CAROL

Cliff Jordan (BLP-1565)

  ・ ・ ・ ・ ・ ・



 寒暖の差がとても大きくなってきました.

 夜なんか肌寒いくらい ・・・・・・・ かと思うと、今日も昨日も日中はまた暑くなったり.
 ただし湿度が低いせいか、風がとても爽やかで、本当に秋晴れと言った感じです.



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 これは 29 日の夕方の風景.
 まわりの水田も、まだまだ緑色ですが数週間後には黄金色に変わっていきます.

 季節はすっかり秋ですね.



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 最近のお買い物.
 オークションで 3 枚、久しぶりに HMV で 3 枚.
 かなりマニアックなアルバムが並んでいますが、 Blue Note に関しては抜けてるところを埋めていく感じで購入してます.
 実はもう一枚、先日紹介した "Evolution / Grachan Moncur III" もありました.


 この HMV での購入分は、こんなに早く届く予定ではありませんでした.
 注文時 「お取り寄せ 通常ご注文後 8-15 日以内に入荷予定」 とあったアルバムを 1 枚入れてまとめ買いの割引を利用.
 今までですと、大体この記載があるものはほとんど入荷しないか、入荷まで一か月くらい平気でかかっています.
 だからもし手に入らなくても他の 2 枚の割引はきくし、支払いも一か月以上先の話だとタカをくくっていました.

 ところが、なんと予想より早くの入荷.
 早く来るのはいいんですが、支払いがねぇ ・・・・・・・・・・

 ご利用は計画的に ! で、数か月後の支払いつもりだったのに ・・・・・・・・

 来月が心配です (涙)





 先日 Rudy Van Gelder Studio のことを書きましたが、その数日後の 8 月 25 日 Rudy Van Gelder 氏がお亡くなりになりました.

 享年 91 歳.



RVG001

 年齢が年齢ですのでいつかはみんなこの日を迎えなければなりませんが、何か一つの時代が終わった感じがします.


 写真家の フランシス・ウルフ が 1971 年 3 月 8 日、
 Blue Note の創立者 アルフレッド・ライオン が 1987 年 2 月 2 日、
 デザイナーの リード・マイルス が 1993 年 2 月 2 日に没.


 そして、とうとう最後の一人も天に召されました.


 彼は Blue Note だけではなく、多くのメジャー・レーベルの録音を行っています.
 名盤のほとんどが彼の手によって ・・・・・・・ というのは言い過ぎですが、かなりの名盤が彼の手で作り出されたと言っても決して過言ではないでしょう.




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 ( → Francis Wolff , Alfred Lion , Reid Miles )


 今日のアルバムも ハッケンサック のスタジオで録音されたアルバム.
 先日も 小川隆夫 氏が 「 1956 年の名盤・名演を聴く」 というイベントを 横浜 ちぐさ で行っていました.
 やっぱりこの時代、有名無名にかかわらず聴いてみるととてもいい演奏が多いのです.
 ミュージシャンたちも充実していたんだろうな、きっと.


 ちなみに今日のアルバムは 1957 年の録音です.
 名盤と呼ばれることはないかもしれませんが、ステキなジャム・セッションなのです.






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  " Cliff Jordan (BLP-1565) " 






  1. Not Guilty
          (Cliff Jordan) ・・・・・ 11:43
  2. St. John
          (John Jenkins) ・・・・・ 8:18
  3. Blue Shoes
          (Curtis Fuller) ・・・・・ 9:38
  4. Beyond the Blue Horizon
          (W.F.Harling-L.Robin-R.A.Whiting) ・・・・・ 6:59
  5. Ju-Ba
          (Lee Morgan) ・・・・・ 3:55





  Lee Morgan (tp: # 2, 4 & 5), Curtis Fuller (tb: # 1-4),
  John Jenkins (as), Cliff Jordan (ts), Ray Bryant (p),
  Paul Chambers (b), Art Taylor (ds)
  Recorded at RVG Studio in Hackensack, NJ, June 2, 1957.







 少し前まで、このアルバムのような ハード・バップ の演奏が何となく聴く気になれなかったのですが、最近になってまた聴く気になってきました.

 聴いてみるととてもいいんだけれどねぇ ・・・・・・・・




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 メンバーは 7 名ですが、セプテットでの演奏は 2 曲目と 4 曲目だけです. 
 クリフォード・ジョーダン は、この年 Blue Note で 3 枚のリーダー・アルバムを残しました.
 その 1 作目が "Blowing in from Chicago (BLP-1549)".

