戦争と平和

ナポレオン

  ・ ・ ・ ・ ・ ・



 7 日の夜から 8 日にかけて雪が降り、家の周りも朝は真っ白.



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 ● 2024. 1. 8. 7:20 ●

 能登半島を中心とした被災地では、いまだに救助活動が続いており全く歓迎されない雪ですが、ボクらの地元スキー場にとってはようやくと言った感じです.
 スキー場もこのまま雪が降らないような異常事態になると、本当に死活問題です.



  ・ ・ ・ ・ ・ ・



 今日は昨年末からの続きで、映画のこと書きましょう.



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 年末立て続けに映画館での鑑賞した中の一本が "ナポレオン" .
 上映終了前日のレイトショーでした.

 あっという間にレイトショーのみの上映になり、上映も早めに終了だったので、誰もいないと思っていたのに 10 人以上いたのにはちょっとびっくり.

 斜め後ろに外国人三人組がいて、予告編の間中ペチャクチャ喋っていてどうなるかと思いましたが、本編始まったら静かになったのでヤレヤレでした.




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  " ナポレオン "




  監督: リドリー・スコット
  脚本: デヴィッド・スカルパ 、 リドリー・スコット
  製作: リドリー・スコット 、 ケヴィン・J・ウォルシュ 、 マーク・ハッファム 、
       ホアキン・フェニックス
  製作総指揮: レイモンド・カーク 、 エイダン・エリオット 、 マイケル・プラス
  出演: ホアキン・フェニックス (ナポレオン・ボナパルト)
       ヴァネッサ・カービー (ジョゼフィーヌ・ド・ボアルネ)
       タハール・ラヒム (ポール・バラス)
       リュディヴィーヌ・サニエ (テレーズ・カバリュス)
       ベン・マイルズ (アルマン・ド・コランクール)
       シニード・キューザック (マリア・レティツィア・ボナパルト)
       ルパート・エヴェレット (アーサー・ウェルズリー)
       ユセフ・カーコア (ルイ=ニコラ・ダヴー)
       マーク・ボナー (ジャン=アンドシュ・ジュノー)
       イアン・マクニース (ルイ18世)
       キャサリン・ウォーカー (マリー・アントワネット)
  音楽: マーティン・フィップス
  撮影: ダリウス・ウォルスキー
  編集: クレア・シンプソン
  製作会社: アップル・スタジオ 、 スコット・フリー・プロダクションズ
  配給: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
  日本公開: 2023 年 12 月 1 日
  上映時間: 158 分





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 ナポレオン 関連映画ってついつい観たくなるのでいろいろ観ましたし、セル版も何本か持ってます.
 家にある ナポレオン 関連映画はこの三本.
 実はもう一本、ソ連版 "戦争と平和" 持ってますが、少し前に片付けした時にもう観ることないだろうと思いどこか奥の方に整理してしまいました.
 今回写真撮ろうと探したんだけれど見当たらない、どこにしまったのか行方不明中.

 "戦争と平和" はハリウッド版も持っていますが、ソ連版のほうは四部構成で約 7 時間という途方もない大作.
 特に 1812 年の ボロジノの戦い を再現した戦闘場面に至っては、約 12 万 5000 人の軍隊を動員し、その場面だけでも約 2 年の歳月で撮影されたというんだから呆れちゃうくらいスゴイ.
 今までで一番制作費のかかった映画とされていますが、この映画は当時のソ連政府の全面バックアップがあったので、予算的にも好きなことやれたようです.

 この DVD ですが、とにかく映像が悪いし、やたら長いし ・・・・ まるで修行のようで、かなり観るのが苦痛でした.
 そんなだから、もう観ることはないと思いどこかの奥に片付けた次第.

 現在は 4K レストア版の Blu-ray で比べ物にならないくらいの画質で観ることができるようです.



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 そして大作と言えば 1927 年 アベル・ガンス 監督作品 "ナポレオン" でしょう. 
 こちらのオリジナルは、なんと 12 時間、それも ナポレオン のイタリア遠征までで.

 このオリジナルテープは散り散りになってしまい、 1982 年に フランシス・フォード・コッポラ が世界中探してかき集めたものを約 4 時間の作品にしました.
 そこに父親の カーマイン・コッポラ が楽曲をつけて、オーケストラ演奏付きの上映.


