ジャズ屋

いつもの小川さん & Ruth Mason

 慌ただしい年度末から新年度への移行時期 ・・・・・・
 ようやくの休日です ・・・・・ でも明日はちょっとばかりお仕事.
 なので、今日は以前からやらなくちゃと思っていた作業を少しばかり片付けて、あとはうだうだ・・・・・・
 夕方からは、ゆっくりブログ更新しようと思っていたのですが、ふと見た WOWOW の映画 「少年メリケンサック」 、見始めたら最後まで見てしまいました.



 結局いつもと同じような時間に、ブログ更新になってしまいました.






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  "Moods / The three Sounds"




  1. Love For Sale
  2. Things Ain't What They Used To Be
  3. On Green Dolphin Street
  4. Loose Walk
  5. Li'l Darlin'
  6. I'm Beginning To See The Light
  7. Tammy's Breeze
  8. Sandu




  Gene Harris (p), Andrew Simpkins (b), Bill Dowdy (ds)
  Recorded at RVG Studio, Englewood Cliffs, NJ, June 28, 1960.






 The Three Sounds は、昔ジャズ屋に入り浸っていた頃には、多分、まったく聴かなかったような気がします.
 もし聴いていたとしても、まったくといっていいほど、記憶に残っていません.
 少なくても、かかっていればこのジャケットは憶えていてもいいはずです.
 そのくらいこのジャケットは、ボクの Blue Note のイメージからすると、特出しています・・・・"大嫌い" という意味です(笑)




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 今日は、昼間少し時間が空いたので "いつもの小川さん" が書いた "ジャケ裏の真実" を久しぶりにめくってみました.
 こういった本は、何回も同じところを読んでいるような気がします.
 ざーーーっと読んでも、多くは記憶に残らないので、また読み返す ・・・・ そうすると、ここ、読んだよねっていう感じで記憶が蘇ります.
 結果的に、同じ本の、同じ場所を何回も読んでいます.


 話が逸れますが、この 4000 番台の書籍は、出版社のいろいろな問題で現在は購入できないようです.
 そういう意味ではいいタイミングで購入したことになります、人生での出会いと一緒で、タイミングですね.

 この本の副題に 「ライナーノーツ全解読」と書かれていますが、この表現はどうなんでしょう?
 ボクはこれを見たときに、全文が訳されているものと思い 1500 番台と 4000 番台の両方を、ネット購入しました.
 そうしたら、一部の記載であとは著者のお話がいろいろ ・・・・・ 結果的にはこれが "いつもの小川さん" との出会いでもあったので、それはそれで結果オーライでしたが.
 せめて "ジャケ裏の真実 4000 番台 ライナーノーツから聴く Blue Note" とでも書いてあると、うーーんなるほどと思えたのですが・・・・まぁ、本自体を否定している訳では決してありませんので.


 話を The Three Sounds に戻しましょう・・・・
 ボクがジャズ屋で "シリアスなジャズ・ファン" を気取って聴いていた頃って、このグループの評価はきっと低かったに違いありません.
 だって、その頃のジャーナルなどにも、名前を見た記憶があまりありません.
 さりげなく聴ける、軽く聴ける ・・・ なんて、 Modern Jazz じゃない !!
 バップ、ハード・バップ、新主流派こそがジャズ !!!!
 なんというような数式が、こういったジャズ喫茶などでは君臨していたような気がします.

 あれからウン十年たって、初めて The Three Sounds のアルバムを聴いてみると・・・・いいじゃん、これも.
 実はそんなボクが感じたことと同じようなことが、"ジャケ裏の真実" p.67 に書かれています.
 でもそれは、このアルバムのところではなく "Good Deal" のところです.
 ライナーノーツの訳文で、一般レヴューアーの話として、
 「最初は気持ちのいいバックグラウンド・ミュージックを聴いているような感じだが、気がつくと、耳を傾け、ピアノ、ドラムス、ベースのソロとインタープレイでなにが起こっているのかに気を注いでいる自分を発見する」

 本の中で "いつもの小川さん" がうまい表現といっていますが、本当にその通り.
 ボクも、このレヴューアーと全く同じ聴き方をして、同じことを思っていました.
 最初はかるーーーーく聴き流しているのですが、知らず知らずのうちに聴き入ってしまいます.
 そんな不思議なグループでもあります・・・・
 でもなぜか日本では最近までほとんど注目もされないような存在.


