週末の 船橋 & 東京 ツアーの第二弾.
 いろいろな写真をアップしようかと思いましたが、先にこちらを書かないと忘れちゃいそうなので、第二弾はジャズ.

 土曜日の夜に開催された ONGAKU ゼミナール についてのご報告.
 雨降りではありませんでしたが、たまには勉強もしないと.



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 この記事に関しては、自分自身の備忘録的な意味が多大にありますので、ちょっと読みづらいかもしれません.
 特に音楽がないと、文章だけではピンと来ないかもしれませんが、逆にこの音楽を辿って聴いていくと、いろいろな違いがよくわかりジャズの進歩も見えてきます.

 ただしこの一回目に関してはほぼ 2 時間 デキシーランド・ジャズ の 2 拍子の演奏ばかりという感じでしたので、初めて聴いた人にはかなりきつかったかと思います.
 ちなみに私は デキシーランド・ジャズ から入っておりますので、久しぶりにいろいろな演奏が聴けて超楽しかった.



 ということで、 2017 年最初の ONゼミ .
 今回は、 "Jazz Records 100 年の歴史を振り返る" の第一回目.

 写真もいろいろ探し、色調もできるだけ合わせて掲載してみました.




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  1. Original Dixieland Jazz Band / Indiana

 初めてのジャズ録音と言うのが、 1917 年 1 月 24 日に録音されたのが Original Dixieland Jazz Band による演奏.
 コロンビア・レコード で録音されたものの重役会議で販売中止になってしまう.
 その後ライバル社の RCA レコード が同バンドの演奏を 3 月に発売したところ売れたため、 5 月になって コロンビア・レコード もお蔵入りになっていたアルバムを販売.

 白人たちの演奏が デキシーランド・ジャズ
 黒人たちの演奏が ニューオーリンズ・ジャズ

 その当時、まだニューオーリンズには録音設備がなかったので、多くのミュージシャンが船に乗って演奏しながら カンサス や シカゴ を目指した.



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  2. Jerry Roll Morton's Red Hot Peppers / Dr.Jazz

 初期のピアノ・スタイルを築いたと言われている.
 「自分がジャズを作った」 というようなことを平気で言っていたため、仲間からは総スカンをくった.

 ヴォーカルは Jerry Roll Morton .



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  3. King Oliver's Creole Jazz Band / Dipperwotrh Blues

 この当時コルネット奏者が多く、 キング・オリバー もコルネット奏者.
 初代のキングと呼ばれた人物が バディ・ボールデン (Charles "Buddy" Bolden) 、二代目が キング・オリバー (King Oliver) 、そして三代目が ルイ・アームストロング (Louis Armstrong) .

 ルイ・アームストロング は キングオリバー に呼ばれ彼のバンドに入った.
 この演奏では極初期のアドリブともいえるようなソロが聴ける.



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  4. Clarence Williams' Blue Five / Wild Cat Blues

 クラレンス・ウイリアムズ のバンドにいたのが シドニー・ベシュ (Sidney Bechet) .
 当時珍しかったソプラノ・サックスとクラリネットを演奏.

 1917 年に渡欧、 1922 年 シカゴ に戻ってから録音したのがこの演奏.



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  5. Clarence Williams' Blue Five / Texas Moaner Blues

 ここでの演奏には ルイ・アームストロング が入っている.
 この時の演奏が反響を呼び、多くのトランぺッターに影響を与えた.
 ルイ・アームストロング が シカゴ に帰ってしまうと、バンドもその後解散.


 シドニー・ベシュ は 1940 年 Blues Note で "Summertime " を録音、これが Blue Note 創設以来初めての大ヒットになりました.
 彼をはじめほとんどのミュージシャンはジャズだけでは食べていけず、彼も洋服屋さんをやりながらの演奏でした.



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  6. Fletcher Henderson Orchestra / When You Do What You Do

 エセル・ウォーターズの伴奏楽団.
 コールマン・ホーキンス (Coleman Hawkins) や ルイ・アームストロング が在籍.

 ここでの演奏は ルイ・アームストロング の 32 小節のソロに続くアンサンブルが特徴的.