 日本での上映は 1982 年に二回のプレミア上映、翌年 東京・大阪・名古屋・福岡・札幌 で上映されました.
 ボクが観たのは 2 月 5 日 (土) の 日本武道館 、 カーマイン・コッポラ 指揮 (だったのですが、あまり記憶にない) 新日本フィルハーモニー交響楽団 による演奏でした.
 終盤の トリプルエクラン の感動は、実際に観た人でなければわかないと思います.
 写真のような DVD で観たとしても、ぜんぜん違うんだなぁ.
 
 当時 8,000 円もしましたが、映像付きのオーケストラ演奏聴きにいったと思えば安いもの ・・・・ というか、この機会逃せば絶対観れないだろうと思い行ってきました.
 今になればとても貴重な体験です.

 その後レストアされた Blu-ray も発売されましたが、今では廃盤のようです.



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 それと 1970 年に制作された "ワーテルロー" .

 この "ワーテルロー" はソ連版 "戦争と平和" の監督 セルゲイ・ボンダルチュク が監督しましたが、 イタリア と ソ連 の共同制作でした.
 メインキャストはハリウッド俳優が参加しているので、ナポレオンも英語話してます.
 それでも、この ロッド・スタイガー の演じたナポレオンをはじめ、対する 英国 の ウェリントン公 を演じた クリストファー・プラマー も良かったし、その他のキャストもとてもよかった.

 この映画も、撮影には当時のソ連軍が全面協力したので、英・独・蘭仏合わせて総勢 20 万の大軍が激突したという戦いを、合成などを使わずに再現しています.
 さすが セルゲイ・ボンダルチュク という感じです ・・・・・ どんだけ、金使ってるんだ (笑)


 今回の リドリー・スコット 版の中でも、 "ワーテルロー" と似たような場面があったように思います.



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 さて今回の "ナポレオン"

 戦闘場面も迫力あります、映像も独特の雰囲気で光の入り方なんかもすごくいいし、衣装もとてもいい感じ、史実に基づいたような場面もいろいろ登場します ・・・・・・・

 でもなんだかなぁ.

 評価は海外でもあまりよろしくないようです.
 ボクも、正直ちょっと期待外れでした.


 フランス革命 から死に至るまでの長い期間を描いていたので、どこにピント合っているのかわからない感じです.
 その間に歴史的出来事がたくさんあるので、それをざっと描いていくのはわからないでもないが

 確かに戦闘場面とかはすごいんだけど、なんか部分的にすごいだけって感じ.

 "ブレードランナー" ・ "エイリアン" ・ "テルマ&ルイーズ" ・ "グラディエーター" ・ "ブラックホーク・ダウン" などを作った リドリー・スコット の映画としてはかなり消化不良.



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 確かにナポレオンの人間性を描いているんだろうが、彼の戦略家としてどこが凄かったのかわからない.
 フランスの歴史に詳しければ、もう少し楽しめたのかもしれませんが.
 ただ戦争大好きで兵士の損害なんか気にもかけず突き進んだような印象に見えてしまう.

 かといって戦闘場面などを中心としたアクション映画でもないし.
 最後はこれだけの人間を殺してきたんだぞ ・・・・・

 じゃあ ジョゼフィーヌ との恋物語なの ・・・・・ これもちょっと違うか.


 "ワーテルロー" は一つの戦いに焦点をあてて、互いの心理状況などをあの壮大な戦闘シーンにうまく入れていたんだけど、この映画はどうもダラダラ感がある気がします.



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 エッチシーンが滑稽で無駄に多い.
 ジョゼフィーヌ の不倫の布石なんだろけど、このあたりの滑稽さが逆にインパクト強くて.
 ここってそんなに重要なの?


 一番の見せ場は アウステリッツの戦い の場面.
 この映画では連合軍の大半が川で溺れたように描かれていますが、これについては実際に川で溺れたのは数人くらいだったという記録もあるようで、かなり誇張した映画表現になっているのかもしれません.



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 ということで、今年最初の映画ネタは、ちょっと残念なものはから始まりました.

 昨年は、特に映画館での映画鑑賞が少なかったので、今年はもう少し観たいと思います.
 観たいと思うような映画が出てくることを期待です.



