いきなり 植草甚一 的なタイトルで始まりました.
最近映画の話題が続いたので、今日はしっかりジャズの話題など.
今年は マイルス・デイヴィス 生誕 90 年にあたる年.
そんな訳かどうかはわかりませんが、つい数日前に映画 "MILES AHEAD / マイルス・デイヴィス 空白の 5 年間" が日本公開になりましたし、 気になるマイルス 関連の書籍や写真集 (内山繁 著) なども発売されています.
今回のブログはそんな マイルス に関係ある話題をいくつか.
また映画の話題からなんですがね (笑)

(The Hollywood News.com より引用)
この映画は主役・監督の ドン・チュードル が マイルス の 5 年間にわたる演奏休止期間を、事実とインスピレーションを加えて作った映画だと割り切っているので、まぁこういうのもありかなと思っています.
この映画、どうも上映される前から賛否があるようで ・・・・・・・・
特にシリアスなファンの皆さんの中には 「こんなのはマイルスじゃない」 といった感じで受け止めている人も多くおいでのようです.
まるで マイルス がエレクトリック・サウンドに進んでいった頃、ものすごい賛否両論飛び交ったような感じかな ・・・・・・・ まぁそこまでは大きな話題にもなりそうもありませんが.
決してドキュメンタリー作品ではありませんので ・・・・・・・・

小川隆夫 氏が字幕監修のお手伝いをしておりすでに何度となく観たようですが、半分以上フィクションだけれど一部事実に基づいている部分もあるようなのです.
ボクは予告編観て、これはあくまでも ドン・チュードルの作り上げた映画と割り切っていましたので、小川さんお話聞いて 「やっぱり」 という感じですね.
この映画、間違いなくボクの地域へはやってこないでしょうから、 DVD or Blu-ray での観賞になってしまうかな.

(Facebook より 本人の了解済です)
小川隆夫 氏と言えば、本年も マイルス 関連の書籍や日本のジャズに関したことなどの執筆をはじめ、 12 月には "なんと" バンド・デビュー (バンドメンバーはみんな一流ミュージシャンたち) したり、超精力的な活動していますね.
さらにはボクもとても興味ある TBM 関連書籍を執筆中のようです.
こちらの発売記念に、是非 ON ゼミ で 藤井氏 & 神成氏 のトークを計画してくれないかなぁ ・・・・・・・ と、声が届くことを信じて呟いてみます (笑)
さらにさらに Disk Union まで声が届くと信じて、コラボで TBM 再販是非お願いしたいなぁ.
特に 和田直 さんあたりのアルバムを ・・・・・・・・ 塙さん お願いします.

さて、そんな 小川氏 のバンドですが、バンド名は "Selim Slive Elements" ・・・・・・ Miles の逆読みと、 lives の頭に S を付けたもので、マイルスが生きていたらこんな演奏したんじゃないか、という感じで演奏しているようです.
バンド名通り、音楽的には マイルス のエレクトリック・サウンドを彷彿させるものですのでかなり好き嫌いがはっきりしそうです.
以前 ONゼミ で練習中の演奏を少し聴かせてもらいました ・・・・・・
いや、正しくは聴かされたと言ったほうがいいのかな (爆)
テーマがあってアドリブに続く、というようなメインストリーム的な演奏ではなく、 "Bitches Brew" 以降 1970 年代の マイルス の演奏 ・・・・・・ 70 年代中期の演奏中止に至るまでの演奏という感じです.
ただし、ボクが聴いたのはあくまでデビュー前のほんのわずかな音源のみですので、デビュー・ライブの演奏が同じだったのかはちょっとわかりかねます.
また今後どんな方向に行くのかも ???

12 月 14 日 "Motion Blue YOKOHAMA" で旗揚げライブ.
ライブ後には、いろいろ課題が見えたとおっしゃっておりました.
すでに来年に向け本気モードで頑張っているようですので、来年からは肩書に "ミュージシャン" が増えそうですね (笑)
それにしても ・・・・・ ギター弾く姿は、まるで Char みたいに様になってるなぁ.
ちなみにキーボードは quasimode の 平戸祐介 さん.
そのほかのメンバーも錚々たる方々.
すでに 3 月 "Motion Blue YOKOHAMA" でのライブも計画中ということですので、詳細わかり次第このブログでも紹介していきたいと思います.
なにせ、どんどん紹介してくださいって言われてますので.
ちょっと気になるなぁと思う方 ・・・・・・ ギタリスト 小川隆夫 氏の演奏を是非聴きに行ってください.