 今日のアルバムは彼にとって 2 作目のアルバムですが、前作のようなバリバリのハード・バップという雰囲気とは違い、もっとゆったりとしたジャム・セッションの雰囲気です.
 
 1 曲目はちょっとゆったり目のテンポで 11 分にも及ぶ長い演奏なのですが、ボクはそんなにいいとは思わない.
 いい雰囲気は伝わってくるんだけれど、なにかハッキリしない感じなんだなぁ

 それに引き換え、 3 曲目の "Blue Shoes" はいいなぁ.
 まずは、こういうマイナーな曲に絶対弱いんです.
 そして最初の カーティス・フラー のソロからとってもゴキゲン.
 最後の レイ・ブライアント のソロまで、みんないいんだな.

 この曲、聴いていたら何か雰囲気が違う ・・・・・・・・
 この曲だけモノラル録音でした.



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 ここでの注目は ジョン・ジェンキンス .
 (この人の写真は本当に少ないので、以前使ったものです)

 クリフォード・ジョーダン と ジョン・ギルモア 、 ジョン・ジェンキンス の 3 人は シカゴ の 「デュ・セイブル高校」 の同級生.
 高校の先輩には ジョニー・グリフィン がいて、 クリフォード・ジョーダン を Blue Note に推薦したのが彼でした.
 さらに ジョン・ジェンキンス を紹介したのが クリフォード・ジョーダン .



 ジョン・ジェンキンス の最初の Blue Note 録音は、このアルバムより一か月前に吹き込まれた "Hank / Hank Mobley (BLP-1560)" .
 そしてこのアルバムを吹き込み、さらに二か月後にはリーダー作 "John Jenkins with Kenny Burrell (BLP-1573)" を吹き込んでいます.
 同時期に他のレーベルへの吹込みもあり、前途洋々と言った感じだったのですが、あっという間にどこかに消えちゃいました.

 まぁこの時代のジャズ・ミュージシャンにはよくあるお話でした.



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 最初にも写真載せましたが、ずっと探していた "Cliff Craft (BLP-1582)" をようやくオークションでゲット.
 おまけに紙ジャケット、未開封のものでした.

 ボクは輸入盤でも、普通の CD でも全く気にしませんが、たまたま今回安かったのがこれだったということ.


 クリフォード・ジョーダン は 1931 年 9 月 21 日 シカゴ 生まれ、 1993 年 3 月 27 日肺癌のため 61 歳で亡くなっています.


 クリフォード・ジョーダン の印象は、ジャズ屋で意識して聴き始めたアルバムが "In The World" だったせいか、このアルバムのような Blue Note 時代の ハード・バップ スタイルのアルバムよりも、もう少し後期のモーダルな演奏のほうが印象深い.

 そういえば "Remembering Me-Me" 何て言うアナログ盤も昔購入していたこと思い出しました.
 どんな演奏だったか覚えていませんが、何となく気に入って聴いていた記憶があります.



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 もう少し評価が高くてもいいような感じ.
 リーダー作品も 30 以上ありますし、サイドメンとしても多くのアルバムに参加しています.

 もっと Blue Note に作品を残してほしかった一人です.



  ・ ・ ・ ・ ・ ・




 さて 8 月の映画鑑賞ですが、ちょっと頑張って 15 本.


  クローバーフィールド / HAKAISHA 、
  パトリオット 、 バクマン。 、
  ターミネーター:新起動 / ジェニシス 、
  メイズ・ランナー 2 :砂漠の迷宮 、
  恋する惑星 、 アンストッパブル 、
  シン・ゴジラ 、 グローリー / 明日への行進 、
  スターリングラード 、 寄生獣 、
  寄生獣 完結編 、 ギャラクシー・クエスト 、
  わたしに会うまでの 1600 キロ 、
  キャロル



 いつものようにバラエティに富んでします.
 微妙に楽しめたのが "バクマン。" 、結構笑えました.




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 "シン・ゴジラ" や "グローリー / 明日への行進" もとてもよかったのですが、やっぱりこれかな.

 この映画、エンディングで決まりって感じなのです (笑)

 ただいま原作を読んでいる途中なのですが、映画と設定が大きく違っておりビックリ.
 まだ途中なのですが、映画の設定のほうがボクにはしっくりくる部分が多いのです.