 思うに、これってきっと、日本人的なジャズの聴き方をしてきたからでしょうね.
 ジャズ=こうあるべきもの!というような聴き方をしている日本人はきっと多いはずですし、ボク自身も以前は典型的なこんな偏った聴き方でした.
 でも、この聴き方が決して絶対悪ではないと思います.
 ただ、最近になって "来る者拒まず" 的な聴き方をしてみると、今までの聴き方が物凄くもったいなかったようにも思えてしまいます.

 "いつもの小川さん" も、ONGAKU ゼミナールや自身のブログでよく、「こういった軽いものもいいですよね、シリアスなものはもう十分聴いてきましたから・・・」といったようなことを言っています.
 ボクは彼とはとても比較対象にならないほど、聴いている数は少ないのですが、それでも「軽くたっていいじゃん」というような気持ちになってきましたし、そういう演奏を聴いても十分に楽しめてしまいます.
 だから Blue Note を片っ端から聴いてみようなんていう気持ちも起きてきました.

 The Three Sounds に出会いました、
 Fred Jackson に恋しました、
 Baby Face Willette に唸らされました、
 Horace Parlan にシビレました、
 そして、
 Tina Brooks の虜になりました・・・・・


 とりあえず、今は Blue Note だけあれば十分かもしれません



 でも浮気性なので・・・・・いつも隣の彼女が綺麗に見えてしまいますが・・・・・ 

At Plugged Nickel, Chicago

 土曜日です ・・・・・ 超 まったりの一日です.
 午前中は髪の毛を切りに、基本的に短い髪 (それもベリー・ショート) が好きなので、耳に髪がかかってくると気になって仕方ありません.

 朝方は雲が多かったのに、昼頃からお日様がサンサンと暖かな日差し.
 それでも 3 時頃になると、風がかなり冷たくなってしまいました.


 午後は、何もしないで例の Miles Davis です.





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  " At Plugged Nickel, Chicago, Vol. 1 "




  1. Walkin' ・・・・・ 11:03
  2. Agitation ・・・・・ 10:50
  3. On Green Dolphin Street ・・・・・ 11:14
  4. So What ・・・・・ 13:38
  5. The Theme ・・・・・ 0:17




  Miles Davis (tp), Wayne Shorter (ts),
  Herbie Hancock (p), Ron Carter (b),
  Tony Williams (ds)





 まずは、一番聴きたかった "At Plugged Nickel, Chicago"


 このアルバムは、昔日本で最初に発売された時 (いつもの曖昧な記憶によると) にアナログ盤を買った、思い出のアルバムです.

 このアルバムを買う少し前まで、どちらかというと Prestige のアルバムや ・・・・ Columbia でも "Kind Of Blue" あたりまでしか聴かなかったのですが、 "'Four' & More" がそれまでの殻を見事に打ち破ってくれました.
 "My Funny Valentine" はそれまでも何度か聴いており、結構好きだったと思います.
 もちろん "'Four' & More" も当然ジャズ屋でかかっていたはずなのですが、きっと気にも止めていなかったのでしょうね.


 ジャズ屋で聴いている連中って、自分のお気に入りはしっかり聴いているのに、他人のリクエストなんてほとんど聴かない傾向が強いんですね.
 「だれだ、こんなつまらないアルバムをリクエストして・・・・」 なんていう感じ.
 こういった連中が、俗にいう "シリアスながジャズ・ファン" 
 「 CTI なんてジャズじゃねーよ ・・・・・・
  おいおいまた "Blue City" かよ ・・・・・・
  またピアノかよ、流れを読めっていうの ・・・・・・・
  リクエストしたらちゃんと聴けよ、彼女と話しているんじゃねーの ・・・・・・
    ・・・・・・・・・・  」


 暗い店内で "シリアスなジャズ・ファン" はこんな感じで生息しています. 
 だから知らない店でリクエストするなんて ・・・・・ この辺りは、新人ママの公園デビューと同じでしょうね.
 また話の方向が違う方向にいってしまいました (笑)


 ジャズの出会いも、人との出会いと一緒で、ちょっとしたきっかけや運命的なものがあると思っていますが、この "'Four' & More" もほんのちょっとしたきっかけで、突然いいと思って聴き始めたんでしょうね、きっと.

