藤井武

Standards

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 10 月ですねぇ、振り返るといろいろなことが身の回りに起きてはいるものの、今年もあっという間に過ぎてく感じです.
 もう少し時間が欲しいと思う今日この頃 ・・・・・・


 最初に 9 月の映画鑑賞いっちゃおう.
 相変わらず 井之頭五郎 観まくってるし、最近は冬の撮影のため slopestyle の映像とかも観てるので、映画鑑賞は少ないなぁ. 


  悪魔の手毬唄
  エベレスト
  おっぱいバレー
  ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK
  クローズZERO II
  ナヴァロンの要塞
  聯合艦隊司令長官 山本五十六
  パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト
  アンストッパブル
  戦場にかける橋
  カリガリ博士
  ターミネーター:ニュー・フェイト
  ちはやふる−上の句−
  ちはやふる−下の句−
  ちはやふる−結び−




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 "パコ・デ・ルシア 灼熱のギタリスト"
 この映画は劇場で観たかったんだけれど、地方にやってなんか来るはずなく・・・・・
 ようやく鑑賞できました.

 超絶という言葉がまさにぴったり.
 そんな彼のドキュメンタリー.
 全然知らなかったことも語られており、ちょっとおもしろかった.



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 "戦場にかける橋"
 こちらは名作と呼ばれる映画.
 DVD 持っていましたが Blu-ray に買い換えました.
 映画の楽しい要素が盛りだくさんです.

 エンディングは虚しさが漂っていますが、後味は悪くない.



 ということで、 9 月の一番はあえて ・・・・・



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 "ちはやふる" 三部作

 漫画が原作でしたっけ、単純に面白いし映画もよくできてると思う.
 大ヒットした映画 ・・・・ なんですね.
 以前ちらっと観たような記憶があるようなないような ・・・・・・


 知らなかった競技かるたの世界が、とてもよく描かれてる.
 そしてカメラワークがいいな、特に競技場面の映像がいい.



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 この映画、やっぱり主役の 広瀬すず だろう.
 とっても魅力的です.
 彼女の名前くらいは知っていたけど、作品って "海街 diary" しか観たことなかった.
 ドアップになった時の目の表情とかすごくいい.


 次は "四月は君の嘘" 観てみよう.



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 さて、今日も最近購入したアルバムから.
 先日の "Blossom Dearie Sings Rootin' Songs" と同じ ディスク・ユニオン Craftman Record からの再販になります.





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  " Standards / 今田勝 "





  1. Falling In Love With Love
        (Richard Rogers) ・・・・ 7:56
  2. I Can't Get Started
        (I.Gershwin-V.Duke) ・・・・ 4:21
  3. Days Of Wine And Roses
        (Henry Mancini) ・・・・ 7:09
  4. Softly As In A Morning Sunrise
        (S.Romberg-O.Hammerstein ll) ・・・・ 6:21
  5. What's New
        (B.Haggart-J.Buke) ・・・・ 6:52
  6. I Fall In Love Too Easily
        (J.Styne-S.Cahn) ・・・・ 2:15
  7. It Could Happen To You
        (J.V.Heusen-J.Burke) ・・・・ 5:53





  今田勝 (p), 鈴木憲 (b), 藤沢博延 (ds) 

  # 1, 3 - 5, 7 :
  Recorded at EPICURUS studio, Tokyo, October 26, 1976.
  # 2 & 6 :
  Recorded at EPICURUS studio, Tokyo, October 30, 1976.





 オリジナルは Three Blind Mice (TBM) .
 日本の Blue Note ・・・・・ と、ボクは思ってます.

 TBM のアルバムはこの先再販なんかないかもしれないので、内容云々ではなく、とりあえず持っていないアルバムはすべて ポチッてます.
 まぁそうはいっても全体で 150 枚ほど、すでに持っているアルバムが 100 枚弱なので、発売さえされれば何とかゲットできそうかな.





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 アルバム・ジャケットがいいねぇ.
 都会的な二人の女性がアルバム持って、パンチ・パーマのおじさんと談笑.
 前ボケ、意識してますねぇ.

 裏ジャケットの三人の写真も素敵です.
 外が明るいのに三人の顔もしっかり、外も白飛びしてないし.

 だれが撮ったのかとても気になる.
 西沢勉 氏はアートディレクターなのでデザインだと思うんだけど ・・・・ 海外のアルバムのように写真家の名前も入れておいてほしいな.



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 さてアルバムの内容は、ずばりタイトル通りのスタンダードがずらり.
 みんな聞いたことのあるタイトル.

 リリカルな今田節 (と言っても、このアルバムはとても軽快ですごく聴きやすい内容) でこういうスタンダードの演奏、悪いわけがない.

 こういうアルバムはジャケットの女の子達でも気軽に聴けるだろう.
 アドリブはちょっと粗削りなところもある気がしますが、

 アルバムの入り方がベースのソロからなので、一瞬アグレッシブな展開なのかと思ってしまいますが、ピアノが入ってくると全然ストレート.


 藤井武 さんとお話したのが 5 年前

 もうそんな前なのか ・・・・・ 本当に月日の流れが速く感じるなぁ.
 いつまでもこんな素敵な演奏を聴いていられることに、感謝、感謝.



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Midnight Sun

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 10 月です ・・・・・・ 年度でいうと、半分が終了.
 実は 10 月から週三日だった仕事が五日のフルになりました.

 28 日に一応打診があって 1 日には辞令交付という、超スピード人事でした (笑)

 正直前のような仕事のペースが、自分にとってはいいのですが ・・・・・ 周りの仕事も忙しくなってきたため仕方ない.
 まぁ働けるうちに働くことにします.


 そして昨日は早速年次休暇.
 知人の父親が亡くなったため告別式にいってお焼香してきました.




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 告別式会場は家から約 40 km.

 以前は一般道しかなかったので 1 時間以上かかっていましたが、今年 4 月に 中部横断自動車道 が 八千穂高原 IC まで開通になったので、 上信越道 経由で 30 分もかかりませんでした.

 車線は片側 1 車線でほとんど対面通行になります.
 でも通行車両が少ないのでそんなこと気にもなりません.
 おまけに 佐久北 IC から 八千穂高原 IC までは現在無料区間です.

 以前救急関係の講習のため 山梨 に通っていたころは、必ず 国道 141 号線経由で 清里 を越えてきました.
 とにかくこの国道走って 小海 抜けるまでがすごく長くてねぇ ・・・・
 小海 を抜け、 海ノ口 からの峠道で タイプ R のタイヤを軋ませて走り抜けたなぁ

 今になれば懐かしい思い出です.




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 それにしても昨日は本当に気持ちのいい天気.
 こんな青空見ながらのドライブは本当に最高でした.

 そういえば最近こんなドライブまったくしてないなぁ ・・・・・




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 すっかり秋 ・・・・

 こんな秋の夜長は極上のバラードでも聴いてみよう.
 日本ミュージシャンだって、とってもステキなんだな.






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  " Midnight Sun / 山本剛 "





  1. Midnight Sun
         (L.Hampton-S.Burke-J.Mercer) ・・・・ 6:05
  2. Autumn Leaves
         (Joseph Kosma) ・・・・ 5:06
  3. Wave
         (Antonio Carlos Jobin) ・・・・ 6:10
  4. A Shade Of Love
         (Tsuyoshi Yamamoto) ・・・・ 4:22
  5. Billy Boy
         (Traditional) ・・・・ 5:30
  6. Love Is Here To Stay
         (G.Gershwin-I.Gershwin) ・・・・ 8:21
  7. Blue Manhattan
         (Tsuyoshi Yamamoto) ・・・・ 4:43
  8. Kid
         (Tsuyoshi Yamamoto) ・・・・ 2:15






  山本剛 (p), 岡田勉 (b), 岸田恵士 (ds)
  Recorded at ONKYO HAUS, Tokyo, June 3 & 4, 1978.






 Three Blind Mice (TBM) レーベルから 1978 年にリリースされたアルバム.
 オリジナル曲が 3 曲で、他はスタンダードなど.





