180°SOUTH

OUTBACK

 夕方から雨が降ってきてしまいました.
 この時期の雨、なぜか昔住んでいた湘南の青春時代をふと思い出してしまいます.
 住み慣れた田舎を離れ、湘南のある都市での生活、一番最初に訪れた時も雨降りでした.
 今になって思うと、晴れた天気の日の想い出よりも、雨の日の想い出のが多いのが不思議です.



 昨日書いた "180°SOUTH" ですが、本当に不思議な魅力に溢れた作品ですね.
 昨日 2 回見て、その後は音声を絞り気味にして PC にただ流していたのですが、こういう鑑賞の仕方もできてしまいます.
 違う作業しながら、ふと画面に現れた素敵な景色見たりと ・・・・・・ きっと、音を完全になくし映像だけにしても楽しめてしまえそうな映画です.





 未開の奥地 ・・・・・・・ そこに残る大自然
 そんなことを想いながら聴いてみますか ・・・・・・・・・





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  "Outback / Joe Farrell"




  1. Outback
  2. Sound Down
  3. Bleeding Orchid
  4. November 68th




  Joe Farrell (ts.ss.fl), Chick Corea (p), Buster Williams (b), 
  Elvin Jones (ds), Airto Moreira (perc)

  Recorded November 16, 1970.





 Joe Farrell は、1937年12月7日シカゴ生まれのサクソフォン奏者です.
 1960 年代は、 サド&メル・オーケストラ に在籍し、 Charles Mingus ・ Andrew Hill ・ Jaki Byard などのアルバム録音に参加しています ・・・・・ このあたりの録音情報を見ただけでも、何となくではありますが、どんな方向の演奏かが想像できます.
 たぶん、ボクの苦手な感じの演奏でしょうね ・・・・・ 聴いていないので、まったくの推測ですが、時代やメンバーを見ればおおよその想像はつきます. 

 彼が有名になったのはこのアルバムを含めた CTI 時代.
 きっとボクの好みもこの辺り、この Joe Farrell のほうが聴きやすいでしょう.
 そして、CTI と同様に彼を代表するのが、 "Return to Forever" での演奏でしょう.
 このアルバムでも Chick Corea が参加しています.

 1986年1月10日、癌 (Bone Cancer と表記されていますが、 骨髄腫 のことでしょうか?) のため48歳で亡くなっています.




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 さてこのアルバム、まずジャケット・デザインがいいです.
 見開きジャケットになっており、裏面には後頭部の大きな羽飾りなどが映っています ・・・・・ 見開いてみると、だいぶ感じが変わって見えます.
 この辺のジャケット・デザインは、いかにも CTI といった感じで、今のボクは好きです ・・・・・ 過去は CTI 毛嫌いしていましたので.

 購入したアルバムは、 "CTI 40 周年記念エディション" という International 盤で紙ジャケットなのですが、正直デキがよくありません.
 先日届いた Pink Floyd Box の紙ジャケットのほうがはるかにいい出来です.
 ただ ・・・・・・ 価格が 1,100 円なので、まぁ許せる範囲かな.
 ちなみにボクの手元に届いたものは、しっかり右側の隅が折れていました.
 クレームつけようか迷ったのですが、面倒なので止めておきました.



 曲は、 1 曲目のアルバム・タイトル曲でもある "Outback" がいいです.
 未開の奥地という意味で、あのアルバム・ジャケットになっているんでしょうね.
 ただ、現代社会でこのタイトルと、写真の組み合わせはどうでしょう ・・・・・ 少しばかり不適切ではないような感じも受けます.
 2 曲目からは、モーダルな 4 ビートの演奏で、いかにもモダン・ジャズしているんですが、ボクはこういったモダン・ジャズするよりも、 1 曲目のような演奏のほうがずっといいように思います.
 この曲は、 John Scott が映画 "Outback" に書いたもののようですが、この映画のことが全く分かりません.
 John Scott は、自らもサクソフォン奏者として自分のグループを持ったり、映画音楽の奏者として吹いたりしていたようですが、彼の経歴の中にもこの映画のことは触れられていません.
 主演は "大脱走" で Colin Blythe 役を演じていた Donald Pleasence で、他には Chips Rafferty も出演しているところを見ると、どうもイギリス映画のようですが、それ以外の足取りはまったくつかめませんでした.
 あっ、当然ですが "死ぬまでに観たい映画 1001 本" にも出ていません.



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 3 曲目 "Bleeding Orchid" は Chick Corea の曲で、独特のスパニッシュ風味を利かせていますが、 1 曲目同様にこういった演奏のほうが、絶対ボクのツボです.
 一昔前だったら、2曲目と4曲目のようなモーダル場演奏も目をつむり唸りながら (笑) 聴いていたかもしれませんが、最近では疲れるので敬遠です.
 あまり小難しくない演奏がいいですね ・・・・・・ 登山と一緒で、ゆる〜〜いのがいいです.

 そうそう、この手の演奏には アイアート も欠かせませんね.





 そういえば今日は銀座で "ON ゼミ" です ・・・・・・ もうそろそろ終了時間です.
 今日は夕方まで仕事、明日は部下の結婚披露宴があるのでどうしても参加できませんでした.
 今年の "ON ゼミ" もこれで終了、どうも今年はボクのスケジュールとのかみ合わせが悪く、たった一回だけの参加で終わってしまいました.
 基本的にこのイベントだけのために東京に行くことはないので ・・・・・ (一度だけありましたが・・・) 、他のスケジュールと合った時だけ参加する感じですね.