 このボックスに付いてきた DVD に、 1967 のヨーロッパ公演の映像があります.
 "'Four' & More" が 1964 年、
 "At Plugged Nickel, Chicago" が 1965 年、
 そして DVD のヨーロッパ公演が 1967 年 ・・・・・・・
 その間にはさらにいくつのも作品が ・・・・・




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 "At Plugged Nickel, Chicago" で特に好きなのが "Agitation"
 正直 Wayne Shorter はこのアルバムでも、 1967 でもそんなにいいとは思わないし、 Herbie Hancock も物足りないところがかなりありますが、演奏全体としてみると、緊張感がピリピリ伝わってきます.
 特にライブって、演奏だけでは評価できないいろいろな要素が、複雑に絡まっていますからねー.

 そういえば "Complete Live At Plugged Nickel 1965" なる 8 枚組ボックスもあるようですが、これって日本でも発売になったのかなー・・・・
 と調べてみたら日本では何枚にも分散されてしまったようですね.


 これ、欲しいわっ!!
 きっと数年後には発売されるんだろうな ・・・・・・・

Ballad And Burton / Ann Burton

 今日は新型インフルエンザ”濃厚接触者”ということで、一日お休み.
 我が家の Patient の熱も少し下がり、昨日よりは調子もいいようです.
 でもほとんど一日、ベッドで横になっているだけ ・・・・・・ 午前中には階段を数段踏み外したりと、タミフルのせいか、それとも熱のせいなのか.


 そんな具合の悪そうな娘を横目に、ボクは一日早い連休.
 午前中は雲も多く冷たい風が吹いていたのですが、昼から日差しが戻り気温も少し暖かくなったので、スタッドレス・タイヤに交換です.
 ボクの車と娘の、計 2 台・・・・・・そんなに寒くなく、よかった.


 ちょうど終わりかけた時に、グッド・タイミングで宅急便 ・・・・ HMV から CD が 6 枚ほど.
 休みだけれど、できるだけ人込みは自重なので、家で引きこもるにはちょうどいい CD 到着でした.
 今回届いた中の一枚が、



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 "Ballad And Burton / Ann Burton"

 珍しくボーカルのアルバムです.
 これも言うまでもないくらい、有名なアルバムでジャズ喫茶などでもよくかかっています.
 ・・・・・・ ヴォーカルの中ではという意味で、ヴォーカル自体がリクエストそれほど多くはありません.
 今回、何十年ぶりに聴いてみると、これがいい.


 まず、歌詞がはっきり聴こえます ・・・・・・ 彼女オランダ人なのに英語うまいなー.
 選曲もいい、ジャズのスタンダード曲ばかりではなく、ポピュラーからも取り上げているのに、どれもがアンニュイという言葉がぴったり.
 すべてが Ann Burton の色に染まっています.


 ピアノが Louis Van Dyke なのですが、彼についてはちょっとした思い出があります.
 昔ジャズ屋によく顔を出していた、アマチュア・ピアニストから "When A Man Loves A Woman" の一番いい演奏は Louis Van Dyke !!
 と教えられたことがあり、秋葉原の某レコード店で輸入盤をなんとか見つけたことがありました.
 タイトル曲の他にも "The Shadow Of Your Smile" も入っていました.
 肝心の感想は、悪くはないけれど、ジャズとしては物足りないなー ・・・・・・
 BGMで流しておくんだったらよさそうだけれど.


