今日はお休みなので朝遅めの食事をとりながら TV を点けてみると、 Anita O'Day が歌ってました
  ・・・・・・・ "Let's Fall In Love" なんて.
 映像は白黒で、 1963 年のスタジオ・ライブと、 1970 年の オスロ でのコンサート映像.
 この 1963 年から 1970 年の間って、麻薬中毒のため活動を休止していたんですね ・・・・・ だから Before & After って感じです. 
 やっぱりスゴイな〜ぁ、この人.
 とにかくうまいです ・・・・・ "二人でお茶を" の 4 バース ならぬ、 1 バース なんか笑っちゃうくらいゴキゲンです.
 朝からちょっと気持ちよくなりましたね ・・・・・ また CD 欲しくなっちゃいそうです.
 ついつい最後まで見てしまいました.




 さて、今日の話題は先日ちょっと書いたオークションで、なんとか落札した映画のお話しです.
 その映画というのは ・・・・・・・・・・・・・・・・・




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 "戦争と平和" (ソ連映画)





 制作・監督: セルゲイ・ボンダルチュク
 原作: レフ・トルストイ 「戦争と平和」
 脚本: セルゲイ・ボンダルチュク、ワシリー・ソロヴィヨフ
 撮影: アナトリー・ペトリツキー、アレクサンドル・シェレンコフ、
      イォランダ・チェン・ユーラン
 美術: ミハイル・ボグダーノフ、ゲンナジー・ミャスニコフ
 音楽: ビャチェスラフ・オフチンニコフ
 編集: タチアナ・ルハチョワ
 出演: リュドミラ・サベーリエワ (ナターシャ)
      セルゲイ・ボンダルチュク (ピエール)
      ヴァチェスラフ・チーホノフ (アンドレイ)
      イリーナ・スコブツェワ (エレン)
      アナスタシア・ヴェルチンスカヤ (リーザ)
      ワシリー・ラノヴォイ (アナトリー)
      ボリス・ザハーワ (クトゥーゾフ将軍)
      ウラジスラフ・ストルジェリチク (ナポレオン) 
 公開: 1968 年 (1968 年 アカデミー外国語映画賞受賞)
 上映時間: 7 時間 5 分 (全 4 部)





 まず原作はどうなんだろう ・・・・・・ 読んだ様な記憶もあるけれど、ないような感じもあります.
 ドフトエフスキー の 「カラマーゾフの兄弟」 は間違いなく読みました ・・・・・・ でも宗教的な部分がどうしてもボクの中では理解できませんでしたが.
 その頃、有名どころのロシア文学を読み漁った記憶があるのですが、今になると色々な物がごちゃ混ぜ状態で、全くもって頭の中で整理できていません (涙) .
 ただ、映画の映像を観ても、この場面はこんな感じで書かれていたと思うような節々があるので、多分読んだに違いありません.
 でもよく覚えていないということは、読んでいないと同じですな.


 あまりにも有名な原作ですので多くの人が読んでいるでしょうし、最後まで読んでいない人でも内容くらいは知っているはずです.
 「19 世紀前半の ナポレオン によるロシア遠征 (ロシアでの呼称は 「祖国戦争」 ) とその失敗、 アウステルリッツの戦い や ボロディノの戦い などの歴史的背景を精緻に描写しながら、 1805 年から 1813 年にかけてあるロシア貴族の 3 つの一族の興亡を ピエール・ベズーホフ と ナターシャ の恋と新しい時代への目覚めを点描しながら綴った、登場人物500人を超える群像小説である。・・・・・」 (by Wikipedia)



 この 「戦争と平和」 は オードリー・ヘプバーン 、 ヘンリー・フォンダ 、 メル・ファーラー など錚々たるキャストにより、ハリウッドで 1956 年に映画化されています ・・・・・ そう、今回のソ連映画よりも先に映画化されていました.
 このハリウッド版も、上映時間は 3 時間超えという大作ですが、内容的には恋愛部分が強調され、原作に忠実ではないという評価があるようです.
 当然こちらの DVD も持っていますが、まぁ楽しめることは楽しめます ・・・・・ 大の オードリー ファンですから.
 ちなみにこちらのハリウッド版は、なぜかパブリックドメインなので廉価価格の DVD が今でも購入できます.

