・ ・ ・ ・ ・ ・
今回は、久しぶりにジャズのアルバムではなく写真のお話.
今年になって最初の写真集購入です.

"EEN LIEFDESGESCHIEDENIS IN SAINT-GERMAN-DES-PARIS" .
直訳すると「パリ・サンジェルマンのラブ・ストーリー」.
日本 では 「セーヌ左岸の恋」 (Love on the Left Bank) というタイトルの有名な写真集です.
撮影したのは エド・ファン・デア・エルスケン (Ed van der Elsken) .
アン (Vali Myers) という一人の女性画家を中心に、当時の若者たちの生き様をストーリー仕立てに仕上げた写真集になっています.
以前から探していましたが、本の状態や金額の関係でなかなかいいものがなくて、ようやくって感じ.
ネットで古本を探すことはできますが、きちんとしたショップもある反面よくわからないようなお店もあったりするので、掲載されている本の状態も、正直届くまでわからない.
たまに痛い目にあったりすると、心がガッツリ折れちゃうんですよねぇ.
今回購入したお店は "flotsam books" という、ファッション、アート、写真集等のアートブック買取と販売、洋書新刊販売のウェブショップです.
販売している写真集をいろいろ見てみると、価格もかなり良心的なものが多い気がします.
梱包もしっかり丁寧にしてあり、これからは要チェックのお店になりました.

● Ed van der Elsken の エルスケン立ち ●
エルスケン はオランダの写真家.
1925 年 3 月 10 日生まれで、 1990 年 12 月 28 日癌のため 65歳で亡くなっています.
1950 年から 1954 年までパリで暮らし、その時に撮り溜めた写真からこの写真集ができています.
彼が影響を受けたのは Henri Cartier-Bresson で、パリ時代には彼の妻 Ata Kando が マグナム・フォト で働いていたので、ひょっとすると会ったこともあるんじゃないのかな.
上の写真はとても有名で、二眼レフ持っている人だったら一度はこのポーズでセルフィー撮っているとも言われてます.
同世代の Robert Frank や William Klein らとならんで、ストリート・スナップの巨匠的な、この当時を代表する写真家の一人です.
下の写真も、Walker Evans ではなく Klein の "New York" だったらいいんですが、あの写真集はとてもじゃないけれど高額すぎて手が出ません.
それと Klein の写真は、どうも今一つ好きになれなくて写真集は一冊も持っていません.
写真から伝わってくる、ちょっと暴力的なエネルギーみたいなものはすごいとは思うんですが、かなり食わず嫌いな感じもありますね.

この写真集は 1950 年代を代表する写真集の一冊で、日本語版や英語版など発売されていますが、今回購入したものは オランダ の Ludion という出版社から 2015 年に発売されたものです.
この出版社の名前は初めて耳にしたので、ちょっと調べてみたらオランダでは有名な出版社みたいです.
規模的には小規模な出版社で年間の発行は数えるほどですが、とても良質な写真集を作っているようです.
当然ですが、すべてオランダ語なので「ちょっと何言ってるのかわからないですね」という サンドウィッチマン 状態.
英語だったらなんとなくのニュアンスが読み取れますが、さすがにオランダ語はねぇ.
でも新品 (今回はここがとても大事) で価格もまぁ納得の値段だったので、写真観るには充分かと.
表紙カバーの上にビニールのカバーがかけてあり、ページを開く前からとても丁寧な印象を受けます.
新品ならではの開いた時のインクの匂いとかがやっぱりいいな.
写真部表面のちょっとザラっとした感じも大好きです.

コントラストが強いモノクロ写真で、黒い部分は潰れているような感じ.
ただ、粒子が粗くざらついたような感じではないですね.
日本を代表するストリートスナッパー 森山大道 氏の若い頃の写真はアレ・ボケ・ブレという表現され、独特な画像でとてもインパクトがあります.
森山氏の写真もかなりハイコントラストなものがありますが、 エルスケン とは全然印象が違いますね.
使っていたカメラの違いも大きいのかもしれません.
エルスケン の写真は、あえてアンダーにしたのか、レンズの限界だったのかはわかりませんが、顔はライトが当たっているかのように明るく撮っている写真が多いです.
暗闇に顔が浮かび上がっているような.
とてもインパクトありますね.
このあたりは完全なストリート・スナップという感じではなく、ある程度光や影を計算してスナップっぽく撮ったのかもしれませんが、今になってはよくわからないでしょう.