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 このアルバム録音の前年の 9 月、 モンタレー・ジャズ・フェスティバル にサプライズゲスト的に出演、 1 曲だけ演奏したのがこのアルバム・タイトルにもなっている "Midnight Sun" でした.
 モンタレー での演奏は 1 曲だけでしたが、そのまま ロサンゼルス 経由で ニューヨーク へ行き約 7 か月 アメリカ に滞在.

 1978 年 4 月に帰国、その後吹き込まれたのがこのアルバムでした.
 アルバムは モンタレー の凱旋アルバム的な感じで、その時演奏した曲を 1 曲目に入れアルバム・タイトルにもしています.


 6 曲目の "Love Is Here To Stay" は ガーシュウィン兄弟 の曲ですが、一般的には "Our Love Is Here To Stay" という題名のほうが多いでしょうか.




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 この写真は 【証言で綴る日本のジャズ】 から借りてきましたが、この記事 ・・・・ インタビューアーが 小川隆夫 氏.

 実はこの記事がものすごく面白い.
 特に Three Blind Mice (TBM) を好きなボクにとっては涙モノ.

 こちらの記事を読んでもらえば、ボクなんていろいろ書く必要まったくないです.

 山本剛 を語るうえで TBM は欠かせません.
 そうなると 藤井武 氏になっちゃうわけです.


 過去の ON ゼミ で 藤井氏 に会って、いろいろなお話を聞き、ほんの少しお話しできて、 CD お土産にもらって、持っていったアルバムにサインもらって ・・・・・・
 もうこれだけで十分すぎる.




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 「 山本剛 はバラードとブルースだけを聴けばいい」 と 藤井武 氏が語った ・・・・ というような話をボクもどこかで聞いたことがありますが、インタビューを読むとちょっとニュアンスが違っているようです.

 でも 山本剛 のバラードとブルースは絶品というのはほとんど間違いないでしょう.

 インタビューの中でも書かれていましたが、ボクも彼の弾くピアノの独特の "間" がとても好きです.



 演奏については改めて書くまでもなく、 TBM の 山本剛 は極上のワインのようなのです.




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 さて 9 月の映画鑑賞.
 先月も WOWOW 中心になりました、相変わらずドラマも観たり.



  劒岳 点の記
  アンノウン
  007 / スペクター
  オデッサ・ファイル
  告発のとき
  崖っぷちの男
  レイヤー・ケーキ
  ブラックブック
  ルームメイト
  理由
  シン・ゴジラ
  ジャスティス・リーグ
  ソード・オブ・アサシン
  ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!
  たそがれ清兵衛
  アントマン


 以上 16 作品でした、内容的にはまあまあって感じかな.



 "シン・ゴジラ" は 東京 での研修の復習も兼ねて観てみました.
 フムフム ・・・ なるほど ・・・・・

 "劒岳 点の記" は何度観てもおもしろいし、いい映画だと思う.

 そんな中の一本は ・・・・・・・





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 でしょうね.

 たまたま一人の夕食でテレビを点けた時に始まって、最後までガッツリ観てしまいました.
 すでに民放での放送もあったはずですが、基本的にあまりテレビ観ないのでこれが初めての鑑賞でした.

 第 26 回 日本アカデミー賞 (2002 年度) で全部門優秀賞受賞という記録を樹立した映画.
 たしかに観てみたらいい映画でした.
 特に子役の存在が大きいなぁ.

 それと終盤の 朋江 が家から飛び出してくる場面は ・・・・・・




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 この果し合い場面は、ボクの住んでいる隣の 上田市 で撮影されました.

 その後この画面にも出てきた旧家が火災で全焼してしまったんだよなぁ、たしか.


 そろそろ劇場鑑賞もしないといかんなぁ ・・・・・ と思ってはいるものの.




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Midnight Sugar

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 4 月になりましたねぇ ・・・・・・・・

 1 日の日は、もう朝からバタバタで非常に疲れて、ストレスがたまった一日でした.
 おかげで夜になっても不整脈出まくりで、参りました.

 今日は完全に治まって何ともないから、やっぱりストレスだな.





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 先日の ON ゼミ の記事を書いていて思ったんだけれど、あの時紹介されたアルバムをほとんど持っているのに、このブログで紹介したものは半分もありませんでした.


 いかんいかん ・・・・・・・・

 自称 "TBM 大好き" としてはちょっとまずいなぁ.





 ましてや、こんなアルバムさえも紹介していなかった.
 あの 山本剛 の TBM デビュー・アルバムなのです.






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  " Midnight Sugar / 山本剛 "





  1. Midnight Sugar
         (T.Yamamoto) ・・・・・ 11:59
  2. I'm a Fool to Want You
         (J.S.Herron-F.Sinatra-J.Wolf) ・・・・・ 7:19
  3. The Nearness of You
         (H.Carmichael) ・・・・・ 6:40
  4. It Could Happend to You
         (J.V.Heusen) ・・・・・ 7:13
  5. Sweet Georgia Blues
         (T.Yamamoto) ・・・・・ 6:05





  山本剛 (p), 福井五十雄 (b), 小原哲次郎 (ds)
  Recorde at AOI Studio, Tokyo, March 1, 1974.








 山本剛 のデビュー・アルバムなんですよね、これって.


 先日の話しのなかでも、 藤井武 氏は 山本剛 のブルースとバラードの良さを絶賛していました.
 だから、あえて A 面の最初にコテコテのブルース ・・・・・・・ それもオリジナルなのです.
 録音当時はまだ無名に近いピアニストのデビュー・アルバムの選曲をこんな感じで録音しちゃうのが TBM たる所以なんだろうな.




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 先日お土産に頂いた "One Day with Three Blind Mice" の中に、その当時の売上げトップ 10 が掲載してあります.
 1 位が "Blow Up / 鈴木勲" 、 2 位が "Misty / 山本剛" というのは先日も書きました.
 今日のアルバムはその当時 6 位となっています.

 でも、このアルバムは海外での評価がとても高く輸出実績 1 位なのです.



 ちなみにこの記事の結びで、「製作サイドとして残念なことは、"ティー&カンパニー三部作" や "ジャズ・オーケストラ '75" といった真にクリエイティブ大作が、大方の支持を得られなかったことである。」 とありました.
 これにはボクも妙に納得.

 正直ボクも Tee & Company のアルバムは持っているものの、聴くたびにシンドイと思うことが多々ありますから (笑)



 このアルバム、 藤井氏 曰く 「安い装置だと針飛びしちゃうほど良い音を作ってやろう」 というくらいですので、とにかく音がいい.
 海外での人気もそのあたりか.

 でもまぁ、いくら録音が良くても、肝心の演奏がよくなくちゃ当然見向きもされないはずですから.



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 最初と最後にオリジナルのブルースを入れています.
 最初はアルバム・タイトル曲でスローなブルース.
 おまけに約 12 分という長い演奏です.

 ここでのブルース・フィーリングはちょっと日本人離れしているかもしれません.
 独特の間を持ちながらの演奏が、思わず唸ってしまいそうになります.

 この曲は聴けば聴くほど良さがわかってくる感じなのです.



 最後の "Sweet Georgia Blues" は打って変わって軽快なテンポのブルース.
 原曲はお馴染みの "Sweet Georgia Brown" .
 スロー・バラードもいいけれど、ボクはこういうアップ・テンポの彼の演奏のほうが好み.

 藤井氏 も言っていたように 「ノってきた時に エロール・ガーナー のようなバックビートが ・・・・・・」 が本当にゴキゲンなんですよね.
 だからアルバムで好きなのはそんな感じのライブアルバムだったりします.



 でもこのアルバムは、派手ではないけれどじっくり聴くにはとてもいい感じのアルバムなのです
 やっぱり日本のジャズもいいなぁ !!



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 さて 3 月に観た映画は ・・・・・・・・・





  "狼たちの午後"  "犬神家の一族"  "スター・トレック"
  "アビス"  "ラウンド・ミッドナイト"  "地上最大のショウ"
  " レイダース 失われたアーク"  " 魔宮の伝説"  "最後の聖戦"
  "クリスタル・スカルの王国"  "卒業"  "マーズ・アタック !"
  "ダイ・ハード 2"  "Mi 2"  "スタート・レック イントゥ・ダークネス"  
  "鳥"


 なんと、先月はたった 16 本だった.
 今月は仕事も忙しいからもっと減ってしまうんだろうな.