 でもこのアルバムのように、ヴォーカルのバックでの演奏聴いていると、ものすごくマッチして、彼女の声とともに、アンニュイな雰囲気を醸し出しています.
 こういう演奏のほうが向いているのかなー・・・

 ジャズ屋で何時間もハード・バップなんかを聴いていて、突然こんなアルバムがかかると、みんな言葉もなく、ちょっとセンチメンタルに、一日のことなんかを思い浮かべてしまいます.
 アンニュイな雰囲気というと Norah Jones なんかが思い浮かぶのですが、これはまったく違う雰囲気.


 強烈なジャケット写真の皺一本一本に人生の酸いも甘い知った、大人のアンニュイがこのアルバムにはあります.

Memories of You

 ようやく金曜日!!
 今週は長かったなー ・・・・・・ でも無事に一週間が終了.


 ボクがいつも覗いている 小川隆夫 氏のブログに 鎌倉 や 葉山 のことが書いてあり、それを読んでいるうちに、昔の思い出が蘇ってきました.
 今日は、ちょっとセンチメンタルにそんな昔の思い出を ・・・・・

 そういえば、先日 "Memories of You" を少し取り上げたばかり.
 間違いなく Benny Goodman だったと思うんです.
 でもアルバムが思い出せません、これって壮年性認知症.


 ウン十年前、 3 年間ほど 平塚 に住んでいました.
 そこでジャズと出会い、いろいろな友達に出会い、素敵な彼女とも出会いました.
 そんなに頻繁ではありませんが、年に数回はいろいろなメンバーで 葉山 、 逗子 、 江の島 あたりに遊びにいっていました.
 その頃の思い出は、それこそいっぱい ・・・・・・

 土曜の夜になると、海岸沿いの道路には暴走族が溢れ、気がついたらボク達の車も暴走族の集団の中に入ってしまい、そのまま結構走り続けたなんてこともありました.
 当時はシャレにならない、笑い話.



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 中でも一番の思い出は、ジャズ屋の彼女といった 逗子なぎさホテル でしょう.

 付き合い始めて最初の冬、彼女がどうしても泊まりたいホテルが昔からあって、是非一緒にいってほしいと ・・・・
 ボクは正直あまり興味もなかったので、まぁいいよっていうような返事.
 そして年明けに、二人電車に揺られながらいったのがこのホテルでした.
 平塚 から東海道線で 大船 、そこで横須賀線に乗り換え 逗子 ・・・・・・


 歩いて着いたホテルの第一印象は "おそろしくクラッシックなホテル!!"
 外観も古いんだけれど、とにかく中がすごいんです.
 一歩足を踏み入れただけで、そこはもう大正浪漫とでもいいますか、レトロな匂いがプンプンしていました.
 廊下も、その天井も凄かったような記憶が ・・・・・・・・.
 ボクが一番驚いたのは、「えっ、部屋にお風呂ないの ・・・・・」
 で、お風呂にいってみると、これがもうおそろしくレトロそのもの!!
 いやーっ、この感動というか、衝撃は、入ったことのある人しか絶対にわかりません.


 部屋の中はちょっと赤みがかった (この記憶はまったくもってあいまい) 落ち着いた色だったと思います.
 ただ、静かにしていると隣りの声が聞こえてくたように記憶してます.

 ボクの記憶で印象深いのは、写真の逆側 ・・・・・ 海側から見たホテルの景色です.
 ちょこんと、丸時計があるホテルの景色.
 二人で人気のない砂浜を歩きながらホテルを見た時の、素敵なホテルのシルエットがよかったなー.
 残念ながら夕食のことなんかはほとんど記憶に残っていません.


 まだまだ本当に若かったので、今のようなゆったりした過ごし方できなかったし、本当のホテルのよさをほとんどわかっていなかったと思います.
 でも、ボクの大事な思い出のひとつ
 今は亡き彼女との、大事な思い出のひとつ
 そして、今は無きホテルの思い出のひとつ


 今だったら、もっともっとこのホテルの良さがわかったのに ・・・・・・・

 ・・・・・・・ Memories of You

Chasin' the Bird / Barry Harris

 気がつけばもう 11 月・・・・・・
 歳をとったせいか、はたまた仕事が忙しいせいか、ほんとうに一年経つのが早い.