 一般的に 「戦争と平和」 と言えば、きっとこちらのハリウッド版のほうが、有名でしょうか.





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 話を今回オークションで探し当てたソ連版映画へ ・・・・・・・
 まずこの映画はソビエト崩壊前に作られています.
 モスフィルム (モスクワにあるロシア最大の映画撮影スタジオ) が 3 年間に渡って全 4 部作を製作 ・・・・・ 当然国からの大きなバックアップがあったようで、例えば ボロジノ での戦闘シーンのエキストラにしても、ソ連兵士約 12 万人を動員しています.
 戦闘場面も史実に沿った広大な場所に、考えられないくらいのエキストラや資機材を持ち込み、史実を再現したようですが、とてもカメラでは収めきれないほどすごい戦闘シーンになっています.
 空撮も多用していました.

 もちろん戦闘場面だけでなく、宮廷場面などもち密に再現.
 当然、今のように CG なんてない時代ですので、必然的にお金もかかったんでしょうね.
 この辺りの圧倒されるスケールは、映画館の大画面で、できれば HD かなにかで観たい気がします.




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 ソ連映画の大作といえば、第二次世界大戦の東部戦線の戦いからベルリン陥落までを描いた "ヨーロッパの解放" という全 5 部、上映時間 7 時間 48 分という怪物映画もありました ・・・・・ 元戦車オタク のボクは、当然ボックスで持っています.
 この映画もソ連という国家的事業の映画でした ・・・・・ この映画での戦闘場面 (特に戦車戦) も、ここまでやるかというくらいのスケール.
 一昔前は、こういった超大作と呼ぶのにふさわしい映画が結構あったのになぁ.



 俳優たちは全く知らない人たちばかりですが、 ナターシャ 役はひょっとすると オードリー・ヘプバーン を意識しているんじゃないかと、最初に登場した時に思ってしまいました.
 ピエール 役は、この映画の監督でもある セルゲイ・ボンダルチュク ですが、ハリウッド版の ヘンリー・フォンダ よりもずっとこちらの方が原作に近いような感じです.
 他の俳優さんたちも、流石に自国の代表文学作品の映画だけにフィットしていますね.
 そして、こういった映画は自国語がいいです ・・・・・ 当然この映画は、英語ではなくロシア語が似合います.


 撮影 ・・・・ というか演出の仕方が、いかにもという感じの臭さを漂わせているところが随所にあります.
 まぁこの辺りの演出は、当時のソ連映画にはよく見られるところです.
 こういった演出の部分が、かなり色々なところに散りばめられているので、観ていると少しばかりうんざりして、映画のスピード感もスローダウンしてしまう感じを受けますが、まぁこれもソ連映画と思いながら楽しむしかありません.




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 実はようやく第一部の 146 分 (ピエールの決闘、戦死したと思われたアンドレイが戻り、妻のリーザが出産により死亡 ・・・・) を観終えたところです.
 映像は、正直よくありません ・・・・・ こういった映画こそ、リマスターして Blu-ray にして欲しい.
 それでも画面からはこの映画のスケールの大きさや、原作の持っている色々な物が伝わってきます.
 そんなものを、ゆっくりと観るのがこの映画の良さかもしれません ・・・・・・ 最近の映画はスピーディですし.



 やっと手に入れたソ連版 「戦争と平和」 .
 残るはこの映画の監督が 1970 年に作った、歴史大作 ・・・・・・・・ そう、先日もちょっと紹介した "ワーテルロー" です.
 こればかりは簡単に手に入りそうも有りません.
 リマスターを待つしかないのかなぁ〜 ・・・・・・・・ .



 年末年始にかけて、ちょっと欲しい映画がいくつか発売されます.
 しばらくは CD 購入を差し控え、 Blu-ray 購入です.
 Blu-ray も廉価盤がどんどんでるようになり、嬉しい限りです.
 後は過去の名作がもっと発売されればいいんですが ・・・・・ この手の映画は売れないからねぇ.