 そんな中での一本は、 "卒業" もよかったし、 "狼たちの午後" も大好きなんだけれど ・・・・・・・・・・・




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 やっぱりこの美しさにはかなわないかな.

 "鳥" の ティッピ・ヘドレン に一票でした (笑)



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ON ゼミ : TBM vs EW

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 さて、第二部とも言える今回の 東京 報告.
 今日は今回の 東京 行きのメインでもある ONGAKU ゼミナール "70 年代 日本のジャズ対決 TBM vs EW" .




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 ON ゼミ の会場、 Bar le sept のある 並木通り .
 すでに木々には緑色の葉が ・・・・・・・・



 ほとんどの場合、この "ON ゼミ" 参加は他の用事とダブった時に参加していたので、今回の "ON ゼミ" の話があった時には興味あるものの年度末だからどうしようと、心なしか躊躇している部分がありました.
 でも、 藤井武 氏の参加が確定したと聞いて 東京 へ行くことを決意.


 だから今回は完全リフレッシュ ・・・・・・ 絵を観たり、娘のところに顔を出したりと のんびりの 東京 行きです.




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 小川隆夫 氏と 藤井武 氏.


 いつもは 小川さん の一人お喋りなのですが、この夜の前半は 藤井氏 が選曲して解説、そこに 小川さん が軽く突っ込むという感じでした.
 後半は 小川さん がメインで、所々で 藤井氏 に振っていました.




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 最初は、当然ですが TBM 創設について 藤井氏 が語ってくれました.
 藤井氏 は中学生から Jazz を聴いており高校の頃に、「当時の日本のジャズはマイナー・レーベルの存在もなくてとても遅れている、もし 30 歳くらいになってだれもそういったことをしてなかったら自分でやろう」 と思い、 30 歳になった 1970 年に TBM を創設したようです.
 1960 年代って、ジャズのアルバムを出しているのは大手の キング・レコード だけで、そこそこ有名なミュージシャンが集まって有名な曲ばかりを演奏していたので、それに嫌気もさしていたんでしょうね.


 有名無名に関係なく、オリジナル曲を中心に 藤井氏 が好きな演奏やミュージシャンを集めて録音されたのが TBM ということですね.
 Blue Note ととてもよく似ています.




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 1 曲目 "MINE / 峰厚介" から "Work 1"
 この作品は TBM 最初のリリース・アルバム.
 聴きどころは 市川秀男 の Fender Rhodes と 峰 のアルト.


 2 曲目 "Blow Up / 鈴木勲" から "Like It Is"
 TBM 初の大ヒットアルバムで、録音の良さから賞も獲っています.
 鈴木勲 と 藤井氏 の最初の出会いは 1963 年の "銀巴里セッション" で、この時もチェロで "Cat Walk" を演奏したとのこと.

 この曲の選曲は、その当時一般向けはしないけれどどうしても聴いて欲しい曲をアナログ盤の B 面 1 曲目に入れていたようなのです.
 これにはとても納得で、そういうことも知っていてアルバム聴いてみると、きっと今までとはちょっと違うのでしょうね.


 ここでは 菅野邦彦 のピアノのお話しで、彼のピアノはライブだとスゴイ演奏するんだけれど ( "慕情" のような) スタジオ録音だと今一つなところがあったようです.
 その当時 菅野邦彦 の兄、 菅野沖彦 が オーディオ・ラボ というマイナー・レーベルを立ち上げ 菅野邦彦 の録音もしたんだけれどどうもいい演奏がなく、 「弟の演奏は藤井さんにかなわない」 とよく言われたようです.




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 3 曲目 "UNFORGETTABLE !" から "UNFORGETTABLE"
 当時まったく無名で 赤坂 のクラブで毎晩同じ曲を違うアレンジで歌っていたのが印象的だったそうです.
 その頃から歌のうまさはピカ一.
 この演奏では 宮沢昭 のテナーと 大沢保郎 のピアノに注目.


 4 曲目 "Midnight Sugar / 山本剛" から "Midnight Sugar"
 山本剛 も TBM で発掘されたミュージシャンで、 藤井氏 曰く 「ブルースとバラードの演奏がとにかくよくって、ノリ出すと エロール・ガーナー のようなバック・ビートが出たりして」 .
 だから 1 曲目にこんな長い曲を入れたようです.

 ちなみに TBM のアルバム、日本では "Misty" と "Blow Up" が一番の売れ筋です.




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 5 曲目 "It Was A Very Good Year / 笈田敏夫" から "It Was A Very Good Year"
 この選曲は結構意外でしたね、ボクはあまり聴くことのないアルバムなので.
 普段 笈田さん はこういう歌をあまり歌わなかったそうです、 8 ビートになっていくところがおもしろい.

 ちなみに 笈田さん の息子さんは 小川さん の親友だそうです.


 6 曲目 "Sonnet / Tee & Company" から "Combo '77"
 このグループ名の Tee というは 藤井氏 のあだ名.
 1977 年 11 月から一カ月だけの活動でした.
 メンバーはそれぞれがリーダーというようなくらい強力なメンバーで構成されています.

 ただ聴いてもらうとわかると思いますが、かなりフリーキーな演奏や、アグレッシブな演奏なんです.
 だからやっていることはすごいんだろうけれど、どちらかというとボクは苦手なグループでもあります.
 ちなみに、彼らの残した 3 枚のアルバムは持っていますが (笑)

 このあたりが TBM らしいというのかな.
 聴き易いアルバムもあれば、ビックリするくらいフリージャズっぽいものまで多様です.

 この曲は現代音楽の作曲家 水野修孝 の作品.

 ここではギターの 高柳昌行 さんのことも話題になっていました.




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 7 曲目 "Montreux Cyclone" から "Merman's Dance"
 三木敏悟 と インナー・ギャラクシー・オーケストラ によるアルバム.
 アルバム "海への誘い" の翌年、 モントルー・ジャズ・フェスティバル での演奏を収めたアルバムです.

 このビッグ・バンドはバブルが弾けた後スポンサーもいなくなってしまい解散になってしまいました.

 ちなみに 三木敏悟 は、 1979 年 "アフロディーテの祈り (Aphrodite) / 中本マリ" というスゴイアルバムをプロデュースしています.


 本当は全般ここで終わりでしたが追加でもう一曲.

 8 曲目 "The Boss / 中村誠一" から "Old Folks"
 このアルバムは 1974 年 3 月 22 日から 26 日までの 5 日間、東京 赤坂 の 日本都市センター で行われた スリー・ブラインド・マウス主催の "5 デイズ・イン・ジャズ" の模様を収めた、最新版です.
 その頃 キング・レコード のアルバムを出していたので、この演奏をアルバムにしなかったようですが、演奏が素晴らしいので今回アルバムにしたようです.
 録音も 41 年前とは思えないくらいクリアなのです.


 ここで前半終了です.


 ここからは 小川さん がメインになります.




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 9 曲目 "East Wind / 菊池雅章" から "East Wind"
 East Wind は 1974 年に 日本フォノグラム で創設されたジャズ・レーベル.
 TBM と比べると、バックに 日本フォノグラム という大会社が控えているので有名ミュージシャンを使えるという強みがありました.
 ここに絡んでいた アイ・ミュージック がマネージメントしていた一人が 菊池雅章 .
 それで第一作目が彼になりました.
 さらに日本公演などに招聘したミュージシャンをそこにかけ合わせたりしています.


 10 曲目 "寿歌 / 日野皓正" から "寿歌 (ほぎうた)"
 全編日本的な雰囲気の曲を、当時バリバリの 日野皓正 にやらせたらどんなになるか ・・・・・・ というのかコンセプトだったようです.
 ですが、ボクはこの演奏聴いてとても日本的とは思えませんでした.
 比較的単調なリズムに前衛的なトランペットが乗って、さらにアフリカ音楽のような雰囲気は加わっていて ・・・・・・ 全然日本的じゃないなぁ (笑)

 ちなみに今回紹介されたアルバムでボクが持っていないアルバムはこのアルバムと新しく発売になった 中村誠一 のアルバムだけでした.

 ここではベースの セシル・マクビー のネタで笑いがありました.