 今年もほんとうにいろいろなことがあったなー.
 残り少ない今年ですが、この先もまだまだいろいろなことがありそうです.
 すでに週末はスケジュールがびっしり、半分くらいはどうでもいいことなのですが、自虐的なボクは積極的にスケジュールを埋めちゃいました.


 とりあえず年末年始 (12 月 29 日から 1 月 4 日) だけはなにもスケジュールいれないので Miles Davis 聴くしかありません.
 ここも自虐的に無理やり聴こうと思っています.


 12 月と言えば忘年会なのですが、ボクの週末は講習会です.
 で、講習会に併せて、お泊まりの忘年会が 2 つ、最終週は東京で小児の講習会で今年一年が終了.

 ・・・・・・ まだホテル確保してないのを今思い出した.



 ということで、ホテル予約完了!!
 ホテルは、今年ずっと利用しているホテル、上野なんだけれど銀座線の駅に近く、ホテル全体が禁煙というところが気に入ってます.
 おまけに安くて、きれい ・・・・・・ ただしバスタブがなく、客層は外国観光客が結構多い.
 相変わらず、話があっちにいったり、こっちにいったり.



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 今夜のアルバム "Chasin' the Bird / Barry Harris" 
 久しぶりのRiverside 盤です.

 Barry Harris は、昔ジャズ屋のマスターのお気に入りで、教えてもらいました.
 ただ、彼が好きだったアルバムは、 Prestige の "Magnificent!" .

 その影響で、ボクも "You Sweet and Fancy Lady" が大好きになりました.
 そのマスターは Barry Harris の独特な間の取り方 ・・・・ オフ・ビートのところが、グッとくるとか言いながら、目を瞑りながら唸っていました.
 ボクは Barry Harris のピアノってとても不思議だと、聴くたびに思ってしまいます.
 なぜか、非常に聴き易い時と、非常に耳障りに聴こえる時があるんです.
 Thelonious Monk ほとんど聴かないのですが、 Barry Harris のライナーノーツなどには、Monk、Bud Powell、Charlie Parker などの名前がよく現れます.
 ハード・バップを語る上で Thelonious Monk は避けて通れないほど、重要な部分をしめているようですが、ボクは苦手 ・・・・・・ だからハード・バップは語らないようにしています.
 Barry Harris もハード・バップを敬愛し、プレイもバリバリのハード・バッパーとよく言われます.


 ボクは Barry Harris 聴く時に、あまりハード・バップということを意識したことがありません.
 なんとなく、聴いてみようかと思って聴くという感じ.
 でもなんとなく好きです ・・・・ それは、ジャズ屋のマスターの思い出が重なっているかも知れません.


 なんとなく、ノスタルジックな気持ちに浸りたいから、聴くのかもしれません.

 思い出という昔の恋愛ですね.

A.T.'s Delight / Art Taylor

 昨夜はなんと初雪が舞いました. 
 さすがに朝積もってはいませんでしたが、今年一番の寒さです.
 ほんとうに、昔過ごした季節とはどうも違うなー、この先どうなるのか.


 今日は、昔過ごしたジャズ屋のお話しを久しぶりに ・・・・・・

 ジャズ屋に通い始めて、常連ぽくなって、一年くらいたった頃のお話しです.
 日曜日の開店から夕方まで、ボクがそのジャズ屋でバイト ・・・・・・ それも一人で開店準備から店を開けてと.
 まぁ、日曜日の午後なんて、薄暗いジャズ屋に聴きにくる人は少ないので、ほとんど自分で好きなアルバム聴いていたかな.
 お客さんがいても、リクエストないと基本的にはボクがすべてアルバムを選ぶので、どうしても個人的な好き嫌いが見え隠れします.

 そうはいっても、同じようなアルバムを続けるようなことだけはしませんでしたが.
 John Coltrane 大好きだったので、どうしても多くかけていたように記憶しています.
 ただリーダー作品ではなく、 Red Garland や Miles Davis グループの一員として演奏しているのを好んでかけていました.
 これだったら、お客さんにも露骨に嫌な顔されないし.