撮影されたのは第二次世界大戦から約 10 年後.
自由奔放に生きる若者たちの姿を、 アン という女性を中心に撮ってあります.
爽やかに希望に溢れる若さなんかは全くない感じですね.
表情がどこか退廃的な雰囲気で、刹那的.
かと言って、 Klein のようにぎらついた感じでカウンター・カルチャーといった雰囲気でもなく、どこを見ているのかわからないような視線の写真が多い.
目標を見失っている若者たちという感じです.
なにか、今の日本のトー横キッズのような雰囲気もあります.
決して豊かな時代ではありませんが、 Robert Frank のような貧困さが漂っているわけでもない.
Robert Frank は豊かな国アメリカの光と影みたいな写真だったからなぁ.
これが Walker Evans まで遡ると、完全に 「怒りの葡萄」 になっちゃいます.

この写真集の中には、ヒロインでもある Vali Myers の描いた絵がかなり入っています.
そして、ところどころに詩的な文章が入り、普通の写真集とは一線を隔てています.
写真と共に一つのストーリーに仕上げてあるので、本当は日本語訳がある方が絶対にいいと思います.
一応ジャズ・ファンを名乗っているので、 エルスケン の "Foto-Jazz" はどうしても押さえておきたいところですが、これまたなかなかいいものがない.
とにかく高すぎます.
中古相場で 50,000 円くらいしてますので、さすがにこの写真集にこの金額は出せないな.
ましてや実物を手に取らずネットでの購入なので、これだけ高額なものはリスクが多すぎます.

今朝は雨です.
今週末はどうも天気が悪そう.
来週リビングのエアコン交換するので、その前にいろいろやっておくことがあるんだけど、雨で捗りそうもないな.
とりあえずジャズでも流しながら写真集ゆっくり観ようかな.
・ ・ ・ ・ ・ ・
今回は、久しぶりにジャズのアルバムではなく写真のお話.
今年になって最初の写真集購入です.

"EEN LIEFDESGESCHIEDENIS IN SAINT-GERMAN-DES-PARIS" .
直訳すると「パリ・サンジェルマンのラブ・ストーリー」.
日本 では 「セーヌ左岸の恋」 (Love on the Left Bank) というタイトルの有名な写真集です.
撮影したのは エド・ファン・デア・エルスケン (Ed van der Elsken) .
アン (Vali Myers) という一人の女性画家を中心に、当時の若者たちの生き様をストーリー仕立てに仕上げた写真集になっています.
以前から探していましたが、本の状態や金額の関係でなかなかいいものがなくて、ようやくって感じ.
ネットで古本を探すことはできますが、きちんとしたショップもある反面よくわからないようなお店もあったりするので、掲載されている本の状態も、正直届くまでわからない.
たまに痛い目にあったりすると、心がガッツリ折れちゃうんですよねぇ.
今回購入したお店は "flotsam books" という、ファッション、アート、写真集等のアートブック買取と販売、洋書新刊販売のウェブショップです.
販売している写真集をいろいろ見てみると、価格もかなり良心的なものが多い気がします.
梱包もしっかり丁寧にしてあり、これからは要チェックのお店になりました.

● Ed van der Elsken の エルスケン立ち ●
エルスケン はオランダの写真家.
1925 年 3 月 10 日生まれで、 1990 年 12 月 28 日癌のため 65歳で亡くなっています.
1950 年から 1954 年までパリで暮らし、その時に撮り溜めた写真からこの写真集ができています.
彼が影響を受けたのは Henri Cartier-Bresson で、パリ時代には彼の妻 Ata Kando が マグナム・フォト で働いていたので、ひょっとすると会ったこともあるんじゃないのかな.
上の写真はとても有名で、二眼レフ持っている人だったら一度はこのポーズでセルフィー撮っているとも言われてます.
同世代の Robert Frank や William Klein らとならんで、ストリート・スナップの巨匠的な、この当時を代表する写真家の一人です.
下の写真も、Walker Evans ではなく Klein の "New York" だったらいいんですが、あの写真集はとてもじゃないけれど高額すぎて手が出ません.
それと Klein の写真は、どうも今一つ好きになれなくて写真集は一冊も持っていません.
写真から伝わってくる、ちょっと暴力的なエネルギーみたいなものはすごいとは思うんですが、かなり食わず嫌いな感じもありますね.