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 11 曲目 "Life / 山本剛" から "When I Fall In Love"
 当時来日した アート・ファーマー・カルテット のリズム・セクションとの共演.
 ベースが サム・ジョーンズ 、ドラムが ビリー・ヒギンズ .


 12 曲目 "Hip Dancin'" から "Hip Dancin'"
 鈴木勲 のチェロ.
 TBM ではオーソドックスな感じで、 East Wind ではちょっとフュージョンぽい演奏になっています.




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 13 曲目 "Salaam Salaam / 本田竹廣" から "Salaam Salaam"
 時間の関係で全般部のピアノ・ソロ部分でフェードアウトでした.
 ちなみに今回紹介された曲は、比較的長い曲が多かったのでほとんどフェードアウト.

 このリズム・セクションも来日したミュージシャンたちを捕まえての録音.
 ちなみに East Wind の第 2 作目の作品です.


 14 曲目 "111 Sullivan Street / 増尾好秋" から "Without A Song"
 この曲には参加していませんが、他の演奏に参加している Jim Lovelece の香水のお話しで笑い.
 あまりうまくないのに、どうしてこのアルバムで参加させたのかは ?




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 15 曲目 "I'm Old Fashioned / 渡辺貞夫" から "Confirmation"
 今回最後の曲でした.

 ミュージシャンも結構自分の演奏がわからなかったりするお話や、バークレー時代 トニー・ウイリアムス とのツアーのお話し等でおしまい.



 時間的には 30 分くらい伸びただけでまぁいつも通りという感じでした.

 



 実は今回、ビッグなサプライズがありまして ・・・・・・・

 それは 藤井さん から参加した全員に冊子と CD のお土産がありました.



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 この冊子は以前 TBM から送って頂いたものと同じもので、ボクにとっては プチ・バイブル 的なもの.
 何と言ってもディスコ・グラフィが掲載されているんですから !!!

 これだけでもすごいのに CD まであります.
 ちなみに上の写真は以前撮った冊子の上に、いただいたジャケット写真を合成したものなので縮尺はデタラメです.

 このCDは正直ルーキーのみなさんには厳しいでしょう.
 かなりフリーキーな演奏なので、今回これをお土産にもらった参加者の多くは一度聴いてそのまま棚にしまわれてしまうかもしれません (笑)
 ボクもその一人の可能性が非常に高いのですが、このアルバムを見るたびにこの夜の想い出はいつまでも残っていくと思います.



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 最後は超 ミーハー的にサインいただきました.
 当然ですが、このために持参した TBM 1 作目の "MINE" のジャケットにです.
 なぜか 小川さん のサインと一緒で "Keep Swingin" でした (笑)


 おまけに 2 ショットで写真も何枚か撮っていただいたり ・・・・・・・・
 終了後少しお話しできる時間もあったりで ・・・・・・・・・



 TBM はとってもとっても好きなジャズ・レーベルです.
 そんなレーベルを立ち上げた、日本の アルフレッド・ライオン とも言える 藤井武氏.
 長年の夢だった 藤井さん のお話しを聴くことができ、とても満足の ON ゼミ だったのです.



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 やっぱり TBM はスゴイ !!

 そして 藤井武 はスゴイ !!!


 まだ多くのアルバムが廃盤になったままというのが、本当に残念なのです.



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Now's The Time

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 しみじみ ・・・・・・・・・ 3 月です.
 年度末の慌ただしさ、退職される方の送別会や、諸々の懇親会などで今週末からは少しばかりバタバタしそうで、心なしかすでにお疲れモードなのです.

 昨日も職場の送別会.
 数年先にはこちらが贈られる立場になると思うと、なんともなのです.



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 ブログ・ランキングでようやく 4 位になりました.
 こういったものをあまり気にはしない方ですが、ちょっと嬉しかったりします.

 ただこういうランキングの基準がよくわかりません.
 どうも過去のアクセス数なども含めているようなので、どんなに頑張ってもきっとここまでかな.
 最近はアクセス数が安定しているのが一番うれしかったりします.


 ちなみに 4 位に表示されている記事の内容はというと ・・・・・・・・・
 腐女子の ヴェトナム 旅行記 というのがいかにもボク的で、残念なのです (笑)




 明日は久しぶりに いつもの講習会 です.
 今日は午後から会場入りして、簡単に準備.
 そしていつもの前日ミーティングという名のお食事会.
 相変わらず変わり映えしない、いつも通りなのです.



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 (写真は 2013.8.11 放送された interFM Jazz Conversation の一コマ)

 そう言えば月末にプチ・イベントがあります.
 これまた いつもの小川さん の "ONGAKU ゼミナール" の開催なのですが.
 最近 東京 へ行く機会も減り、さらに仕事のスケジュールで ON ゼミ の日程になかなか合わなかったので、こちらのほうはかなりのご無沙汰状態になっていました.

 少し前に 3 月開催の案内がやってきて、今回の特集が "TBM & East Wind"
 そう、大好きな TBM なのです.

 行けないこともないけれど、年度末だからどうしようかと ・・・・・・・・
 主催者に 「とりあえず TBM だから参加予定ということで、 藤井武さん (TBM の創始者でボク的には日本の アルフレッド・ライオン と呼んでいます) さん来ればいいんだけれど ・・・・ 」 なんて連絡をしたものの今一つで、もし仕事が忙しくなりそうだったらキャンセルしようかという感じでした.




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 (写真は 2013.8.11 放送された interFM Jazz Conversation の一コマ)
 (この写真は 小川さん の了承を得て使用させていただいております)


 ところが数日前、追加のアナウンスで 藤井武氏 参加決定と.


 行きます、絶対行きます ・・・・・・・ 仕事はなんとかやりくりします !!


 こうなれば、いつも人気のない 小川さん の横の席にでも座ってしまうぞ.
 とりあえず、藤井さんのサインはゲットしておこう (笑)

 ちなみにこの イベント ですが、まだ数席の空きがあるようですので、よければ日本の アルフレッド・ライオン のお話しを聞きにいらしてください.

 どうでもいいですが、ボクに会うこともできます (笑)



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 ということで、午後出かけるまでの時間を利用してブログ更新.
 今日は当然ですが TBM (Three Blind Mice) .
 一昨年から再販になったシリーズの中の一枚で、このアルバムの再販も待っていました.





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  " Now's The Time : Live in 5 Days In Jazz 1974 "





  1. Polka Dots And Moonbeams
           (J.V.Heusen-J.Burke) ・・・・・ 9:22

  2. Midnight Sugar
           (T.Yamamoto) ・・・・・ 16:00

  3. Now's The Time
           (C.Parker) ・・・・・ 26:28




  # 1 & 2 : 山本剛トリオ + 2
  山本剛 (p), 鈴木勲 (cello), 福井五十雄 (b),
  小原哲次郎 (ds), 和田直 (g: # 2 のみ) 

  # 3 : ジョージ大塚クインテット + 2
  大友義雄 (as), 森剣治 (as), 植松孝夫 (ts),
  山口真文 (ts), 大徳俊幸 (p), 吉野光昭 (b),
  ジョージ大塚 (ds)
  Recorded at Nihon Toshi Center, Tokyo, March 26, 1974.








 このアルバムは 1974 年 3 月 22 日と 26 日の 5 日間、 都市センター・ホール で開催された "5 Days in Jazz '74" の最終日のジャム・セッションの様子が収められています.
 この 5 日間の演奏は何枚かのアルバムとなっているので、今も聴くことができます.
 "慕情""男が女を愛する時" などなど ・・・・・・・ 他にも数枚あります.




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 こういったジャム・セッションのアルバムも、以前は結構あったように思います.
 有名なところでは ノーマン・グランツ 関連でしょうね.

 でも最近はあまり見かけないような気もします ・・・・・・・ ボクの興味がそちらに向かないだけかもしれませんが.

 こういったジャム・セッションはライブならではの楽しみの一つかな.
 よく、ハード・バップ誕生の逸話でも、こういったジャム・セッションが重要な役割果たしたようなことが書かれています.
 また多くの若手ミュージシャンにとっても、こういったセッションに飛び入り参加して腕を磨いていったということをいろいろなところで読んだ記憶があります.


 このアルバムのセッションは、当時日本の才能あふれる若手ミュージシャンで、 TBM の顔とも言えるようなメンバーたちばかり.