 ボクがバイトに入ると、当然平日の午後カウンターに入っている女性はお休み.
 午後 3 時か 4 時頃になると、彼女は決まって店にやってきて、カウンターの一番隅にちょこんと座ります.
 そしてお客さんがいないのを確認するとリクエスト ・・・・・



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 Roland Kirk です ・・・・・・ 特に "Inflated Tear" なんか、大好き.


 「ねぇねぇ、リクエストしていい?」
 他のお客さんがいない時に、必ずこういいながら Roland Kirk のアルバムを一枚リクエストします.
 お客さんがいる時は、リクエストしないで静かに聴いているだけ.

 ボクは Roland Kirk が嫌い ・・・・ でも、
 「またー?まぁ、お客さんだから仕方ないですね ・・・・・・・」
 彼女も、自分がカウンターに入っていると、さすがに Roland Kirk はかけ辛いようです、だからお客さんとしてリクエスト.


 もう随分前のお話しですが、昨日のことのように、話し方や、笑顔や、聴いている姿などが蘇ります.
 あの頃、シリアスなジャズ・ファンは、全国どこにでもいたんですよね.




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 こんなことを思い出しながら聴いていたのが、 "A.T.'s Delight / Art Taylor" .
 相変わらず、日記とまったく脈絡なし.


 でも、これもいいぞ.
 特にラッパの Dave Burns がいいなー.
 こういうトランペット大好きです.
 きっと、このアルバムで初めて聞いたのかも.

 ジャケット・デザインもとてもいい.
 派手さには欠けるけれど、こういうアルバム聴くたびにホッとできる.
 これも今年アルバムを買って初めて聴いたものですが、こういったいいアルバムを聴くたびに、改めて偏屈な聴き方していたと痛感してしまいます.


 そういえば、彼女もボク以上に偏屈でした ・・・・・・・・・

Byrd In Hand / Donald Byrd

 月曜日 ・・・・・ 昨日までの東京の喧噪とはうって変わった朝.
 また、一週間が始まりました.

 昨日家に帰ってみると HMV の箱が ・・・・・ 東京に行く前に注文しておいた Blue Note 数枚.
 その中には、持っているとばかり思っていた "Candy / Lee Morgan" も ・・・・・ で、聴いてみるといいんです.
 ワン・ホーンだったんだ!なんて、改めて感慨深く.
 まぁ、ジャケット見ればわかるんだけれどね (そんなことも忘れていました).

 こんなにいいアルバムだったっけ??
 ワン・ホーンのアルバムでは、断然 "Blue's Mood / Blue Mitchell" が大好き!!
 文句なく好き、ジャケットも好き、演奏も好き、なにより音が好き!!
 "Candy" の方は、もう少し華がある感じ ・・・・・・・ 若さとか勢いがいい意味で感じられますよね.



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 でも今夜の話題は、 "Byrd In Hand / Donald Byrd" !!

 昔持っていたアナログ盤を手放してから、数年間はほんとうにジャズ聴かなかった ・・・・ 正確にはほんとうにわずかしか.
 当然 CD もほとんど買わなかったです.
 ここ数年ですね、 HMV のマルチ催眠商法に見事に引っ掛かり買うようになったのは ・・・・・・ (笑)
 基本的に思い出と生きるジャズなので、ほとんど新しいものは聴きません.
 これは前の日記読んでもらうとわかります.


 昔持っていたものでも、まったく買わないものも多く、例えば Art Pepper なんか以前は 10 数枚あったのに、 CD では 1 枚もありません.


 "Byrd In Hand" は Donald Byrd のアルバムで最初に買った思い出のアルバムです.
 最初に聴いたのは例のジャズ屋、バリトン・サックスなんて知らなかった頃、例の彼女に 「変わった音ですね?」 とかいって初めて知りました.
 それ以来このアルバムが好きになり、特に 2 曲目の "Here am I" が大好きでした.
 ジャズ屋で初めて買ったのがこのアルバム.


