などを見ていると、こんな屋外のコンサートだったら行ってみたいと思いましたね.
 でも日本じゃこんな会場ないのかなー・・・・・・.



 ということで、この映画は、見終わった後ジャズが聴きたくなる映画です.