 和田直 のギターがいいんだなぁ.
 現在、彼の演奏が入った CD はそれほど多くないので、このアルバム発売は嬉しかった.
 演奏は 2 曲目だけですが、ブルージーな彼のギターを堪能できます.

 和田直 には、この年の 3 月 25 日録音の "Blues World" というアルバムがありますが、ボクの推定だとこの "5 Days in Jazz '74" からの録音じゃないでしょうか.
 だとしたら、やっぱり聴いてみたいな.



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 アルバムの出だしは 鈴木勲 のチェロ.
 "Polka Dots And Moonbeams" もステキな曲だなぁ


   おそるおそる彼女とダンスを踊りはじめると
   水玉模様と月の光が
   少し上を向いた鼻先でスパークした


 なんてステキな時代だったんだろうね.
 こんな恋は、今の時代にはほとんど見ることができなくなっているから.


 テンポをアップして聴こえてくるピアノは 山本剛 そのもの.
 この軽快なピアノはににもいうことない、こういう歌ものは本当にゴキゲンな演奏します.


 アナログ盤の B 面にあたる 3 曲目はメンバーがガラリと変わっています.
 山口真文 とかも入っていますねぇ.
 こういう演奏は、やっぱり生で聴きたいものです.


 きわどいアルバムもありますが、やっぱり TBM はいい !!



  ・ ・ ・ ・ ・



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 ブログ・デザインを変更できずにいますが、リンク・バナーだけは上の写真のようにちょこちょこ変えたりしてます.
 気がつけばリンク・バナーも 20 です.
 このくらいが精一杯かな、これ以上になってしまうと覗けなくなってしまいそうですし.


 昨日もジャズに関係したブログを新しくリンクさせていただきバナー追加、 20 個になりました.
 結構バラエティに富んだリンク・バナーになりました.
 このブログが、まだホントに過疎ブログだったころにはリンクなんて思ってもいなかったんだけれどなぁ.

 昔の関連記事なんか調べていると、文章はほとんど進歩の色が見て取れないことを再認識したりしています.


 まぁ、話題だけはとりあえず増えていますが ・・・・・・・ 汗



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 (EF16-35mm F4L IS USM : 16mm 1/4000sec f/4.5 ISO-100)


 さてそろそろ出かける用意をして ・・・・・・・

 お天気は曇り空ですが、雪さえ降らなければいいかな.

 久しぶりのコースなので、ちょっと忘れ物をしないか心配だったりします (笑)



  ・ ・ ・ ・ ・

Present by TBM

 昨日は東京から帰ってきてすぐに "ON ゼミ" の内容を書きましたが、今日はそれ以外のいろいろなこと.

 ・・・・・ を書こうと思ったのですが、まずは家に帰ったら届いていた郵便のことから.
 実はこれって、ボクにとってはちょっとした事件でしたので.



 東京から帰ったら、郵便物の中の一つに TBM ( TBM というのは、 Three Blind Mice の略で、 1970 年代に誕生した日本のジャズ・レーベル、ボクは日本の Blue Note と呼んでいます ) からの封書が一つ.
 A4 サイズで、表には赤いスタンプで 「新譜」 と.

 いつものクラシック関連 xrcd の案内かな、と思って中を見ると、雑誌が一冊と 「復刻シリーズ」 の案内チラシが入っていました.
 どんなのが再版されるのか見てみたら、ボクが前から欲しかったアルバムもようやく再販なのです.




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 それがこの "男が女を愛する時 / 水橋孝" .

 前にアナログ盤を持っていたんだけれど処分してしまい、それからは CD を捜してみたものあるのはオークションのみ、あまりの高額取引に今まで購入できなかったアルバムの一枚です.
 今回は Blu-spec CD 紙ジャケット仕様 で 2,650 円と、ボクにとってはかなり高額なアルバムではありますが、これこそ今買わないともう買うことができなくなる可能性がかなり高いので、即購入を決意.


 ところが、同封されていた雑誌がよくわかりません.
 タイトルは "One Day with Three Blind Mice" で、どうも 1990 年 6 月 3 日 東京 で行われた記念コンサートのパンフレットのようでもあります.
 映画パンフレットのようにしっかりした作りで、 32 ページ構成.
 当日の参加ミュージシャンの紹介はもちろん、 油井正一 さんの 4 ページにわたる TBM の歴史が書かれた文章もあります. 
 この文章が、これまたいいのであります.




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 でも、このパンフレットと、今回の新譜がどう関係あるのか ?????
 どうしてこれが一緒なのかよくわかりません.
 頭を傾げながら全部のページをめくっていくと最後の方にディスコグラフィも書かれています.
 「おおっ、これはいい」 こういうの探していたんですよね.


 ・・・・・・・・・・・ そういえば、
 実は以前、アルバム注文した際に 「どこかに TBM のディスコグラフィ掲載されていませんでしょうか ? 教えてください ・・・・」 と藤井さんあてにメールしたことを思い出しました.
 その後返事もなかったので忘れていたんですが、まさかそれを覚えていて送ってくれたんでしょうか.

 いや、きっとそうに違いないとボクは信じます.
 熱いアルバムを作る人は、やっぱり違うなぁ ・・・・・・・


 じゃ、こちらも少し無理して購入します.
 内容的にきっとボクの好みではないアルバムですが、記念すべき TBM 1 枚目のアルバムも.




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 既に第 4 期までのラインナップが発表されています.
 約半分はすでに持っているので、残りの半分をどうしようか、さすがにすべて購入できるだけのお小遣いはありません (涙).


 第 3 期の 高柳昌行 の一部はちょっとボク的にはキツイかな ・・・・・ かなり実験的なフリー・ジャズっぽい演奏の気配がしますので.
 "銀巴里セッション" も歴史的な価値はスゴイんでしょうが、内容的にちょっとついていけないので、今回はパス ・・・・ このアルバムも以前アナログ盤持ってました.


 第 5 期以降のアルバムも期待して待ちましょう.
 どうしても欲しいアルバムがあと数枚あるので、それらが入っていることを祈りながら.


 直接注文も考えましたが、支払いの関係からいつもの Amazon で購入します.
 もっと多くの人に、この時代の日本のジャズを聴いてほしいのですが ・・・・・・
 ボクの購入なんてほんのちっぽけなものですが、アルバム購入が TBM 全作品の再販につながればいいなぁなんて思っています.


 ちなみに同封のチラシには、なんと小川さんのコメント.
 「名盤ベスト 20 選」 のセレクトも小川さんと書かれているところを見ると、どこかの雑誌の特集記事のコピーでしょうか.
 東京に行く前に届いていたら、このあたりを本人から聞くことができたのに.





 じゃあ、ちょっと "ON ゼミ" 以外の 東京 の話題でも.




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 金曜日の夜、 講習会場の目と鼻の先にある 東京スクエア・ガーデン .

 上階はほとんどオフィスが入るようですが、地下にはレストランやカフェなどが入っています.
 近いので気にはなるのですが、いまだ行ったことはありません.
 受講者が昼食に出かけましたがまだそんなに混んでいなかったようです.
 場所が 京橋 ということもあるのでしょうか.
 お隣の 銀座 に比べると、人通りもまったく多くありませんので.

 今回の昼食はいつものお店を利用しましたが、次回は昼食にトライしてみます.



 "ON ゼミ" とは別に、機会があれば顔を出している Bar le sept .
 非常に居心地のいい場所ですが、そこでシェィカーを振っていた 修ちゃん が、このたび自分のお店を出すことになりました.
 もうお店は開店していますが、土曜日は 銀座 にお手伝い.




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 映っているのが 修ちゃん こと、 岩崎氏.
 お店は 西船橋 の "10 1/2 CAFE+"
 昔お世話になった方のお店でしたが、御主人がなくなり譲り受けたとのことでした.


 銀座 で彼の作ってくれる "特製 Tom Collins" が飲めなくなるのは淋しい限りですが、こればかりはねぇ.
 そんなんで、土曜日は "とても爽やかで強くないジントニック" 、 "いつもの Tom Collins" 、 "ネグローニっぽいロング・カクテル" をいただいてきました.


