さてさて、東京だより第二弾 ・・・・ そんな大げさなことでもありませんが、 "ONGAKU ゼミナール" の全貌に迫ってみましょう ・・・ かなり長くなりそうです.
 今回のテーマは、 "ジャズ・トランペットあれこれ" です.



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 会場は、これまた "いつもの" 銀座 6 丁目 ミクニビル 7 階 "Bar le sept" です.
 事前の情報では、どうもキャンセルが続いていると、小川さんが泣いていましたので、はたしてどのくらい集まって、何曲かけることができるのでしょうか.

 いつものスタッフ、謎の外人 "gomez "さん、"yurico"さん、"tomorin"さん、"junjunjun"さんの女子 4 人組が入り口のカウンターで受付です.
 さすがに今回は名前を間違えませんでした ・・・・ 進歩しました.
 4 人へのお土産 (お土産は、地域限定のチープなお菓子と決めています、どうもこの 4 人は普段美味しいものばかり食べているようですので、たまにはこういったチープなものもいいでしょう) を渡し、カウンターの中にいる noriko さんと修平さんに、お土産の DVD をお渡ししながらご挨拶です.

 一番端に座ろうかと思ったのですが、予約になっていましたので、カウンターの出っ張り部分へ ・・・・ わかる人にはわかる、出っ張りです.
 すでに U-Z-○ さんがおいででしたので、ご挨拶とご馳走になったお礼など ・・・・ この一年で、ボクもちょっとばかり社交的になりました.



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 始まる前に、小川さんを激写.
 なんとなく様になってしまうところが只者ではありませんね(笑).
 ちなみに知らない人のために書くと、この方が 小川隆夫氏.
 本職は整形外科医、ジャズ・ジャーナリストでも有名で、膨大なレコード・コレクション、多くの書籍執筆、さらにはラジオ番組やテレビにまで出てしまう方です.


 徐々に人も集まってきて、いよいよゼミナールの開始ですが ・・・・・ 圧倒的に女性が多いです.
 先日、ブログに "女子系ジャズ" なんて書きましたが、集まったお客さんは、女性が 10 名、男性 4 名 ・・・・ 場所柄? それとも、小川さんの人気?


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1. 'Round About Midnight / Miles Davis
 小川さんと言えば Miles なので、順当な入り方ですね(笑).
 まずトランペットがジャズ創生期のデキシーランド・ジャズの頃から花形楽器だったことなんかをさらりと.
 もともとこの曲は Helen Merrill のために Gil Evans がアレンジしていたものを、 Miles がそのアレンジ中聴いて頂いちゃったようです.
 ボクはこの曲の Coltrane のソロの入り方が大好きでゾクゾクきちゃうんですが、演奏後小川さんもまったく同じことを言っていました.

2. Mox Nix / Art Farmer
 ボクのブログにも登場した、インパクトのあるアルバムから.
 元々 Art Farmer はリリカルな演奏が得意のようですが、このアルバムでは Benny Golson のアレンジによって Funky な演奏になっていること.
 そして Art Farmer グループから Ron Carter が Miles に引き抜かれたことや、 Benny Golson と Funky Jazz のことなどなどが ・・・.
 Bill Evans もこのアルバムに参加してますが、ボク的にはやっぱり演奏スタイルが違うかなという感じでした.



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3. My Ideal / Kenny Dorham
 "Lotus Blossom" ではなく、 "My Ideal" でくるところがいいですね.
 この人も Miles の影に隠れた、渋いトランペッターで、 Charlie Parker のグループにもいたりして ・・・・ なんてことを. 
 いろいろな話が、どうしても Miles に絡んでいってしまうのは、仕方ないですね.

4. Salt Peanuts / Dizzy Gillespie
 ほっぺの話が出るかと思ったけれど、出ませんでした.
 Dizzy Gillespie が在籍していた、 Billy Eckstine 楽団のことや、そこに加わった Miles の話、さらには Miles がリリカルな演奏をすることになった、 Dizzy Gillespie のアドバイスの話など.
 ただ、女性が多かったので、このあたりの選曲はどうでしょうか ・・・・.



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5. Smoke Gets In Your Eyes / Clifford Brown
 こんな雰囲気の中で、女性が聴くにはこういった演奏がよさげですが.
 Clifford Brown が数学教師の免許を持っていたというところから、 Ornette Coleman の言った 「ジャズと数学は同じ」、さらには Miles が麻薬を止めるきっかけのお話など.
 アドリブらしいものがほとんどないけれど、いい演奏です.

6. Candy / Lee Morgan
 Hudson Streets と Spring Streets の角にあった Half Note Club での演奏写真から、そのあたりの治安の悪かったことなどから、その後 Sonny Murray のライブのこと、Drug のこと、そしてこの Blue Note のオリジナル盤がなかなか手に入らなかったことなど.