この写真集は 1950 年代を代表する写真集の一冊で、日本語版や英語版など発売されていますが、今回購入したものは オランダ の Ludion という出版社から 2015 年に発売されたものです.
この出版社の名前は初めて耳にしたので、ちょっと調べてみたらオランダでは有名な出版社みたいです.
規模的には小規模な出版社で年間の発行は数えるほどですが、とても良質な写真集を作っているようです.
当然ですが、すべてオランダ語なので「ちょっと何言ってるのかわからないですね」という サンドウィッチマン 状態.
英語だったらなんとなくのニュアンスが読み取れますが、さすがにオランダ語はねぇ.
でも新品 (今回はここがとても大事) で価格もまぁ納得の値段だったので、写真観るには充分かと.
表紙カバーの上にビニールのカバーがかけてあり、ページを開く前からとても丁寧な印象を受けます.
新品ならではの開いた時のインクの匂いとかがやっぱりいいな.
写真部表面のちょっとザラっとした感じも大好きです.

コントラストが強いモノクロ写真で、黒い部分は潰れているような感じ.
ただ、粒子が粗くざらついたような感じではないですね.
日本を代表するストリートスナッパー 森山大道 氏の若い頃の写真はアレ・ボケ・ブレという表現され、独特な画像でとてもインパクトがあります.
森山氏の写真もかなりハイコントラストなものがありますが、 エルスケン とは全然印象が違いますね.
使っていたカメラの違いも大きいのかもしれません.
エルスケン の写真は、あえてアンダーにしたのか、レンズの限界だったのかはわかりませんが、顔はライトが当たっているかのように明るく撮っている写真が多いです.
暗闇に顔が浮かび上がっているような.
とてもインパクトありますね.
このあたりは完全なストリート・スナップという感じではなく、ある程度光や影を計算してスナップっぽく撮ったのかもしれませんが、今になってはよくわからないでしょう.

撮影されたのは第二次世界大戦から約 10 年後.
自由奔放に生きる若者たちの姿を、 アン という女性を中心に撮ってあります.
爽やかに希望に溢れる若さなんかは全くない感じですね.
表情がどこか退廃的な雰囲気で、刹那的.
かと言って、 Klein のようにぎらついた感じでカウンター・カルチャーといった雰囲気でもなく、どこを見ているのかわからないような視線の写真が多い.
目標を見失っている若者たちという感じです.
なにか、今の日本のトー横キッズのような雰囲気もあります.
決して豊かな時代ではありませんが、 Robert Frank のような貧困さが漂っているわけでもない.
Robert Frank は豊かな国アメリカの光と影みたいな写真だったからなぁ.
これが Walker Evans まで遡ると、完全に 「怒りの葡萄」 になっちゃいます.

この写真集の中には、ヒロインでもある Vali Myers の描いた絵がかなり入っています.
そして、ところどころに詩的な文章が入り、普通の写真集とは一線を隔てています.
写真と共に一つのストーリーに仕上げてあるので、本当は日本語訳がある方が絶対にいいと思います.
一応ジャズ・ファンを名乗っているので、 エルスケン の "Foto-Jazz" はどうしても押さえておきたいところですが、これまたなかなかいいものがない.
とにかく高すぎます.
中古相場で 50,000 円くらいしてますので、さすがにこの写真集にこの金額は出せないな.
ましてや実物を手に取らずネットでの購入なので、これだけ高額なものはリスクが多すぎます.

今朝は雨です.
今週末はどうも天気が悪そう.
来週リビングのエアコン交換するので、その前にいろいろやっておくことがあるんだけど、雨で捗りそうもないな.
とりあえずジャズでも流しながら写真集ゆっくり観ようかな.
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