 なかなか西船橋には行けそうもありませんが、その代わりにボクの友人に PR .
 早速日曜日の夜、友人の酔っぱらいをお店に送り込んでおきました.
 モヒート 3 杯飲んでへべれけになったようです (笑) .


 皆さんも是非 西船橋 へ ・・・・・・ 運が良ければ、ボクがあげた Pink Floyd がアンニュイな午後の日差しの中でかかっているかもしれません (笑)



 そういえば、 銀座 の Bar le sept は 修ちゃん の代わりに ミッシェル君 が修行中.
 日本語がとてもうまいフランス人で、フレンチ・ナイトのようなイベント計画もあるようです.



 今までとは違った楽しみが増えそうです.

Misty

 今夜は一人でのんびりとしています.
 いつもは家にいる奥様が、野沢温泉にスキーで出かけたのでこれから 3 日間はボク一人.
 一応はお仕事ということですが、どんなものやら ・・・・・・・ 少なくても立ち入り禁止区域に入って遭難するようなことだけは避けて欲しいと願っています (笑) .




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 まだ二人の娘が小学校の頃は、彼女たちの大会出場に合わせて家族みんなでいろいろなゲレンデをカッ飛んでいましたが、今でもスキーしているのは奥様一人になってしまいました.
 この野沢温泉も、ジュニアの大きな大会があるので幾度となく行ったゲレンデです.

 そんな子供たちも、いつの間にか成人 ・・・・・ 親が何もしなくても、子供はちゃんと育つというのを実感しています (汗) .






 今夜はいつもよりもほんの少しだけボリュームを上げて聴いています.
 録音がとてもいいから、やっぱりちょっと大きめの音のほうがいいですね.






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   " Misty / 山本 剛 " (TMB - 30)





   1.  Misty 
         (E.Garner) ・・・・ 7:16 
   2.  Blues 
         (T.Yamamoto) ・・・・ 7:59
   3.  Yesterdays 
         (J.Kern-O.Harbach) ・・・・ 6:10
   4.  Honey Suckle Rose 
         (T.Waller-A.Razaaf) ・・・・ 6:04
   5.  Smoke Gets in Your Eyes 
         (J.Kern-O.Harbach) ・・・・ 6:03
   6.  I Didn't Know What Time It Was 
         (R.Rodgers-L.Hart) ・・・ 6:25
   7.  Angel Eyes
         (M.Dennis) ・・・・ 4:44





   山本 剛 (p), 福井 五十雄 (b), 小原 哲次郎 (ds)
   Recorded at Aoi Studio, Tokyo, August 7, 1974.







 大好きな二人の日本人ピアニストが、 本田竹廣 と 山本剛 です ・・・・・ 唸らせてくれるのは ホンタケ 、酔わせてくれるのが ヤマちゃん .
 なんて、ボクは思っているのですがみんなはどうなんでしょう.


 ジャケット写真はインターネットでいい写真が無かったので、持っているアルバムをスキャナーで取り込みましたが、ちょっと白けてしまいますね.
 本当はもっときれいな緑なんですがね.


 ボクの持っているアルバムは、 2002 年に XRCD24 でリマスターされたものです.
 もともとのアナログ盤の録音が良かったのと、今聴いているオーディオがあまりにもショボいので、正直この CD がどのくらい素敵な音になっているのかをボクは感じ取ることができませんが、とにかくいい音で鳴っていますよ.
 こんな素敵なアルバムでさえも、今ではなかなか手に入れることが難しくなっているようです.
 以前から幾度となく言っていますが、 日本の Blue Note ・・・・・ Three Blind Mice (TBM) のアルバムは是非みんな再販して欲しいですね.




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 アルバム・タイトルは "Misty" ・・・・・・・ エロール・ガーナー が 1954 年に作曲したバラードの名曲です.
 "Misty" の名演とくればこのアルバムを挙げる方も少なくないくらい、このアルバムでの "Misty" は魅力的な演奏です.
 独特の タメ の中で流れでてくるメロディの美しさがとってもいいですね.
 この演奏に関しては、なんにも言うことのないようなとても素敵な演奏なので、まず聴いてみてください.


 2 曲目がオリジナルの他は、ほとんど有名なスタンダードが選曲されています.
 この辺りも人気の所以ではないでしょうか.
 曲でいったら、ボクは最後の "Angel Eyes" が大好き ・・・・・ この演奏が最後に入っているので、最後の最後まで酔わせていただけます.



 スローなバラードばかりでなく、 2 曲目の "Blues" のような演奏が、 山本剛 の真骨頂かもしれません.
 こういった曲も本当にうまく弾くんですよねぇ.
 "Honey Suckle Rose" もゴキゲン.



 なんだかんだ言っても、このアルバムは 山本剛 の代表アルバムに間違いないし、とっても素敵なアルバムに間違いありませんね.
 ルーキーに自信を持ってお勧めできちゃいます ・・・・・・ が、残念ながら Amazon にも HMV にも新品は無いようです.


 まだ聴いたことのない人には、是非とも聴いて欲しいのですが ・・・・・・ .

Blow Up

 "いつもの小川さん" のブログを覗いたら、明日の Jazz Conversation の中で、 Three Blind Mice (TBM) レーベルの紹介をするとのこと.
 TBM レーベルについては過去にも幾度か書いたので今回は割愛しますが、ボクの大好きなレーベルの一つで、日本の Blue Note と信じています ・・・・・ 藤井武 さんはさしずめ アルフレッド・ライオン か.
 ただ時間的に 25 分しかないので、小川さんは 「たいした話もできず、好きなひとにとっては物足りないかと思います ・・・・ 」 と言っていますが、逆にこんな短い時間でどうまとめるのか興味アリアリです (笑) .

 でも明日は東京ではないのでボクはいつものように聴くことができません ・・・・・ せめて番組 HP でも覗いて、どんな曲がかかったのか見るくらいです (涙) .



 そんな TBM を代表する一枚です.






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  "Blow Up / 鈴木 勲"





  1. Aqua Marine
  2. Everything Happens To Me
  3. Blow Up
  4. Like It Is
  5. I Can't Get Started
  6. Low Flight





  菅野邦彦 (p & Fender piano), 鈴木勲 (b & cello), 
  水橋孝 (b - #1.3.5.6), ジョージ大塚 (ds)
  Recorded March 29 & 30, 1973.





 TBM-15 ・・・・・ レーベル 15 枚目のアルバムで、いろいろな賞を獲得したアルバムでもあります.
 まず 1 曲目の "Aqua Marine" ですが、最初にジャズ屋でこの音を聴いた時、透き通るような音に驚いたことを覚えています.
 でも幾度となくこのアルバムを聴いていくうちに、例えば 2 曲目 "Everything Happens To Me" の菅野氏のピアノの良さが見えてきたり、 3 曲目の "Blow Up" のスリリングな演奏が快感になったり、鈴木勲氏のオハコともいえる "I Can't Get Started" に癒されたり ・・・・・・ このアルバムの "スイング・ジャーナル選定ゴールド・ディスク" はちょっと納得してみたりします.




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 SONY The CD Club の HP に TBM についての紹介文が掲載されていました.
 その冒頭に、 「・・・・ 現在まで約150種の作品がリリースされているが、駄作の類はひとつもない。驚異的なレベルの高さ、これもTBMの大きな特質にして魅力である。」 とありますが、これについては聴き手の好みがあるので一概に駄作がないというのはいかがと思うのですが、 録音に関してはいいですね、ボク好みです.
 特にライブ録音なんかも、ものすごく臨場感のある音で、まるで目の前でライブが行われているようです ・・・・・ ちょっと言い過ぎかな (笑) .


 欠点があるとすれば、現在気軽に聴くことができないことでしょう.
 廃盤になっているものがほとんどです ・・・・・ この "Blow Up" はまだ購入できたと思います.


 SONY The CD Club には オーダーメイド・クラブ なるものがあり、何枚かの廃盤アルバムで人気のあるものを商品にする企画がありますが、それとてもすべてのアルバムを対象にできる訳ではありませんし、価格的にも 3,000 円を越える金額ですので、興味があっても簡単には聴くことができません.
 ビジネス的な部分が大きく影響しているので、こればかりはどうしようもないことなのでしょうが、とても残念.
 ボクも欲しいアルバムが何枚かあるのですが、きっと手に入れることはできそうもないでしょうね.