  ・ ・ ・ ・ ・ ・

CAROL

  ・ ・ ・ ・ ・ ・




 昨夜はお仕事関係の飲み会.
 会場は夜景が一望できるステキな場所だったのですが、あいにくの霧で何にも見えませんでした (涙)

 まぁ普段なかなか話すことのない方たちとの年一回の懇親会ですので、それなりに話が弾んで閉店まで.
 ただ話の内容がどうも仕事中心になってしまって ・・・・・・・・





 さて、土曜日届いたばかりの Blu-ray です.
 これは アヴェンジャーズ 補完計画 前に予約してあったものです.

 映画館で観たかったのですが、この手の映画は絶対に地方にやってこない.
 仕方なくの Blu-ray 予約でしたが、それにしても公開から約半年で Blu-ray 発売ってうれしいような ・・・・・・・



 土曜日の午後、お出かけ前に早速鑑賞してみました.





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  " キャロル "





  監督 : トッド・ヘインズ
  脚本 : フィリス・ナジー
  原作 : パトリシア・ハイスミス "The Price of Salt"
  製作 : エリザベス・カールセン 、 スティーヴン・ウーリー 、
       クリスティン・ヴェイコン
  製作総指揮 :
       テッサ・ロス
  原題 : "CAROL"
  出演 : ケイト・ブランシェット (キャロル・エアード)
       ルーニー・マーラ (テレーズ・ベリベット)
       サラ・ポールソン (アビー・ゲルハルト)
       カイル・チャンドラー (ハージ・エアード)
       ジェイク・レイシー (リチャード)
       コーリー・マイケル・スミス (セールスマン)
       ジョン・マガロ (ダニー)
       キャリー・ブラウンスタイン (ジュヌヴィエーヴ・キャントレル)
  音楽 : カーター・バーウェル
  撮影 : エドワード・ラックマン
  編集 : アフォンソ・ゴンサウヴェス
  配給 : ファントム・フィルム
  日本公開 : 2016 年 2 月 11 日
  上映時間 : 118 分







 結論から言うと、ボクはこの映画好きです !!

 とにかくエンディングがとてもいい ・・・・・・・
 このエンディングは、この先どうなるかわからないけれど大好きです.




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 この原作を書いた パトリシア・ハイスミス 、とてもきれいな女性ですね.
 ただし、視線がちょっとヤバイ ・・・・・・・ 彼女が精神科 (と言っても統合失調症などではなく、その当時同性愛に起因した事件を起こしたための通院だったようです) に通院している頃の写真.


 彼女の作品で有名なのは 「太陽がいっぱい」 や 「見知らぬ乗客」 といった、映画化された作品です.
 どちらかというとサスペンス小説作家と見られがち.

 この 「キャロル (The Price of Salt) 」 は彼女自身の実体験をもとに描かれています.
 ただこの当時同性愛は反社会的ともみられていた時代だったせいか、作品発表時の作者名は クレア・モーガン になっていました.
 同性愛ゆえの親権はく奪の部分も実体験に基づいているようです.

 約 30 年後に突然 「この作品を書いたのは私でした」 とカミングアウト.
 現在は書籍も パトリシア・ハイスミス 名で販売されているようです.

 死後、彼女の日記から少女時代から女性しか愛せなかったことが分かったようです.




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 アカデミー賞 では 6 部門でノミネートされたものの、残念ながら受賞はありませんでした.
 このあたりは保守的な会員たちが多いので、こういった同性愛を描いた作品は賞獲りには厳しいというのが一般的に言われています.


 女優二人の演技も素晴らしいし、映像もとてもいい.
 おまけに時代考証に基づいた細部の表現もすごくいい.
 映画として、本当にいいと思うんですが ・・・・・・


 同じ同性愛を描いた映画に "ブロークバック・マウンテン" があります.
 この "ブロークバック・マウンテン" もすごくいい映画で、 作品賞 に有力視されていましたが結果的には "クラッシュ" に獲られちゃいました.


 "クラッシュ" よりは "ブロークバック・マウンテン" のほうが、ボクはいいと思うんだけれどね.




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 さてこの "キャロル" 、まず感心するのはその色調.
 1950 年代にハリウッド映画で使われていた テクニカラー という撮影技術を再現しているようです.
 特に印象的な赤の使い方がすごくいいんだな.

 オープニングのテロップでも、一枚ごとに微妙に色を変えてあったりして.
 このテロップ、大文字のゴシック ・・・・・ っぽい字体が何か不思議な感じ.

