久しぶりに ONGAKU ゼミナール に参加してきました
 今回のテーマは 「ロックがジャズを愛する時」 ・・・・・・・ どこかで聞いたことのあるテーマですね (笑)


  "When a Rock Loves a Jazz"


 東京行きの目的は、 いつもの講習会.
 土曜日も講習会だったのですが、他のインストラクターに後を任せ少しばかり早退.
 講習会場が今までの 京橋 から 浜松町 に移動したため、かなり遅刻してしまうかと思ったのですが、なんとか開始時間に間に合いました.
 ・・・・・・・・ が、いつものように小川さんの隣の席しか空いていなかったため、今回は腹をくくって隣りでの ON ゼミ (笑)
 ちなみに、この小川さんの隣の席はいつも最後まで空いていることが多いのであります、ハイ !

 参加者は 13 名、見慣れた顔も数名おいでですが、話したことのある方はホントにごくわずかです.



 それでは一挙に曲目紹介と、ボクの感じたことなんかを書き綴ります.




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 Part 1: ロック・シンガーが歌うジャズ・スタンダード
 1. "Stardust" ・・・・・ Ringo Starr
     from "Sentimental Journey"
 アレンジはジャズそのものです ・・・・・・ ちなみにアレンジャーは ポール・マッカートニー.
 が、歌はジャズっぽくないので、かなり微妙なアンバランスです (笑)


 2. "Bye Bye Blackbird" ・・・・・ Paul McCartney
     from "Kiss on the Bottom" iTunes Live
 iTunes の独占配信によるライブ演奏
 ピアノとベースがとてもいいなぁ ・・・・・ なんて聴き終ったら ダイアナ・クラール 、 ジョン・クレイトン 、ギターは誰だったか忘れちゃったけれど ラッセル・マローン じゃないので ジョン・ピサーノ かな.
 歌は好みの問題です.
 リンゴもそうだけれど、やっぱりジャズヴォーカリストとは違うなぁ.
 ちなみに若い頃ポールは、好きなミュージシャンとして コール・ポーター の名前を挙げたそうです.




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 3. "Moon River" ・・・・・ Rod Stewart
     from "Fly Meet The Moon"
 そんな 2 曲の後だったので、この曲も辛い感じかなぁと思って聴いてみたら ・・・・・
 非常に曲にマッチする声と歌声でビックリでした.
 ボクの感じたイメージは、 オードリィ・ヘプバーン の歌い方にとても似た感じ.
 この演奏はいいですよ、今回の中でオススメの演奏でした.
 ロッドはこのスタンダード集が 5 作目ですが、この曲を聴くとそれも頷けたりします.


 4. "Blue Moon" ・・・・・ Bob Dylan
     from "Self Portrait"
 ボブ・デュラン はほとんど人の曲は歌わないようです.
 いきなりこの曲を聴けば、きっと ボブ・デュラン とわからないかもしれません.
 そのくらい歌い方が違います.
 ジョン・レノン の "Free as a Bird" と同じコード進行、と曲が終わった後小川さんが言っていました.




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 5. "Graduation Day" ・・・・・ The Beach Boys
     from "Summer Days"
 ビーチボーイズの ブライアン・ウイルソン は The Four Freshmen の大ファン.
 この曲も The Four Freshmen のレパートリー.
 聴いた感じは、まんま ビーチボーイズ です.

 ということで、このパートはボクたちジャズ・ファンからすると結構微妙な演奏が多かったのですが、ロック・ファンにすればちょっと微笑んでしまうような演奏なのかもしれません.


 Part 2: ロックで聴くジャズ・オリジナル
 6. "The 'In' Crowd" ・・・・・ Bryan Ferry
     from "Another Time, Another Place"
 ロキシー・ミュージック の ブライアン・フェリー です.
 こんなイメージのビートルズの曲もあったなぁ、なんて思いながら聴いてました.
 この曲自体簡単なリフの繰り返しの曲なので、歌詞をつけても厳しいかなぁ.
 ちょっと、ロックには合いそうもないですね.