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  7. Louis Armstrong & His Hot Five / Heebie Jeebies

 ルイ・アームストロング のスキャットが入った初めての演奏.
 譜面台から楽譜が落ちてしまったため即興でスキャットしたと言われている.

 途中で歌詞が入ったかと思うとまたスキャットに.



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  8. Louis Armstrong & His Hot Five / West End Blues

 ここでは アール・ハインズ (Earl Hines) をフューチャー.
 アール・ハインズ のピアノはスイング系のピアノ.

 この演奏は キング・オリバー のレパートリーだったが、 Hot Five の代表曲になった.



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  9. Duke Ellington & His Kentucky Club Orchestra / East St. Louis Toodle-o

 デューク・エリントン (Duke Ellington) は 1899 年、ワシントン D.C. の、当時の黒人としては比較的裕福な家庭で生まれました.
 1926 年 NYC へ出て、 1929 年 ハーレム にあった "コットンクラブ" の専属になり、一気にスターダムを駆け上がる.

 特徴は ジャングル・サウンド や独特なアンサンブル.



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  9. Duke Ellington & The Washingtonians / Black and Tan Fantasy

 この頃のクラブでの演奏は踊りが付いていたので、踊りの変化によって曲も変わっていきます.
 今回の ON ゼミ には登場しなかった カウント・ベイシー (Count Basie) も、数年後には "コットンクラブ" に登場する.




 ここで休憩.
 予定されていた 22 曲の約半分が終了.

 1 曲当たりの時間は、ほとんど 3 分前後の短い演奏ですが、曲がみんな同じような感じなのでジャズに慣れていないと聴いていても辛いんじゃないかなぁ ・・・・・ なんて感じました.



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 休憩時間は 泰三さん のコーヒーをオーダー.

 今回はしっかり名前聞いてきました "パナマ ゲイシャ ナチュラル"

 名前聞いたのに写真撮り忘れました.



 ≪ 2/2 追記≫

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  コーヒー "パナマ ゲイシャ ナチュラル"

 スマホにしっかり写真撮ってありましたので、追加でアップしておきます.






 ということで後半スタート.
 前半は 1800 年代生まれのミュージシャンたちばかりでしたが、後半はいよいよ 1900 年代 ( 20 世紀) のミュージシャンたちが登場してきます.





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  11. Freddie Keppard's jazz Cardinals / Salty Dog

 フレディ・ケパード もコルネット奏者.
 本来なら最初のジャズ録音をするはずだったのが、 「録音されると自分の音楽が盗まれる」 という理由で録音を断っています.
 この時 OK していれば、永遠に人々の記憶に残ったのでしょうが ・・・・・



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  12. Frankie Trumbauer / Singin' the Blues

 向かって左が フランキー・トランバー で、右は一緒に活動した ビックス・バイダーベック (Bix Beiderbecke) .
 今はなきジャズ評論家 油井正一 氏が、最高のジャズマンと言っていたのが ビックス・バイダーベック です.

 ビックス・バイダーベック は元祖 チェット・ベイカー のような破滅型で、わずか 28 歳で他界.

 そういった破天荒な彼の半生を描いて作られた映画が "情熱の狂想曲 (主演 カーク・ダグラス)" 、 "ジャズ・ミー・ブルース" .



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  13. Paul Whiteman & His Orchestra / San

 ポール・ホワイトマン は ジョージ・ガーシュイン の曲など シンフォニック・ジャズ の創始者とも言われています.
 1938 年 ベニー・グッドマン (Benny Goodman) は カーネギー・ホール で初めてジャズを演奏したと言われていますが、それ以前に ポール・ホワイトマン の楽団がストリングスを交えて演奏を行っています.

 ちなみに ベニー・グッドマン の楽団は白人の中に初めて黒人が入ったことでも有名ですが、 ポール・ホワイトマン の楽団は当然白人ばかりです.



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  14. Johnny Dodds Washboard Band / Blue Washboard Stomp

 ジョニー・ドッズ は三大クラリネット奏者の一人と言われていました.
 当時楽器を買うことができない人たちが、 洗濯板 (Washboard) にいろいろ工夫して楽器として使うこともあったようです.