ということで、とりあえず年明け 1 月末には久しぶりの ONゼミ 参加です.
今まで我慢していた "マイルス・デイヴィスが語ったすべてのこと - マイルス・スピークス" を持ってきていただくので購入してきます.
しっかし ・・・・・・
これだけ PR すれば何か期待してもいいのかなぁ ・・・・・・・・ ぼそっ
そして次の話題は CD について.
"Kind of Blue" という マイルス の超有名なアルバムが ・・・・・・・ と言うか、ジャズの歴史の中でもエポック・メイキング的なアルバムがあります.
数日前に Amazon で購入し、今日には届く予定です.

いまさら ・・・・・・・・・ 今頃 ・・・・・・・・・・・
って感じですね (笑)
実はこのアルバムを購入するのは アナログ盤 も含めると 4 枚目かな.
一番最初は、ジャズを聴き始めた頃に アナログ盤 買って、その後 CD 購入.
まぁここまでは多くの人たちと同じでしょうか.
その後 "The Complete Columbia Album Collection" を購入したので、当然そこにもボーナス・テイクの入ったアルバムが入っています、これが 3 枚目.
その際古い CD は誰かにあげちゃった.
ところがこの "The Complete Columbia Album Collection" に入っていた CD がキズモノ.
なんと 6 曲目のボーナス・トラックのところに傷がついていて途中でアウト.
その時はボーナス・トラックが聴けないだけだからまぁいいか ・・・・・・・ その内買えばいいかな、なんて思っていたんだけれど.

少し前から無性に "Kind of Blue" が聴きたくなり、奥様のいない日曜日にちょっと大きめの音で聴いてみました.
やっぱりいいなぁ、ものすごくいい.
ところが 6 曲目の終盤になって音が飛び始め、そこで思い出しました.
キズのため聴けなかったことなんか、すっかり忘れてました ・・・・・・・ 涙
iTunes も確認してみたら、やっぱり 6 曲目が入っていません.
今回聴いてみて感じたんだけれど、ボーナストラックの "フラメンコ・スケッチ" がすごくいいんだな.
これはしっかり最後まで聴いてみたい ・・・・・・・・・・
仕方ないので今回 Amazon での購入になった次第です.
さてここからが今日の本題 ・・・・・・・・・・
っていうか、もう前置きだけでも十分すぎる気がしないでもないですが.
エレクトリック・マイルス 時代の一枚です.

" Big Fun / Miles Davis "
Disc one :
1. Great Expectations (Miles Davis)
/ Orange Lady (Joe Zawinul) ・・・・・ 27:23
Miles Davis (tp), Steve Grossman (ss),
John McLaughlin (el-g), Khalil Balakrishna (el-sitar),
Bennie Maupin (b-cl), Bihari Sharima (tabla.tamboura),
Herbie Hancock (el-p), Chick Corea (el-p),
Ron Carter (b), Harvey Brooks (el-b),
Billy Cobham (ds), Airto Moreira (perc)
Recorded at Columbia Studio E, November 19, 1969.
2. Ife (Miles Davis) ・・・・・ 21:33
Miles Davis (tp), Sonny Fortune (ss.fl),
Bennie Maupin (cl.fl), Carlos Garnett (ss),
Lonnie Liston Smith (el-p), Harold I. Williams, Jr. (el-p),
Michael Henderson (el-b), Al Foster (ds),
Billy Hart (ds), Badal Roy (tabla), James Mtume (perc)
Recorded at Columbia Studio E, June 12,1972.
3. Recollections (Joe Zawinul) ・・・・・ 18:55
Miles Davis (tp), Wayne Shorter (ss),
Bennie Maupin (b-cl), John McLaughlin (g),
Joe Zawinul (el-p), Chick Corea (el-p),
Dave Holland (el-b), Billy Cobham (triangle),
Jack DeJohnette (ds), Airto Moreira (cuica.perc)
Recorded at Columbia Studio B, February 6, 1970.
4. Trevere (Miles Davis) ・・・・・ 5:55
Miles Davis (tp), Steve Grossman (ss),
Bennie Maupin (b-cl), Larry Young (org.celeste),
Harvey Brooks (el-g), Bihari Sharima (tamboura),
Khalil Balakrishna (el-sitar), Chick Corea (el-p),
Dave Holland (el-b), Billy Cobham (triangle),
Jack DeJohnette (ds), Airto Moreira (cuica.berimbau)
Recorded at Columbia Studio E, November 28, 1969.
Disc two :
1. Go Ahead John (Miles Davis) ・・・・・ 28:24
Miles Davis (tp), Steve Grossman (ss),
John McLaughlin (el-g), Dave Holland (el-b),
Jack DeJohnette (ds),
Recorded at Columbia Studio E, March 3, 1970.
2. Lonely Fire (Miles Davis) ・・・・・ 21:18
Miles Davis (tp), Wayne Shorter (ss),
Bennie Maupin (b-cl), Joe Zawinul (el-p.Farfisa org),
Khalil Balakrishna (sitar.Indian instruments),
Chick Corea (el-p), Dave Holland (b),
Harvey Brooks (el-b), Billy Cobham (ds),
Jack DeJohnette (ds),
Airto Moreira (Indian instruments, perc)
Recorded at Columbia Studio B, January 27, 1970.
3. The Little Blue Frog (Miles Davis) ・・・・・ 9:10
Miles Davis (tp), Steve Grossman (ss),
Bennie Maupin (b-cl), John McLaughlin (el-g),
Chick Corea (el-p), Larry Young (org.celeste),
Khalil Balakrishna (el-sitar), Bihari Sharima (tamboura),
Harvey Brooks (el-g), Dave Holland (el-b),
Jack DeJohnette (ds), Billy Cobham (ds),
Airto Moreira (cuica.berimbau)
Recorded at Columbia Studio E, November 28, 1969.
4. Yaphet (Miles Davis) ・・・・・ 9:39
Miles Davis (tp), Steve Grossman (ss),
Bennie Maupin (b-cl), John McLaughlin (el-g),
Chick Corea (el-p), Herbie Hancock (el-p),
Khalil Balakrishna (el-sitar), Dave Holland (el-b),
Bihari Sharima (tamboura.tabla), Harvey Brooks (el-g),
Ron Carter (b), Billy Cobham (ds.triangle),
Airto Moreira (cuica.berimbau)
Recorded at Columbia Studio E, November 19, 1969.
1974 年に、未発表曲を集めて発表されたアルバムです.
当時の評価はそれほど良くなかったようです.