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 7. "Mercy, Mercy, Mercy" ・・・・・ The Buckinghams
     from "Time & Charges"
 バッキンガムズ はボクも初めて聴くグループ名.
 シカゴ出身のグループのようです.
 まんま "Mercy,Mercy,Mercy" でした.
 ちなみにゼミナールの配布パンフレットには "タイム・アンド・チェンジズ" と記載されていました.
 どおりでネット検索してもアルバムが出てこなかった訳です (笑)


 8. "Alligator Bogaloo" ・・・・・ The Happenings Four
     from "Hit Collections"
 昔あった "11PM" や 平凡パンチ と言った言葉が浮かんできそうな、いかにもあの頃的な演奏でした.
 ルー・ドナルドソン の代表曲 (ボクは代表作とは思わないのですが ・・・・・) ですが、最初は "アリゲーター・ブルース" と ルー・ドナルドソン はタイトルを付けたようですが、レコード会社で勝手に ブガルー にしてしまったようです.
 ブガルー というのはダンス・スタイルの一つ.
 この The Happenings Four は日本版 プロコルハルム と呼ばれたグループ.
 "あなたが欲しい" という大ヒット曲があるようで、帰ってから You Tube で聴いてみましたが ・・・・・・
 微妙でした (笑)




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 9. "Maiden Voyage" ・・・・・ Blood, Sweat & Tears
     from "New Blood"
 このグループも前から知っていますが、当時はブラス・ロックバンドという感じで、ほとんど聴くことはありませんでした.
 一時期 Joe Henderson や Randy Brecker がいたり、Gil Evans がアレンジを担当したこともあるようです.
 とにかくメンバーがハンパないくらい変動してます ・・・・ Jaco もいたんかい.
 この曲は、スキャットしながらのギター・ソロが延々と続きますが、ジャズアルバムと言ってもおかしくない演奏でした.
 ジャズを聴いている人にとっては、長いギター・ソロもそんなに苦にならないんじゃないかな.


 10. "In a Silent Way" ・・・・・ Santana
     from "Santana lll"
 カルロス・サンタナ は マイルス・デイヴィス を敬愛していたミュージシャンの一人.
 これまた サンタナ サウンドそのものになっちゃうんですねぇ.
 この曲を作ったのは "Mercy, Mercy, Mercy" と同じ ジョー・ザビヌル .

 これでパート 2 終了.
 この休憩時間に小川さんと珍しくお話しでした.
 内容は、インストがオリジナルなのに勝手に歌詞付けていいの ? ってお話し.
 話が進み、いつの間にやら 王様 のことやら、 ビートルズ のお話しにまで.
 
 


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 Part 3: ジャジーなロック・ナンバー
 11.  "When I'm Sixty-Four" ・・・・・ The Beatles
     from "Sgt. Pepper's Lonely Hearts Club Band"
 ここからは 小川さん がジャズっぽいなぁ、と思う演奏が並びます.

 まずは ビートルズ.
 単調なリズムにクラリネットなんかが加わるので、自然と デキシーランドジャズっぽくなります.
 歌詞はとても他愛のない歌詞 ・・・・・ と小川さんが申しておりました.


 12.  "Holiday" ・・・・・ The Kinks
     from "Muswell Hillbillies"
 この曲ではバンジョーとピアノがかなり効いています.
 そう言えばデキシーランドにはバンジョーも欠かせません.
 楽器の持つイメージというのもあるんですよねぇ.




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 13. "Sweetheart" ・・・・・ Maria Muldaur
     from "Waitress In A Donut Shop"
 この曲のアレンジは ベニー・カーター なので、当然ジャジーになります.
 こちらはスイング・ジャズの趣き.
 あの独特なグルーブ感が漂っています.


