12 月 5 日、小雨降る肌寒い天気の午後、二度目の フェルメール 展に行ってきました.
 天気も悪く、金曜日の午後ということもあり、それほど混んでいないだろうなって、余裕で行ったのですが、 40 分待ちの行列でした.
 相変わらず フェルメール 人気はすごいなと、周りに大勢いる、おおよそ絵画とは関係なさそうなオバチャンたちを見ながら思っていました.



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 二回の感想を適当に書き綴ってみます.
 今回の フェルメール展 の一番の目玉は、 "小路" と "絵画芸術" だったのですが、 "絵画芸術" は直前に出国不能になり、 "手紙を書く婦人と召使い" が変わりに出展されました.

 また、 フェルメール の 7 作品と共に、デルフト派と呼ばれる同時期の作品が多く出展されたことでしょう.
 実はこれらの作品については、あまり多くの期待も情報もなく見たのですが、いやーそれが素晴らしい.
 まずはこの辺のお話しからしていきましょう.



 展示会場の最初は ファン・デア・ヘイデン の 2 枚並んでいます.
 その 2 枚は同じ風景を書いたものですが、書かれた時期は 15 年くらいの開きがあります.
 特に後期の "アウデ・デルフト運河から見た旧教会の眺望" が素晴らしい.
 まずはその描写の繊細さに圧倒されます.
 近くで見ると本当に細かな部分まできっちり書かれています.
 2 枚見比べると、似ているようで似ていない部分がかなりあり、見方によっては別の人の作品と言われても納得してしまうかも.
 絵に描かれた空間の奥行きの深さも素晴らしいです.
 この 2 作品を見ているだけでも時間が ・・・・・・・


 そして カレル・ファブリティウス です.
 レンブラント の弟子の中でも最も有名かもしれません.
 ボクが好きなのは "歩哨" ・・・・・・・
 もうここまで見ただけでも、当時のデルフト派と呼ばれる絵描きたちの、その卓越した描写に圧倒され、すごいなーとしか思い浮かびません.


 さらに ピーテル・デ・ホーホ が続くのですが、これもまたすごい.
 ただ顔の表現などは フェルメール と比べると ・・・・・・・ ちょっとと感じてしまいますが、その空間の表現、窓や後ろの部屋から差し込む光などの描写は、素晴らしいです.



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 そして フェルメール ・・・・・・

 まずは "マルタとマリアの家のキリスト" ですが、この大きさに驚きです.
 確かにいろいろな本にはその大きさが書かれてはいますが、イメージ的にもっと小さいものといった感覚があったため、その大きさに圧倒されます.
 属に言う フェルメール らしさはないような感じですが、わずかな光の中に書かれる鮮やかな色調などは、やはりと言う感じでしょうか.


 そして、ボクが一番見たかった絵 ・・・・・・・ そして一番感動した絵 ・・・・・・・
 それが "小路" です.
 一番驚いたのはその色調です.
 写真や雑誌で見たものとは、全く違う、鮮やかなレンガ壁と白い漆喰、鮮やかな赤とくすんだ青い雨戸 ・・・・・・・ この鮮やかさには本当に驚きました.
 この絵は、よく描写についての素晴らしさがいろいろなところで書かれています.
 もちろんその描写も素晴らしいものです ・・・・・・ うずくまり遊ぶ黄色い服の女の子、縫い物をする女、奥のほうにいる女、遠くの街並み、そして空 ・・・・・・・

 そんなに大きくはない一枚の絵ですが、そこに描かれている風景には、ものすごく多くのものが凝縮されています.
 こんなにも、実物と写真が違うと感じた絵はありませんでした.
 それほど、この絵は素晴らしいものでした.
 この絵を見て、改めて "デルフト眺望" を是非見たいと思いました.
 きっと写真では絶対表現できない素晴らしさがあるんでしょうね ・・・・・・・・・
 
 フェルメール のおかげで、久しぶりに美術館に足を運びましたが、よかった!