 エンディングも同じ字体で、普通は文字色は白なんだけれどこれに色がついている.
 これってとても違和感あります.

 でも、とてもきれいなエンディング曲とともに流れるこのテロップ ・・・・・・・
 エンディングの余韻とともに、本当に不思議な感じなんだなぁ.



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 キャロル 役の ケイト・ブランシェット .

 数多くいる 大好きな女優さん の一人です.
 この映画の好きな部分の一つが、彼女の演技 ・・・・・・・ 彼女の視線です.

 この目力は半端ないなぁ.
 彼女の視線にさらされると、なにか心の中をみんな覗かれているような印象なのです.
 顔は笑っていても目がコワイ (笑)

 口や鼻も大きく結構きつめの顔なのですが、表情がねぇ ・・・・・・・
 こんな女性に見つめられたら、間違いなくすべてを捨ててでも堕ちちゃいます.



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 テレーズ 役の ルーニー・マーラ .
 この テレーズ は パトリシア・ハイスミス 自身のことです.

 ルーニー・マーラ についての今までの印象は、痩せっぽちで神経質、ちょっと精神的にも病んでいるような役がピッタリだと思っていました.
 今回この映画で、改めて彼女のステキな部分を再認識 ・・・・・ いやいや、キレイさを再発見という感じかな.


 この映画での彼女は本当に魅力的で美しい.
 冒頭の部分、肩にかかる キャロル の手に向ける目線の動かし方なんかも、ものすごく感情が伝わってくるのです.

 この映画では アカデミー助演女優賞 にノミネートされましたが、ボクは 主演女優賞 でも全く問題なかったと思っています.
 まぁタイトルも "CAROL" だから仕方ないと言えば ・・・・・・・




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 キャロル から テレーズ へのプレゼントとしてカメラが贈られました.
 そのカメラというのが キヤノン IIIa というカメラ.

 調べてみたら 1951 年 12 月に発売されたモデルで、その当時の キヤノン のフラッグシップ機だったようです.
 カメラの歴史などあまり興味がなかったので、映画の画面に キヤノン のカメラが出てきたことだけでもちょっとビックリ.

 戦後、まだ 10 年も経っていないのに アメリカ で 日本 のカメラが堂々と売られていたとはねぇ.




C3

 ちなみに上のポスターで テレーズ が持っている黒いカメラは、 Argus 社から発売された C3 というカメラ.

 このカメラも、当時比較的買い易い価格のためか人気のあったカメラのようです.

 1960 年代まで販売され、かなり売れたカメラですので、まだまだ中古カメラでかなり出回っています.
 程度にもよりますが 1,000 円くらいで買えるものもかなりありました.
 ただ映画の効果で同じモデルの値段が急騰したりして ・・・・・・・ 1,000 円だったらボクでも欲しいと思うくらいですからね.



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 映画の中で テレーズ が "Easy Living" のフレーズをピアノで弾きます.
 そして キャロル に Billie Holiday のアルバムをプレゼント.


 この映画にはジャズが結構使われています.
 予告編では "No Other Love / Jo Stafford" も効果的に使われていました.

 時代を考えると、ポピュラーと同じような感覚でジャズも聴かれていたんじゃないのかな.



  Easy Living / Billie Holiday
  No Other Love / Jo Stafford
  Why Don't You Believe Me / Pattie Page
  Mullenium / Gerry Mulligan
  Farmer's Market / Annie Ross
  Perdido / Woody Herman





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 この映画、いろいろなところに破滅的な要素がたくさんあります.
 だから見ているほうは結構ハラハラ、ドキドキ ・・・・・・・
 とても不安定な部分がたくさんなんです.

 そういう意味では、サスペンス映画なのかもしれません (笑)



 だからこそあのエンディングが際立っていいんだな.
 余韻に浸りながらエンディング・テロップをぼんやり観ることのできる、秀作です.



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● プロフィール ●

la_belle_epoque

 ジャズ・アルバムの紹介を中心に始めたブログでしたので、こんなタイトル付けていますが、最近では完全に写真やカメラの話題が中心になっています.

 最近になって 沼 という場所にハマっていることに気が付き、脱出のためもがき苦しんでいます。
 金銭感覚も社会通念上の常識とはどんどん離れていってるようですが・・・・・・

 いつもおいでいただく皆様に、感謝です。

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