 14. "Walking One and Only" ・・・・・ Bill Wyman's Rythm Kings
     from "Anyway The Wind Blows"
 ダン・ヒックス の曲です、確かこの前の "Sweetheart" も彼の曲だったかと.
 この演奏を捜していたら、なぜか Maria Muldaur の演奏にぶち当たりました.




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 15. "ろっか・ばい・まい・べいびい" ・・・・・ 細野晴臣
     from "Hosono House"
 はっぴいえんど に因んだ 福生市 のお話し.
 ボクの感覚的にはボサノバっぽい.
 ロックではあまり使わないようなコード進行を使っているようです.


 16. "おいらぎゃんぐだぞ" ・・・・・ 南佳孝
     from "摩天楼のヒロイン"
 彼も はっぴいえんど の一員.
 明大のジャズ研に所属しており、 タル・ファロー のファン.

 このパートのジャジーな雰囲気というのは、ボクにとってはかなり微妙な、怪しい雰囲気でした.




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 Part 4: こんなところにこんなジャズ・ミュージシャンが
 17. "Oh Patti (Don't Feel Sorry for Loverboy)" ・・・・・ Scritti Politti
     from "Provision"
 まずは マイルス・デイヴィス です.
 中盤のソロから後半のバックまで、いかにも マイルス なのです.
 彼の音色が流れてきただけで、ピーンと緊張の糸が張り詰める感じ.
 このセッションに参加したお話し等.


 18. "Waiting on a Friend" ・・・・・ The Rolling Stones
     from "Tattoo You (刺青の男)"
 ここでは ソニー・ロリンズ ですが、ボクの持っている ロリンズ のイメージとはちょっと違う演奏です. 
 そこがすごくいい感じです.
 この演奏も知らずに聴けば ロリンズ だとはわからないかも.
 ドラムスの チャーリー・ワッツ が大のジャズ・ファンで、そのあたりのお話も聞くことができました.




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 19. "Someone" ・・・・・ James Taylor
     from "One Man Dog"
 ギターの ジョン・マクラフィン が参加しています ・・・・・・ この曲の作曲も彼.
 いつ聴いても ジェームス・テイラー の声は透き通っているなぁ.


 20. "Watching You" ・・・・・ 矢野顕子
     from "Welcome Back"
 ギターの パット・メセニー です.
 矢野顕子 は、ボクかなり苦手です.
 声がダメ、変な歌詞がダメ ・・・・・・・・・・
 この曲も聴く前からダメだろうと思っていたんだけれど、聴いたらビックリ.
 確かに歌はかなり微妙なんだけれど、インストで聴いたとしたらきっとおそろしく素敵な曲になりそうなのです.
 メセニー のギターもすごくいい感じですし.
 この演奏はとてもいい ・・・・・・ 歌が入っていなければもっといい (笑)

 そうそう、この曲のアルバム・タイトルもパンフレットでは "ウェル・カムバック" になってました (爆)




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 21. "きっと言える" ・・・・・ 荒井由美
     from "ひこうき雲"
 最後は "日本のスタン・ゲッツ" と呼ばれた 西条孝之介 .
 この演奏も、まんま ユーミン・ワールド で、最後にテナーが入ってくるんだけれど、言われなくちゃ素通りです.
 おまけにいいところでフェード・アウト.




 さらに一曲おまけ、 シェイ・スタジアム 最後の公演となった ビリー・ジョエル のライブ.
 トニー・ベネット との共演です、 "ニューヨークの想い" .
 実は ONGAKU ゼミナール が終わり、ほとんどの方が帰られてから トニー・ベネット の映像をお店で観たんですが、やっぱりスゴイですねぇ.
 とても 80 歳超えておられるとは思えない.
 



 以上、 Bonus Track を含め 22 曲で終了.
 シリアスなジャズとはかなりかけ離れたものが多かったのですが、なかにはグッとくるような演奏もあったりして.
 楽しい音の時間を過ごしてきました.