 当時、そのジャズ屋では毎月まとめて問屋からレコードを 20 - 25 % 引きで購入しており、お客さんも頼むことができました.
 その頃になると、友達もたくさん増え、店員の女の子ともご飯食べにいくようにもなっていたので ・・・・・・・ 恋はもっと先のお話し.
 ご飯といっても、ジャズ屋の隣にあった汚い定食屋ですがね.

 ・・・・・・ 話が脱線.


 このアルバムを聴く時に "ザ・ブルーノート、ジャケ裏の真実 4000 番台" (小川隆夫 著) の 62 ページからを読むとおもしろい.
 ボクはほとんどこういったことを気にしないで聴いていたんだけれど、こういった本を読むのは大好きなので、 「・・・・・・へぇーーー・・・・・・なるほど・・・」 なんて素直に感心してしまいます. 
 どっから聴いても、ハード・バップそのものだと思うのですがねー ・・・・

 このアルバムのあと、かの有名な "Fuego" .
 でも、このアルバムのほうが思い出はたくさん詰まっています.

Walkin' / Miles Davis

 明日から東京 ・・・・・・ いつもの講習会.
 なぜかここにきて受講生のキャンセルが多くて、資料の作り直しがメンドイ!!
 明日は一度会場に顔を出し、セッティング確認.
 そのあとは銀座まで少し歩いてみようかな.
 会場のビルは京橋なので、銀座は目と鼻の先、あとはお天気ですね.
 この講習会のインストラクションも約 2 か月ぶり ・・・・・ 土曜の夜は銀座できっと飲み、今回は 「愉楽の銀座酒場」 に出会えるかなー.


 ボクがジャズに出会った頃、すでに Coltrane は亡くなっており、彼の演奏を聴く手段はレコード盤と FM からだけでした.
 それがやがて CD になり、ビデオが一般家庭に浸透し、やがて DVD から ブル・レイ ・・・・
 それに伴って、昔の映像がどんどん見れるようになりましたが、ボクは見たいとも思わなかったんですよね.


 ボクのジャズは、昔通い詰めたジャズ屋で流れていたジャズ
 最近でこそ、以前まったく聴かなかったものも聴くようにはなりましたが、基本的には昔の思い出と生きるジャズです.



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 このアルバムを最初に聴いたときも、たしかいいお天気の春の日だったような.
 どうしてそんなことまで覚えているかって?
 それは、カウンターの中にいた女性と始めて話したのがその日だったから.
 「なにかリクエストは?」
  ・・・・・・
 「はぁーーー??よくわからないから・・・・・・・」
 「じゃ、外はいいお天気みたいだからこれ」
 「・・・・・・・はぁー」


 って感じの会話の後かけてくれたのが、このアルバムです.
 なんとも冴えない会話でしたが、最初はこんなものでしょう.
 それ以来、天気のいい日、通りを歩くたびに自然にメロディを口ずさんでしまうようになりました.

 それから何十年後になって、ようやく マイルスの映像 を観ました.



 映像からビリビリと緊張感が伝わってきて驚きでした.
 ボクの大好きな、ブルーノートのようなハード・バップとはまったく違うジャズ.
 「イェーーイ」 なんてかけ声かけたら、ギョロって睨まれ、そのまま演奏止めて帰ってしまいそうでした ・・・・・・ (笑)
 音だけでは伝えられない部分ですね.


 ・・・・・でも、音しかないからいいこともたくさんありますよね.


 東京まで 1 時間 30 分、いつもノイズカット・ヘッドフォン (この JBL ヘッドフォンは、飛行機でも重宝してます) でジャズ聴いていきます.
 そうすると、あっという間に、喧噪の街に到着!!



 明日は、今日届いたばかりのこんな本でも読んでいこう、きっといつもより早く着きそうです ・・・・・・



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 ボクの大好きなアルバム "Back to the Tracks" をさっと読んだだけでも、Jackie McLean, Freddie Redd ・・・と.

 いやーっ、これも面白いわ!!


 明日、晴れたら ・・・・・・ 並木通りでも Walkin'!

