先月の 30 日 ・・・・ そう、台風の夜です.
 ボクはいつもの講習会で東京、その夜のことは前にも書いたとおりです.
 あの夜、映画も終わり、U-Z-○ さんも帰った後かかったアルバムが Tom Waits .
 Noriko さんのお気に入りのようです.
 ボクにも 「Tom Waits どう?」 という感じで振られましたが、昔ほんの少し聴いたくらいで、一曲くらいしか知りませんので、あいまいなお返事.

 その知っている一曲というのが、 "Ol' '55" .
 家に帰って棚を捜したら、 Tom Waits のアルバムが一枚出てきました.





waits01





  "Closing Time / Tom Waits"




  1.  Ol' '55
  2.  I Hope That I Don't Fall In Love With You
  3.  Virginia Avenue
  4.  Old Shoes (And Picture Postcards)
  5.  Midnight Lullaby
  6.  Martha
  7.  Rosie
  8.  Lonely
  9.  Ice Cream Man
  10.  Little Trip To Heaven (On The Wings Of Your Love)
  11.  Grapefruit Moon
  12.  Closing Time





 Tom Waits の評価については、このアルバムのようなごく初期よりも、もう少しアクの強い少し後のほうが好きだという意見も多そうですね.
 でもボクは、このアルバムのように、あまり振り絞っていない歌い方のほうが好きです.

 そして ・・・・・・・・・・
 何と言っても "Ol' '55" なんですよ.



Waits001-2

 そもそもこの曲を知ったのは、 Tom Waits のこのアルバムではなく、大好きだった Eagles の "On The Border" に入っていたからです.
 ちなみにこの曲、わざわざ邦題まで付いてます ・・・・・ "懐かしき'55年"
 ちょっと違うだろう、という感じですが、当時はみんなこんな感じで邦題付けたりしてたから仕方ないですね (笑) .


 最初のピアノとスティール・ギターのイントロから Glenn Frey のちょっと甘い歌声 ・・・・ ここまではとってもグッドなのです.
 でも、途中のハモっちゃうところから、完璧 Eagles になってしまうわけですよ ・・・・ そうなると、やっぱり原曲のほうが数段ボクはいいと思ってしまいます.
 もちろん Eagles も偉大なグループで、大好きなグループなので、その演奏は決して悪くはありません.
 後は個人の好みの問題でしょうね ・・・・ さっぱり醤油味か、こってり豚骨味か ・・・・・.
 Eagles の演奏は、まるで下の写真のような演奏です.
 でも Tom Waits の演奏というか歌は、もっと小汚いオンボロ車と、埃っぽい乾いた雰囲気です.



Buick Roadmaster002

 この曲のタイトルは、 55 年式 Buick Roadmaster から付けられているんでしょうか.
 もしそうだとすれば、Eagles の邦題キツイでしょ.
 変な日本語付けるよりも、原題のままのほうがステキです ・・・・ これはジャズのスタンダード曲にも当てはまりますね.


 このアルバムには入っていませんが、 "Tom Traubert's Blues" は、TV 番組 「不毛地帯」 のエンディング・タイトルだったということを、今日初めて知りました.

 おまけに、映画にも結構出ていたことを、今日初めて知りました.
 以前 DVD で持っていた、 "Coffee and Cigarettes" にも出ていたなんて ・・・・ 全く気がつかなかったのです.
 そういえばこの映画には、 "Elizabeth" の Cate Blanchett も出ていました.
 何となくもう一度見てみたくなりましたが ・・・・・・ また購入する元気はないですね.

 おまけにおまけに、Francis Ford Coppola が監督したあの "Bram Stoker's Dracula" にまで出てるんですか? ・・・・・ あまりにイメージが ・・・・・.
 この映画、結構好きなんです.
 これは今夜、見ないわけにはいきませんね.

 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 で、早速 DVD を流してみたら、なんと最初のほうに出てきたではありませんか.
 ある意味、イメージが合っているかも.


 でもね ・・・・ やっぱりこの人、映画より歌のほうがいいです.


 台風の夜、他の客がいなくなった Bar のカウンターに一人座って聴く Tom Waits ・・・・ 沁みます、それもドップリと.
 会話なんかいらなくなります.



 彼の運転する Ol' '55 に乗って、遠くの荒野へ