 Blue Note のすごいところは、今でもほとんどと言っていいくらい、アルバムを購入できるところです.
 ただ、国内盤の販売は現在ないですが、 International 盤はかなり廉価で手に入れることができます.
 国内盤にしても、きっと数年後にはまた販売されるでしょうし.



 TBM も日本の Blue Note です ・・・・・・ もっとアルバムが手に入り易くなればいいのですが.






 さて、話題はガラリと変わって、らーめんのお話し.


 先日登った 天狗岳 、今回の登山ルートは メルヘン街道 脇の 白駒池 駐車場からでした.

 メルヘン街道 ・・・・・・ と言っても、ドイツではなく日本ですが.
 メルヘン街道とは、 北八ヶ岳 を横断する 蓼科高原 (茅野市) から 佐久穂町 を結ぶ全長 38 km の山岳ドライブコースで、途中標高 2127 m の 麦草峠 を越えて走る国道 ( 299 号線) のドライブコースは、国道としては日本で 2 番目に高い峠を越え、春の新緑シーズンや秋の紅葉シーズンは特にまわりの風景が美しく、人気のドライブコースとなっています.
 ちなみに、冬期 の積雪期は閉鎖され通行不能となります.

 朝は 茅野市 から上がって行きましたが、帰りは折角だから 佐久穂町 に下りてみようと車を走らせました.
 平日の午後でしたので、すれ違う車も数えるほど.
 あとで職場の女性に聞いた話ですと、紅葉シーズンなどはこの 白駒池 駐車場に入ろうとする車で道路が渋滞することがたびたびとのことです.


 佐久穂町 から 佐久市 を抜けて帰ってくるのですが、途中の 佐久市 でちょっと早めの夕食 ・・・・ ちょうどこの日は奥様も夜お出かけでいなかったので.
 以前から一度食べてみたいと思っていたラーメン屋さんに IN です.


 "麺や 天鳳"
 これと同じ名前のお店が都内にもありました ・・・・・・ どうも 中野 のお店ののれん分け店のようです.
 佐久 界隈では、一番人気と言ってもいいくらい、いつも混んでいるお店のようですが、飛び込んだ時間が 17:00 まわったばかりだったためか、ボク一人だけでした ・・・・・ その後次から次へとお客さんが.


 何を頼もうか迷ったのですが、よくわからない名前のラーメンがあったのでとりあえずそれを ・・・・・ .
 "安養寺 (あんようじ) らーめん"




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 さすがに一眼レフをラーメン屋に持ち込む訳にはいかないので、携帯で ぱちっ ・・・・・ ピンボケでした (涙) .
 よくわからないラーメンですが 「細麺、ちょいやわ、こってり、味濃いめ ・・・・」 などとリクエスト.


 この "安養寺 (あんようじ) らーめん" とは、 安養寺 の住職と檀家の方が寺周辺の畑で育てた大豆と佐久平一帯でとれた米、天然の塩を使い、丹精込めて長期熟成させた "安養寺味噌" を使ったラーメンのことです.
 実はこのラーメンは佐久市のラーメン店と行政や佐久商工会議所が協力して、町おこしのためにつくったもので、いろいろなラーメン店で、いろいろな "安養寺らーめん" を食べることができます.


 麺が結構下に隠れており、見た目よりボリュームがありました.
 こってり をオーダーしたからか、かなりドロリとした感じのスープでした.
 ただ、飲んでみるとそんなに塩辛くなく、こってり感もボクはちょうどいい感じでした.

 前述の職場の女性に聞いたところ、このお店は "自家製こってり味噌らーめん" がおいしいとのこと ・・・・・ 行く前に聞いておけばよかった、まぁそれほど遠くないのでまた行くとします.
 次回はお勧めの "自家製こってり味噌らーめん" を食べて、京橋 "どみそ" の味噌ラーメンと比較してみましょう.



 どうもらーめんのお話しのほうが長くなってしまいました ・・・・・ 自称 面食い ですので (爆).

北欧のような風景

 今年初めての雪らしい雪です.
 昨日は午後から本格的に降り始めましたが、夕方には小降りになっており、道路にも積っていなかったので、大したことなさそうだと眠ってしまいましたが、朝起きたらこんなでした.

 写真のように、家のウッドデッキで約 10cm ほど.
 久しぶりに雪らしい雪を見た感じです.
 そういえば、昨年もドカンと雪が降ったのは一回くらいだったでしょうか.
 昔に比べると本当に降雪量が少なくなりました.

 それに比べ、今年は九州とか例年雪に関係のない地域でドカ雪とか・・・・・あり得ませんね〜.
 きっと、どこかで、なにかが、狂い始めているんでしょうね.


 雪と言ってすぐに連想されるのが、"At The Golden Circle / Ornette Coleman" でしょう.
 このアルバム・ジャケットは秀逸です (これはボクも認めます) ・・・・・ がっ、 Ornette Coleman のアルトの音だけは、今だに好きになれない (というか、大嫌い) なので、当然我が家の棚には並んでいません.
 きっと 5 年後も、このアルバムが部屋にあることはないでしょうね.

 
 次に連想するのが、 "Flight To Denmark / Duke Jordan" でしょうか.
 このアルバム、ジャケットもいいですが、演奏も素敵ですよね.
 幾度となく聴いたことありますが、なぜかこのアルバムはつい買いそびれています.
 もう少しボクがすぐに Click できるくらいの価格のものが見つかればいいのですが.
 このアルバムは、ちょっと安いのないか見つけてみましょう.



 それで思いついたのが、このアルバムです.
 雪のイメージとはちょっとばかり違いますが、雪が似合いそうなアルバムです.
 日本のビッグバンドもこんなにいいんだよ、って感じのアルバムです.






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  "北欧組曲 (Scandinavian Suite) / 高橋達也と東京ユニオン"





  1. part 1 白夜の哀しみ (Midnight Sunrise)
  2. part 2 エドワード・ムンクの肖像 (Sketches of Munch)
  3. part 3 グレタ・ガルボの伝説 (The Legend of Garbo)
  4. part 4 アンデルセンの幻想 (Andersen Fantasia)
  5. part 5 シベリウスの遺言 (Sibelius' Testament)
  6. part 6 遊ぶ子供たち (Children at Play)





  高橋達也(Leader.ts), 多田善文・安孫子浩・鈴木基治・斎尾知一(tp),
  宮崎英次郎・内田清高・岡田光一(tb), 堀恵二・柳沼寛(as), 簾健一(b-tb),
  井上誠二(ts), 石兼武美(bs), 金山昌宏(p), 荒谷憲一・直居隆雄(g),
  石田良典(b), 海老沢一博(ds), 今村祐司(perc), ミッキー吉野(syns)
  Recorded May 15&22, 1977.





 久しぶりに聴いてみると、いいですな.
 ボクの大好きな Three Blind Mice (TBM) レーベルです.
 昔アナログ盤持っていましたが、 CD を買ったのはたしか数年前で、藤井武さんの所から、在庫処分の残り物を 10 数枚まとめ買いした中の一枚です.
 以前から言っているけど、 TBM のようなレーベルこそなんとか残って欲しかったですね.
 せめて版権をどこかの大手で買い取って、すべてのアルバムを再販して欲しいな〜 ・・・・ ボクは TBM こそ、日本の Blue Note だと信じています.


 話をアルバムに戻しましょう、この "北欧組曲" は、 TBM の創設 7 周年の記念アルバムとして作られたようです.
 作曲を依頼されたのは、当時まだ新進気鋭の 三木敏悟 .
 彼の北欧生活の経験から書かれたものがこの組曲でした.




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 1 曲目の "白夜の哀しみ" を聴いただけでも、このアルバムの良さがわかるような気がします.
 白夜と言えば、 "真夜中の太陽は沈まず (Midnight Sun Will Never Set)" という有名な曲があります.
 若き日の Phil Woods の演奏が You Tube などでもアップされていますが、 Impulse レーベルからビッグ・バンドの演奏があったように記憶しています.
 ボクの記憶では Oliver Nelson だったように記憶していたのですが、該当するアルバムが無く、代わりに Benny Carter の Impulse 盤がありました.
 どうもボクの完全な思い違いだったようですね.