 来年はもう少しうまく合えばいいのですが ・・・・・・・・

180°SOUTH

 先日 patagonia に勤めている友人のことをさらりと書きましたが、不思議なことに東京に行く前に注文してあった Blu-ray が、なんと patagonia に関連深いものでした.
 この Blu-ray 注文する時にも、取り立てて patagonia のことを意識していた訳でもなく、ミニシアター系で評判が良かったような話題をどこかで読んだから ・・・・・ もちろん彼女が patagonia に勤めていることを知ったのも注文した後、東京での飲みながらの話しの中ですし.

 だから、ちょっと不思議な縁のようなものを感じてしまいました.






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  "180°SOUTH"





  監督・脚本・編集 :  クリス・マロイ
  プロデューサー : ティム・リンチ 
  音楽プロデューサー : エメット・マロイ
  エグゼクティブ・プロデューサー : リック・リッジェウェイ
  撮影 : ダニー・モダー 
  出演 : イヴォン・シュイナード
       ダグ・トンプキンス
       ジェフ・ジョンソン
       キース・マロイ
       マコヘ
       ティミー・オニール 
  公開 : 2011 年





 1968 年パタゴニアへ旅した 2 人のアメリカ人、 イヴォン・シュイナード と ダグ・トンプキンス は帰国後それぞれ patagonia と THE NORTH FACE という小さな会社を設立.
 今では世界中の誰もが知っているアウトドア・ブランドです.
 そんな二人の旅を、 patagonia の専属フォトグラファー ジェフ・ジョンソン が再び辿るというロード・ムービー.



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 映画のタイトルは、 イヴォン・シュイナード と ダグ・トンプキンス 二人の運命を 180° 変えた伝説の旅という意味や、ヨットの方位が指す 180°S からきっとつけられているんでしょうね ・・・・ (推測).
 ただこの映画、単なるロード・ムービーではなく、現代社会の抱える大きな問題も提示しています ・・・・ まぁそんなにも重い表現ではありませんが、きっちりと考えさせられます.



 "モーターサイクル・ダイアリーズ (Diarios de motocicleta)" という、ボクの大好きな映画があります.
 こちらの映画は、 アルゼンチン の二人の医大生 エルネスト・ゲバラ・デ・ラ・セルナ と アルベルト・グラナード が、 500cc のおんぼろバイクで 12000 km 、 1951 年 12 月から約半年間にわたる南米旅行の様子を描いています.


 片や パタゴニア の手つかずの大自然に衝撃を受けた二人は自然保護に全エネルギーを注ぎ、二人の医大生は資本社会の貧困差を目の当たりにし社会主義思想にのめり込んでいきます.

 年代も思想もまったく違いますが、 "180°SOUTH" を観ていて、なぜか "モーターサイクル・ダイアリーズ" の二人とオーバーラップしてしまいました.




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 映画は ジェフ・ジョンソン の語りと共に淡々と進みます.
 途中、 1968 年の イヴォン と ダグ の旅の風景の映像も入っています.
 ドキュメンタリーなのですが、 コルゴバド 山登頂をメインに描いている訳ではありませんし、ただ単に美しい景色を映し出したりしている映画ではありません.
 ラパ・ヌイ島 (イースター島) の美しくも厳しい自然の風景の中にも、人間たちの行ってきた環境破壊について語られています ・・・・・ そして チリ の開発と自然破壊.
 そしてそれらの環境破壊を語る部分のほうが、いつしか美しい風景より印象深く心に刻まれていきます.

 そこには イヴォン・シュイナード と ダグ・トンプキンス の理念が映しだされています.
 ここに登場するサーファーやクライマーたちすべてが、自分なりの自然保護の理念を持ち、自分なりの自然保護運動などをしています.




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 ボクは今まで自然保護なんてほとんど考えてもいませんでした ・・・・ もちろん漠然とは大事なこととは思っていましたが.
 資本主義の上に築かれた現代社会の恩恵もたくさん得ていますので、すべて自然保護が最優先というような極論はどうかとも思います ・・・・ まぁ恩恵というのは個人でそう思っているだけで、本当は無くてもいいものばかりかもしれませんが.

 冒頭の部分で ダグ が、 「手付かずの自然に慣れ親しんでいるものは美の感覚が魂に刻み込まれている」 と言っています.
 ボク自身山に登るまでは、道に落ちているゴミも全く気にもしなかったのですが、山に登るようになってから登山道に落ちているちっちゃなゴミ一つが、物凄く気になるようになっていました.
 そしていつからか、そんなゴミを拾うようになっていました.


 別に偉いとかそういうんじゃなくて、拾うのが当たり前という感じ ・・・・・ そしてどうしてこういうゴミを落とすのか本当に不思議に思えてくるようになりました.
 ダグ はもっともっと崇高な部分のことを言っているのかもしれません ・・・・・・ が、きっと自然にはこういった力もあるんじゃないかと、最近ボクは思うようになっています.


 だから心を癒してくれたり、解放してくれるんだと ・・・・・・・




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 「世界中のほとんどの問題は方向転換すれば解決する」 と イヴォン が語っていました.
 でもなかなか方向転換できないのが人間なんですよね.




 "人間は歴史から教訓を学べない、その事実が最も大切な教訓である" (A.ハックスリー)



 ボクの今までの人生も、まったくもって上の格言そのものですねぇ〜.

 映画に映し出されるとてもきれいな自然風景を見ながら癒され ・・・・・・
 そして自然のことについてちょっと考えることのできる映画です.

● プロフィール ●

la_belle_epoque

 ジャズ・アルバムの紹介を中心に始めたブログでしたので、こんなタイトル付けていますが、最近では完全に写真やカメラの話題が中心になっています.

 最近になって 沼 という場所にハマっていることに気が付き、脱出のためもがき苦しんでいます。
 金銭感覚も社会通念上の常識とはどんどん離れていってるようですが・・・・・・

 いつもおいでいただく皆様に、感謝です。

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