 で、ここで前半終了ですが、すでに時計は 20 時をまわっています.
 隣の女性と、「このペースだと、今夜は 10 曲くらいで終了かも」 なんて会話をしていました.
 必死にメモしているボクの姿を見て、「英語で書いているなんてすごいですね」と言っていましたが、英語なのは曲名とアーティスト名くらいなので、すごく見えただけです(笑).



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7. Amen / Donald Byrd
 ここでも、 Donald Byrd が見つけた Herbie Hancock が Miles に引き抜かれた話や、 Donald Byrd の Funky な演奏や、これ以降の演奏について.

8. Carnival (Manha de Carnaval) / Freddie Hubbard
 斑尾ジャズ・フェスティバルの時に一緒に撮った写真を見ながら、その時のエピソードなど ・・・・ ちなみにボクもいつかは忘れましたが、斑尾ジャズ・フェスティバルで Freddie Hubbard の演奏を聴いた記憶があります.
 このアルバムのアレンジは Wayne Shorter ということですが ・・・・ どうでしょう、ボクはあまりいいアレンジとは感じませんでした.
 Freddie の音色は透き通ったような、とてもきれいな音で、何か機械を通したように聴こえるのは気のせいかな.



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9. Alone Alone & Alone / 日野皓正
 日野皓正 の若いころから、現在の活動のことなど.
 この中で、現在子供たちに楽器を教えている話がありましたが、ボクも以前、彼が中学校のブラスバンドにジャズを指導している TV 番組を見た記憶があります.
 とにかくアツイ人です、子供たちに向かって 「ハートで吹け」 とか、真顔でいっちゃっているんですよ ・・・ こういう人いいですよね、ボクは好きです.

 このアルバムも始めて聴きましたが、ボクが興味を持ったのはピアノでした.
 結構しゃれた感じで 「いいなぁ」 と思い、トイレから帰ってきた小川さんを捕まえて誰か尋ねたところ ・・・・・ 大野雄二 .
 なるほどね、納得しました.

10. There Will Never Be Another You / Chet Baker
 これも小川さんの大好きな Chet Baker 、予定の曲は "Time After Time" でしたが、曲目を変更 (これもよくあることです) .
 ここでの話の中心は、 Drug のことでした.



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11. St. Louis Blues / Louis Armstrong
 ボクはデキシーランド・ジャズからこのジャズの世界に入ってきたので、こういう演奏を聴いても楽しめてしまうのですが、この日のような女性たちはどう受け止めたのでしょうか ・・・・ 女性に限らず、デキシーは苦手な人多そうです.
 この演奏の中で最初に女性ヴォーカルが入っています.
 これもわからなかったので、小川さんに聞くと小川さんもど忘れ ・・・・ 持っていた CD で確認したところ Velma Middleton .
 You Tube で確認したら ・・・・・ 恐ろしいほどの巨漢でした.
 当時、一緒に演奏している映像がいくつもありました.
 ここでも、サッチモの住んでいたお家の話など.

12. Autumn Leaves / Wynton Marsalis
 予想された通り、ここで 「最後の曲」 との一言.
 会場からは、 「Roy Hargrove」 とのブーイングも.
 正直ボクも、Roy Hargrove を聴いたことが無かったので、ぜひ聴いてみたいと思っていたので、ちょっとガッカリ.
 で、 Wynton といえば "となりのウイントン" となる訳です.
 ちなみに サッチモ から Wynton になっているのは、単純にニューオーリンズ繋がりという、ある意味でオヤジ・ギャグ的なものでした.
 この演奏中小川さんがトイレ、帰ってきたところをちょっと捕まえて先の質問です.

 演奏終了して、終わりのあいさつかと思ったら、「この曲短いからかけちゃいましょうか」 という感じで、予定されていた最後の曲になりました.



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13. Nothing Serious / Roy Hargrove
 この人も、ボクが知らないだけで、かなり人気ある人のようです.
 非常にアップテンポな曲で、かなりラテン系の演奏です ・・・ 特にピアノがもろラテン系.
 ただアルト・サックスがちょっとねー ・・・・ .
 トランペットは面白そうなので、今年なにか一枚買ってみようかな、でもどれが代表作なのか分からないなー.


 ということで、予定時間をかなりオーヴァーしながらも Complete です.
 終了後、小川さんが隣に来たので、以前から気になっていた "Baby Face" Willette のことなんかも質問して、珍しくいろいろお話しさせていただきました.

 取り上げられた曲目やアルバムのほとんどが有名なものでしたが、改めて違ったことを考えながら聴くことができました.
 今回の収穫は、最後の Roy Hargrove でした.


 もっと書きたいことがあるような気もするのですが、さすがに今日二つ目ですので、疲れました.
 書けなかったことは次回にしましょう、他にもいろいろあった週末ですので.

 今回の東京滞在も短かったですが、ジャズを楽しめて、楽しいお酒も飲めました ・・・・・ 十分にリフレッシュしちゃいましたね.