暑くて、休みの日も外に出ようなんていう気力がわかない.
 静かに家で過ごすのが一番.

 とはいっても、明日からはいつもの 東京 .
 暑そうです ・・・・・ おまけに大気は不安定なようで晴れたり曇ったり、雷雨になったりというような天気予報.
 晴れなくてもいいから、できれば雨は降らないでほしいものです.



 "Girl Talk / 山本剛" と同じ頃のアルバムです.
 




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  "South. / 安田南"





  1. Gravy Waltz
          (S.Alen-R.Brown) ・・・・・ 2:55
  2. Bye Bye Blackbird
          (M.Dixon-R.Henderson) ・・・・・ 4:00
  3. Good Life
          (J.Reardon-S.Distel) ・・・・・ 5:49
  4. Chains of Love
          (Nugetre-Walls) ・・・・・ 8:17
  5. Summer Time
          (D.Heyward-G.Gershwin) ・・・・・ 5:17
  6. Yes Sir That's My Baby
          (W.Donaldson-G.Kern) ・・・・・ 3:35
  7. I'm Walkin
          (D.Bartholomew-A.Domino) ・・・・・ 5:48
  8. Good Morning Heartache
          (I.Higginbotham-E.Dake-D.Fisher) ・・・・・ 6:20

  



  安田南 (vo), 山本剛 (p), 福井五十雄 (b),
  小原哲次郎 (ds), 大友義雄 (as)
  Recorded at "ROB-ROY" , Aoyama, Tokyo, February 19,1974.








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 先日の "Girl Talk / 山本剛" の記事で、 1975 年録音のアルバムにこの "South." もあるというようなことを書いてしまいましたが、正しくは 1974 年の録音でした.

 このアルバムも、少し前に手に入れたものです.
 このあたりのアルバムは、一度廃盤になってしまうとなかなか再販にならないので、購入するタイミングがとても大事です.
 このアルバムは "KING VINTAGE JAZZ COLLECTOR'S EDITION" 30 枚の中の一枚として、 2012 年 7 月 11 日に再販されました.
 まぁ、よくぞ再版されましたという感じです.
 オークションなどで探していたのですが、なかなか手頃なものがなかっただけに、手に入れた時はちょっと嬉しかったなぁ.




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 歌っているのは、 "お行儀の悪いビリー・ホリディ" とジャズ評論家 瀬川昌久 氏に言わしめた 安田南 .
 ちょっと彼女のことを調べ始めたら ・・・・・・・・・・


 まずその破天荒な現役時代がおもしろい、 1970 年代というボクもほとんど記憶にない時代のこと.
 過激派とか、公安とか、アングラとか、足立正生とか、中平卓馬とか、若松孝二とか ・・・・・・・・
 これらのことを読んでいくとさらに深いところにどんどん沈んでいっちゃうんです.
 そうなってくると、音楽ではなくてその時代の方に興味の矛先が向いてしまったりして.

 おまけに晩年のことはいろいろ調べてもまったくと言っていいほどわからない.
 このあたりも、とてもミステリアスなのです.




 ジャズミュージシャンなんだけれど、なぜか 第 3 回全日本フォークジャンボリー (中津川フォークジャンボリー) でのハプニングが有名だったりします.
 真相はよくわからないけれど、彼女のステージで事件が起こり、それでイベントは中止.


 

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 この 第 3 回全日本フォークジャンボリー には、当時の錚々たるフォークミュージシャンはもちろん、ロックグループや 安田南 のようなミュージシャンも出ていたようですね.
 そういった部分に対しても観客の不満なんかもあったのかもしれません.
 さらには過激派がステージに上がって騒ぎはじめたり ・・・・・・・・・

 このあたりのことは なぎら健壱 氏が絶対に真相を知っていそうです.
 この 第 3 回全日本フォークジャンボリー の事件のことも調べてみると面白いんです.
 いろいろ有名なフォークシンガーの名前がゴロゴロ出てきます.



 フォークソングと言えば、西岡恭蔵 の "プカプカ" (みなみの不演不唱) のモデルが 安田南 というのは有名なお話し.
 彼女はまさに "プカプカ" に出てくるキャラクターそのもので、毎日缶入りピースを一缶ずつ開けていたという逸話が残っているくらいのヘビースモーカー.




 アルバムのことになかなかたどり着けなくなっちゃいました.
 少しはアルバムのことを書いてみよう.

 このアルバムが録音されたのは、 青山 にあった ROB-ROY というライブハウス.




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 写真の人物は、若かりし 安部譲二 .

 実はこの ROB-ROY というお店は、やくざ時代の 安部譲二 が奥さんにやらせていたお店.
 そしてこの ROB-ROY でピアノを弾いていたのが、高校生だった 矢野顕子 ・・・・ というのも有名なお話です.


 そうしたら、この 安部譲二 のことが気になってしまい、経歴などを調べたらこれまたおもしろい.
 名家の出身で、今でいうところの帰国子女、おまけに頭もすごくいいのに、なぜか進んだ道はやくざの世界.
 この経歴も面白いなぁ ・・・・・・・・・


 さてさて、再度軌道修正してアルバムのこと ・・・・・・・・


 まず気が付くのが英語の発音がうまい.
 "お行儀の悪いビリー・ホリディ" とか言われていますが、英語もうまいし、歌もうまい.
 カッチリした感じではないんだけれど、うまく外すというのかな.
 ちょいと日本人ぽいブルースなんだけれど、スインギーなのです.

 "Good Life" なんかもう、とても素敵だ.
 "I'm Walkin" の歌い方もちょっと日本人離れした感じです.



 おまけにバックの 大友義雄 がこれまたいい.
 まだデビューしたばかりかな ・・・・・・・ でもいかにも彼らしい演奏で、この手の歌もののバックも短い演奏ながらいい味出してます.
 このアルバムの目玉の一つは、間違いなく彼のアルトでしょう.


 ピアノトリオはもう言うまでもなし.
 調べてみたら、 山本剛 はこの時期かなり 安田南 と一緒に演奏していたようです.
 この録音の前年、京都 同志社大学 での演奏も一緒だったようですね ・・・・・ この時の演奏もすごかったらしい.



 いろいろな意味で、いろいろ楽しめるアルバムですね.






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 数日前の夕焼けです.
 なにか秋のような夕暮れの空でした.


 本当に、昔感じた四季とは違うような気候が続いていますねぇ.


 まだまだ Summer Time ・・・・・・・ 安田南 の歌のような、ちょっと違う夏なのでしょうか.