  ・ ・ ・ ・ ・ ・

もう一つの "戦争と平和"

 今日はお休みなので朝遅めの食事をとりながら TV を点けてみると、 Anita O'Day が歌ってました
  ・・・・・・・ "Let's Fall In Love" なんて.
 映像は白黒で、 1963 年のスタジオ・ライブと、 1970 年の オスロ でのコンサート映像.
 この 1963 年から 1970 年の間って、麻薬中毒のため活動を休止していたんですね ・・・・・ だから Before & After って感じです. 
 やっぱりスゴイな〜ぁ、この人.
 とにかくうまいです ・・・・・ "二人でお茶を" の 4 バース ならぬ、 1 バース なんか笑っちゃうくらいゴキゲンです.
 朝からちょっと気持ちよくなりましたね ・・・・・ また CD 欲しくなっちゃいそうです.
 ついつい最後まで見てしまいました.




 さて、今日の話題は先日ちょっと書いたオークションで、なんとか落札した映画のお話しです.
 その映画というのは ・・・・・・・・・・・・・・・・・




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 "戦争と平和" (ソ連映画)





 制作・監督: セルゲイ・ボンダルチュク
 原作: レフ・トルストイ 「戦争と平和」
 脚本: セルゲイ・ボンダルチュク、ワシリー・ソロヴィヨフ
 撮影: アナトリー・ペトリツキー、アレクサンドル・シェレンコフ、
      イォランダ・チェン・ユーラン
 美術: ミハイル・ボグダーノフ、ゲンナジー・ミャスニコフ
 音楽: ビャチェスラフ・オフチンニコフ
 編集: タチアナ・ルハチョワ
 出演: リュドミラ・サベーリエワ (ナターシャ)
      セルゲイ・ボンダルチュク (ピエール)
      ヴァチェスラフ・チーホノフ (アンドレイ)
      イリーナ・スコブツェワ (エレン)
      アナスタシア・ヴェルチンスカヤ (リーザ)
      ワシリー・ラノヴォイ (アナトリー)
      ボリス・ザハーワ (クトゥーゾフ将軍)
      ウラジスラフ・ストルジェリチク (ナポレオン) 
 公開: 1968 年 (1968 年 アカデミー外国語映画賞受賞)
 上映時間: 7 時間 5 分 (全 4 部)





 まず原作はどうなんだろう ・・・・・・ 読んだ様な記憶もあるけれど、ないような感じもあります.
 ドフトエフスキー の 「カラマーゾフの兄弟」 は間違いなく読みました ・・・・・・ でも宗教的な部分がどうしてもボクの中では理解できませんでしたが.
 その頃、有名どころのロシア文学を読み漁った記憶があるのですが、今になると色々な物がごちゃ混ぜ状態で、全くもって頭の中で整理できていません (涙) .
 ただ、映画の映像を観ても、この場面はこんな感じで書かれていたと思うような節々があるので、多分読んだに違いありません.
 でもよく覚えていないということは、読んでいないと同じですな.


 あまりにも有名な原作ですので多くの人が読んでいるでしょうし、最後まで読んでいない人でも内容くらいは知っているはずです.
 「19 世紀前半の ナポレオン によるロシア遠征 (ロシアでの呼称は 「祖国戦争」 ) とその失敗、 アウステルリッツの戦い や ボロディノの戦い などの歴史的背景を精緻に描写しながら、 1805 年から 1813 年にかけてあるロシア貴族の 3 つの一族の興亡を ピエール・ベズーホフ と ナターシャ の恋と新しい時代への目覚めを点描しながら綴った、登場人物500人を超える群像小説である。・・・・・」 (by Wikipedia)



 この 「戦争と平和」 は オードリー・ヘプバーン 、 ヘンリー・フォンダ 、 メル・ファーラー など錚々たるキャストにより、ハリウッドで 1956 年に映画化されています ・・・・・ そう、今回のソ連映画よりも先に映画化されていました.
 このハリウッド版も、上映時間は 3 時間超えという大作ですが、内容的には恋愛部分が強調され、原作に忠実ではないという評価があるようです.
 当然こちらの DVD も持っていますが、まぁ楽しめることは楽しめます ・・・・・ 大の オードリー ファンですから.
 ちなみにこちらのハリウッド版は、なぜかパブリックドメインなので廉価価格の DVD が今でも購入できます.

 一般的に 「戦争と平和」 と言えば、きっとこちらのハリウッド版のほうが、有名でしょうか.