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  15. Mckinney's Cotton Pickers / Millenberg Joys

 ニューオーリンズ・ジャズなんだけれどアンサンブルが独特.
 小川さん曰く 「Bill Evans 的」

 ニューオーリンズのスタイルがだんだん変わっていくのがわかる演奏です.



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  16. Henry Allen & His New York Orchestra / Pleasin' Paul

 それまでは集団即興がデキシーランド・ジャズやニューオーリンズ・ジャズの特徴だったが、それがだんだんスイングジャズ的なアンサンブルに変わっていく.



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  17. Bennie Moten's Kansas City Orchestra / Midnight Mama

 カウント・ベイシー楽団 が結成される前の人気楽団.
 この楽団のセカンド・ピアニストとして入ったのが カウント・ベイシー で、 1935 年にリーダーの ベニー・モーテン が亡くなると楽団を引き継ぎのちの カウント・ベイシー楽団 へと.



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  18. Andy Kirk & His Twelve Clouds of Joy / Corky Stomp

 ボクのメモには " BS   1929 " と記載されているんだけれど忘れた.
 演奏はほとんど スイング・ジャズ と言ってもおかしくないような演奏.



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  19. Fats Waller & His Buddies / The Minor Drag

 ファッツ・ウォーラー くらいになると、ほとんどの皆さんご存知でしょう.
 高速のストライド奏法 ・・・・・・・ だったっけ、確か.

 こちらの演奏はもう少しモダンな感じのする演奏 ・・・・・・ と言っても、まだまだ モダン・ジャズ という感じではありません.
 ただクインテットでの演奏でそれぞれのソロもフューチャーされています.

 リズムはバンジョーが刻んでいます、これもよくあるスタイル.


 
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  20. Casa Loma Orchestra / Casa Loma Stomp

 カサ・ロマ は トロント にあるホテルの名前から.
 初期の スイング・ジャズ 人気オーケストラ.



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  21. Earl Hines / Maple Leaf Rag

 モダン・ジャズ ピアニストの父親と呼ばれているようです.



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  22. Jimmie Lunceford & His Orchestra / Stratosphere

 1934 年 カウント・ベイシー が NYC に出てくるまで デューク・エリントン と人気を二分していた.
 デューク・エリントン よりもモダンな感じの演奏.


 ということでこれで全 22 曲完了.
 さすがに 1 曲目と最後の曲では大きな違いがあります.


 ここまで書くのも、写真見つけたり、色調整えたり、乱筆なメモを解読したり ・・・・・・・・・ 超 時間かかりました.

 疲れた ・・・・・・・・


 配布された レジュメ には録音された場所の記載もありましたが、これが結構ポイントだったりもします.
 どうして シカゴ ・・・・・・どうして NYC ・・・・・・・



 そしてお約束になりつつあるアンコールならぬ、特別音源のご披露.
 小川さんのグループ Selim Slive Elementz の演奏です.

 これまでの 22 曲とは全く違うエリクトリック・マイルスの世界です.
 あまりの違いに思わず苦笑いです.



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 こちらは PR


 今回、珍しく早めに会場に行きお願いしてあった書籍 "Miles Speak" をいただいて、少し写真撮ったり ・・・・・


 ちなみに "Jazz Records 100 年の歴史を振り返る" の第二回目はまだ予定にないので、きっと今年一年かかっても完結することはなさそうです (笑)

 次回は スイング・ジャズ から ビ・バップ 辺りまで行けるかなぁ ・・・・・・・・ うまく日程が合えばいいのですが.
 久しぶりに 中間派 の演奏も聴いてみたい.


 書籍も昨年から引き続き今年も何冊か執筆されるようで、特に Three Blind Mice の完全ガイドは絶対的に大注目.
 できれば出版記念で 神成さん と 藤井さん を交えてトークショーしてください、とガッツリお願いして帰ってきました.


 ということで 週末の 船橋 & 東京 ツアーの第二弾 も終了.

 次回は 東京 で撮ってきた写真をアップします.