 いずれにせよ、クインシー・ジョーンズ作曲のこの曲はとても素敵な曲です.
 中には日本語の曲名が直訳過ぎてよくないという人もいるようですが、ボクはこの日本語曲名も好きです.
 話を "白夜の哀しみ" に戻しましょう ・・・・ ちょっと哀愁を帯びたとてもきれいでスロー・テンポなテーマから、一気にビック・バンド特有のダイナミックでたたみかけるような演奏になっていきます.
 途中、シンセサイザーやエレクトリック・ギターの音が時代を感じさせてくれます.


 このアルバム全体に言えるのですが、ギターの音の使い方などは、ロックっぽい部分もあったりしますし、ホーンのソロではかなりモーダルな部分もあり、トランペットにエフェクトをかけてあるようなところもあります.
 これは、録音された1977年頃って、ジャズも多様化していろいろな方向に分かれていった頃だったので、当時の音楽性の一部が垣間見えるような気がします.
 このあたりのアレンジが、ちょっと普通のビッグ・バンドとは違っているような感じを受けます.


 ジャケットにどうして女性の裸が必要なのか意味不明.
 どうも北欧 = こういったイメージというのが当時あったのでしょうか.
 演奏がいいだけに、もう少し気の効いたジャケットだったらいいのに ・・・・ ボクは、このジャケットに関してはあまり好感持っていません.


 ルーキーにもお勧めしたいのですが、廃盤になっており手に入りにくそうですね.
 いいアルバムは、いつでもだれでも聴くことができるものだと思っているので、そういう意味ではいいアルバムではありませんが、演奏はいい演奏しています(笑).



 久しぶりに窓から見る雪景色.
 ちょっと北欧っぽくないし、ちょっと白夜には見えませんが ・・・・・ まぁ、こんなアルバムを聴きながら、気分だけはまだ見ぬ北欧の地ですね.

 それにしても、また曇って空からは雪が ・・・・・ 今夜も寒くなりそうです.

Live at the Misty / Tsuyoshi Yamamoto

 ブログの訪問者数を見ると、みごとに 0 と 1 が並んでいます.
 二進法の世界ですね、珍しく今日は 3 人も!!
 一体こんな辺鄙なブログをだれが覗くのか、すごく興味があります.
 ここって、ほんとうに見つかりにくい路地裏のジャズ屋そのものですから ・・・・・・


 昔から大好きな日本人ピアニストに、山本剛がいます.
 特に好きなアルバムが 六本木 「Misty」 でのライブ・アルバム.
 アナログでは "Live at the Misty" , "Blues for Tee" , "The in Crowed" と 3 枚で発売されていましたが、そのうちの "The in Crowed" のアルバムは CD になるときにそれぞれに組み入れられてしまいました.



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 実はこのアルバムは 2 枚持っています.
 1 枚は 2006 年に発売されたもので、オリジナルの "Sweet Georgia Brown" , "The Loving Touch" , "Dark Eyes" , "Moanin'" の 4 曲だけが収録されています.

 もう一枚は 1991 年に 西ドイツ で発売されたものです.
 上記の 4 曲に、アルバム "The in Crowed" から "Blues in the Basement" , "For once in my live" , "You are my sunshine" の 3 曲が追加されています.
 ちなみにアルバム・タイトル曲の "The in Crowed" は "Blues for Tee" に入っています.


 で、内容なのですが一曲目を始まった瞬間から、あたかも地下のジャズハウスにいるかのような錯覚に陥ります.
 まず録音がいいです、これは "Three Blind Mice" (TBM) レーベルに共通しているのですが、非常に奥行きがはっきりわかる、クリアな録音で大好きです.
 これはもう、プロデューサー 藤井武 氏の成せる技でしょうね ・・・・・・・
 話は違いますが、数年前 TBM ブランドの販売を中止する直前、 TBM からまとめて 10 数枚アルバムを購入しましたが、そこにちょこっと藤井氏からのメッセージがかかれており、なにかジーーンときたのを覚えています.

 こういうメーカーを潰しちゃいかんのですがねー.



 演奏はもう言うまでもありません、当時駆け出しの山本剛はもちろんですが、個人的にはベースの大由彰氏がいいんです.
 とにかく歌いまくりのベースで、ライブにはほんとうにぴったり.
 こんな演奏を目の前にすれば、間違いなく楽しいはずです.
 それはお客さんの様子からも覗えますね.

 "For once in my live" のアドリブにさり気なく流れる "Santa Claus is Coming Tonight" のフレーズ ・・・・・


 1974 年 12 月 25 日クリスマス、 六本木 の夜の一場面です.

Three Blind Mice



 最近はかなり違うほうにイッちゃっているので、少し頭を冷ます意味でちょっと Jazz です (一応例の物語の続きはできているんだけれど、考えるところがありまして・・・・・) .
 H 女史、お待たせしてゴメン.

 昔は日本の Jazz も採算抜きでいろいろなアルバム製作していました.そんなメーカーの中で一番有名な (好きだった) のが、TBM (Three Blind Mice) す.
 当時の若手を中心に、ミュージシャンのかなり意見を自由に取り入れてアルバム作りしていたような気がします.



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 そんな中で一押しが、 "Moon Ray / 大友義雄" です.
 ベースに続いての 8 小節聴いただけで、もうメロメロになってしまうほど 泣き のアルトです.
 独特のタメなんかもう、クーーッときてしまいます.
 バックは 山本剛 (p) 、川端民生 (b) 、オージェス倉田 (ds) .
 ボクはこのアルバムでた直後、彼のライブでこの曲を聴いたんだけれど、とっても良かった (表現最悪、月並みの褒め言葉 !! うまく言葉にできないくらい 「いい」 という意味です) .

 この頃の特に管楽器奏者のほとんどがモードや、クロスオーバー、フージョンといった波に乗っていったのに、少なくてもこのアルバムは本当にストレートなジャズが詰められています.
 特にミディアムテンポの曲で見せる、歌心 ・・・・・・・ クールです!
 アナログ LP を手放した後、ようやく手に入れた CD 盤は手に持っただけでもにやけてしまいます.
 ジャケットもすごくいい.


 そして TBM を語る上で欠かせないのが、プロデューサーの 藤井武 氏でしょう.
 TBM のアルバムはすべて彼の音といっても過言ではないでしょう.
 TBM のいくつもの名盤は、彼のプロデューサーとしての確かさの上になっているものです.


 そんな TBM だけれど、 2 年前に完全に発売を停止しました.
 ボクは発売中止寸前、直接 TBM に申し込んで 10 数枚買ったのですが、そのときにメールで藤井さんから 「長い間ありがとうございました」 という言葉 ・・・・・・・
 「こちらこそ長い間ありがとう」 って、胸が熱くなりました.

 こんな名盤がこれから買うことができないのはほんとうに残念なことです (一部のアルバムは最近違う販売経路から発売になっているようです) .
 当時は他のアルバムに比べて、値段が高かったので我々金のない若造にはちょっと欲しくても手が出なかったのも事実 ・・・・・・・ だって、コーヒー 1 杯で 5 時間とか平気でジャズ屋にいるんだから.



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 これ聴いていて思ったんだけれど、こういった "泣き" や、独特の "歌心" 、そして "間" といったものが、日本人の心 (っていうか、ボクの心の隙間) にぐっと来るような気がします.
 ボクの大好きな Ronnie も、特にライブではこういったものを兼ね備えているから、観客の心グッとさせちゃいます.

 そういえば H 女史からいただいた ウラジミール・シャフラノフ ・・・・・・ 澤野工房 はまだ頑張っているよね.
 上質なジャズだって、結局ビジネスにならないと消えていってしまうんだよね.


 ほんと ・・・・・ 寂しい.


● プロフィール ●

la_belle_epoque

 ジャズ・アルバムの紹介を中心に始めたブログでしたので、こんなタイトル付けていますが、最近では完全に写真やカメラの話題が中心になっています.

 最近になって 沼 という場所にハマっていることに気が付き、脱出のためもがき苦しんでいます。
 金銭感覚も社会通念上の常識とはどんどん離れていってるようですが・・・・・・

 いつもおいでいただく皆様に、感謝です。

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