1974 年にアナログ盤で発売された時は、レコード 2 枚組でした.
そのため各面に 1 曲だけ、合計 4 曲が収録されていただけです.
Record 1
Side one : "Great Expectations/Orange Lady"
Side two : "Ife"
Record 2
Side three : "Go Ahead John"
Side four : "Lonely Fire"
ただこの 4 曲はすべて 20 分を超える演奏ですので、これだけでも十分すぎるくらいのヴォリュームと言っていいんじゃないかな.
もう、これでもかこれでもかと言うくらい、音楽が延々と続いていくような感覚に陥ってしまいそうです.
最初聴くと冗長な感じを受けてしまいます.

ところが エレクトリック・マイルス 時代のアルバムを聴けるようになってくると、冗長なうねりの中にいろいろ気がついたり、なんとなくいいなぁと思うようになってきちゃう.
このアルバムでもリズム・セクションが演奏によっては二人いたりしますが、聴いているとなんとなくわかる気がするんです.
例えば今回聴いていいなぁと思った "Go Ahead John" の演奏で言えば、間違いなくオーバーダビングしてると思うんだけれどとても 5 人の演奏とは思えないくらいの音の広がりがあります.
Jack DeJohnette のドラムも右から左からと奔放に飛び出してきます.
John McLaughlin のギターなんてさぁ ・・・・・・・・ キツイなぁと思うところがあるかと思えば、ここはゴキゲンだったり.
そのあとに続く Steve Grossman の演奏がとてもホッとできちゃうんだから (笑)

いやいや ・・・・・・・ 一昔前だったら絶対に聴かなかっただろうな.
Steve Grossman の演奏をいいなんて絶対思わなかっただろうに.
全体的に大きなうねりの中でいろいろな音が現れては消えていく感じなので、一つずつの音を拾っていくような聴き方はちょっと違うんじゃないかと思うわけですよ.
そうだなぁ、聴き流すといったような表現でいいんじゃないかな.
こういった音の中に佇むと、何となく ・・・・・・・・ よくわからないけれど、いいって感じなんだな.
最近作業用にこの時代の演奏続けてかけることが結構あります.
作業用なので、ながらで聴いているんだけれど、突然 「あっ、ここいいなぁ ・・・・・」 なんてことが結構あるんだな.
いやぁ〜、我ながらよくぞここまで来たなぁ
"Agharta" だろが、 "Pangaea" だろうが、ドンとこいなのです.

前置きがすごく長く、一番のアルバム紹介が最後にちょこっとで、こういうのは話し方も含めてよくないのは重々知っておりますが、まぁご容赦を.
少し前では、 「エレクトリック・マイルスが好きだ」 っていう人たちがまったく理解できない部分がありましたが、最近はなんとなくその良さがわかってきたようにも思います.
聴いていていろいろな発見があるのでとても面白い.
やっぱり マイルス だなぁ ・・・・・・・・・
久しぶりに マイルス 関連の話題をまとめて書いてみました.