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 話を今回オークションで探し当てたソ連版映画へ ・・・・・・・
 まずこの映画はソビエト崩壊前に作られています.
 モスフィルム (モスクワにあるロシア最大の映画撮影スタジオ) が 3 年間に渡って全 4 部作を製作 ・・・・・ 当然国からの大きなバックアップがあったようで、例えば ボロジノ での戦闘シーンのエキストラにしても、ソ連兵士約 12 万人を動員しています.
 戦闘場面も史実に沿った広大な場所に、考えられないくらいのエキストラや資機材を持ち込み、史実を再現したようですが、とてもカメラでは収めきれないほどすごい戦闘シーンになっています.
 空撮も多用していました.

 もちろん戦闘場面だけでなく、宮廷場面などもち密に再現.
 当然、今のように CG なんてない時代ですので、必然的にお金もかかったんでしょうね.
 この辺りの圧倒されるスケールは、映画館の大画面で、できれば HD かなにかで観たい気がします.




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 ソ連映画の大作といえば、第二次世界大戦の東部戦線の戦いからベルリン陥落までを描いた "ヨーロッパの解放" という全 5 部、上映時間 7 時間 48 分という怪物映画もありました ・・・・・ 元戦車オタク のボクは、当然ボックスで持っています.
 この映画もソ連という国家的事業の映画でした ・・・・・ この映画での戦闘場面 (特に戦車戦) も、ここまでやるかというくらいのスケール.
 一昔前は、こういった超大作と呼ぶのにふさわしい映画が結構あったのになぁ.



 俳優たちは全く知らない人たちばかりですが、 ナターシャ 役はひょっとすると オードリー・ヘプバーン を意識しているんじゃないかと、最初に登場した時に思ってしまいました.
 ピエール 役は、この映画の監督でもある セルゲイ・ボンダルチュク ですが、ハリウッド版の ヘンリー・フォンダ よりもずっとこちらの方が原作に近いような感じです.
 他の俳優さんたちも、流石に自国の代表文学作品の映画だけにフィットしていますね.
 そして、こういった映画は自国語がいいです ・・・・・ 当然この映画は、英語ではなくロシア語が似合います.


 撮影 ・・・・ というか演出の仕方が、いかにもという感じの臭さを漂わせているところが随所にあります.
 まぁこの辺りの演出は、当時のソ連映画にはよく見られるところです.
 こういった演出の部分が、かなり色々なところに散りばめられているので、観ていると少しばかりうんざりして、映画のスピード感もスローダウンしてしまう感じを受けますが、まぁこれもソ連映画と思いながら楽しむしかありません.




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 実はようやく第一部の 146 分 (ピエールの決闘、戦死したと思われたアンドレイが戻り、妻のリーザが出産により死亡 ・・・・) を観終えたところです.
 映像は、正直よくありません ・・・・・ こういった映画こそ、リマスターして Blu-ray にして欲しい.
 それでも画面からはこの映画のスケールの大きさや、原作の持っている色々な物が伝わってきます.
 そんなものを、ゆっくりと観るのがこの映画の良さかもしれません ・・・・・・ 最近の映画はスピーディですし.



 やっと手に入れたソ連版 「戦争と平和」 .
 残るはこの映画の監督が 1970 年に作った、歴史大作 ・・・・・・・・ そう、先日もちょっと紹介した "ワーテルロー" です.
 こればかりは簡単に手に入りそうも有りません.
 リマスターを待つしかないのかなぁ〜 ・・・・・・・・ .



 年末年始にかけて、ちょっと欲しい映画がいくつか発売されます.
 しばらくは CD 購入を差し控え、 Blu-ray 購入です.
 Blu-ray も廉価盤がどんどんでるようになり、嬉しい限りです.
 後は過去の名作がもっと発売されればいいんですが ・・・・・ この手の映画は売れないからねぇ.
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la_belle_epoque

 ジャズ・アルバムの紹介を中心に始めたブログでしたので、こんなタイトル付けていますが、最近では完全に写真やカメラの話題が中心になっています.

 最近になって 沼 という場所にハマっていることに気が付き、脱出のためもがき苦しんでいます。
 金銭感覚も社会通念上の常識とはどんどん離れていってるようですが・・・・・・

 いつもおいでいただく皆様に、感謝です。

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