エンディング・テーマ

 いやー、四月になって職場での肩書きが変わり、仕事の内容も変わったので目の回るような忙しさに押し潰されそうです.
 気が付けば、四月ももうじき 2 週間が経過 ・・・・・・ いつになったら前のようなゆとりが生まれるのか・・・・・トホホ


 ボクの通ったジャズ屋は、一応午前 2 時頃には閉店になります (と言っても、一応看板をしまってマスターと一緒に静かに飲むんだけれどね) .
 ある時期、閉店のときに必ずかけていたのが "Rockin'Chair Lady/Mildred Bailey" でした.




Mildred
 

 元来ヴォーカル・アルバムはあまり好きではなかったのですが、このアルバムはいいですよ ・・・・・・・ と言っても、ビリー・ホリディが出てくる前だから、かなり古臭く、ダルダルな感じです.
 なにか心の乾いた部分にジンワリと沁みてくるような ・・・・・・・ 一日の疲れをそっと癒してくれるようなアルバムです.
 こんな古臭いアルバムを静かに聞きながら、ジン・トニックをちびちび ・・・・・・・ これが本当に沁みるんだな.

 "When That Man Is Dead And Gone"
 "Georgia On My Mind"
 "Lover, Come Back To Me" ・・・・・・・

 輸入版も出てますが、やっぱりこのジャケットでなきゃ.
 まだ聴いたことない人 (のほうが絶対多いと思うけれど) は、 HMV なんかで視聴できるから聴いてみてください.

 とっても古臭い、古きよき時代の音楽です.

ジャズ屋、三度

 数回店に顔を出すようになると、どうも昼間は女性が一人でカウンターに入り、夕方からはバイトの男の子と、マスターが入るということがわかってきました.




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 ボクはその頃、日曜の昼間しか顔出さなかったので、いつもその女性がカウンターに入っていました.
 顔とかは知っていても、カウンターに座っても、話すことは一言二言、これがジャズ屋です(笑).
 その店には、らくがき帳という、何でも好きに書けるノートがあって、ひとつの情報交換の場になっていました.
 ボクも少しづつ書きはじめたのですが、そこにいろいろな人からの RES があったことに驚いてしまいました.
 そのノートによって、だんだん店のことや、ジャズのことがわかってきたような気がします.
 そして、だんだん顔も知らない人たちとのつながりが生まれてきました.


 このジャズ屋は裏通りの目立たない場所にあって、その周りはほとんど住宅なんだけれど、中華料理屋、定食屋、銭湯などもありました.
 この定食屋は、カウンターだけで 5・6 人入ると満員の小さい、汚い店なんだけれど、安くてうまい店でした.
 たまたまそこで、ジャズ屋の女性従業員と出会い、そこから話すようになりました.



Kirk002

 その頃の彼女は、Roland Kirk が大好きで、彼のことを熱く語っていました.
 ずっと先になりますけれど、彼女とは店でもよく話したり、一緒にライブ聴きに行ったり、定食屋で夕飯食べたり、飲んだり ・・・・・・・・・ 友達以上恋人未満って感じで付き合っていました.

 あの頃のボクは Roland Kirk なんてちっともいいと思わなかったんだけれど、このアルバムは脳裏に焼きついています.
 先日このアルバムを買って久しぶりに聞いてみると、やっぱりあんまり好きじゃないや
 ・・・・・でも、これこれ・・・うんうん.


 その彼女が、数日前に亡くなったとは ・・・・・・・・・ かなりショッキングでした.
 もう一度くらい、酒を朝まで飲みながら、ジャズのことを、グジグジ話したかったのに.

   合掌
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la_belle_epoque

 ジャズ・アルバムの紹介を中心に始めたブログでしたので、こんなタイトル付けていますが、最近では完全に写真やカメラの話題が中心になっています.

 最近になって 沼 という場所にハマっていることに気が付き、脱出のためもがき苦しんでいます。
 金銭感覚も社会通念上の常識とはどんどん離れていってるようですが・・・・・・

 いつもおいでいただく皆様に、感謝です。

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