Easy_Living

CAROL

  ・ ・ ・ ・ ・ ・




 昨夜はお仕事関係の飲み会.
 会場は夜景が一望できるステキな場所だったのですが、あいにくの霧で何にも見えませんでした (涙)

 まぁ普段なかなか話すことのない方たちとの年一回の懇親会ですので、それなりに話が弾んで閉店まで.
 ただ話の内容がどうも仕事中心になってしまって ・・・・・・・・





 さて、土曜日届いたばかりの Blu-ray です.
 これは アヴェンジャーズ 補完計画 前に予約してあったものです.

 映画館で観たかったのですが、この手の映画は絶対に地方にやってこない.
 仕方なくの Blu-ray 予約でしたが、それにしても公開から約半年で Blu-ray 発売ってうれしいような ・・・・・・・



 土曜日の午後、お出かけ前に早速鑑賞してみました.





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  " キャロル "





  監督 : トッド・ヘインズ
  脚本 : フィリス・ナジー
  原作 : パトリシア・ハイスミス "The Price of Salt"
  製作 : エリザベス・カールセン 、 スティーヴン・ウーリー 、
       クリスティン・ヴェイコン
  製作総指揮 :
       テッサ・ロス
  原題 : "CAROL"
  出演 : ケイト・ブランシェット (キャロル・エアード)
       ルーニー・マーラ (テレーズ・ベリベット)
       サラ・ポールソン (アビー・ゲルハルト)
       カイル・チャンドラー (ハージ・エアード)
       ジェイク・レイシー (リチャード)
       コーリー・マイケル・スミス (セールスマン)
       ジョン・マガロ (ダニー)
       キャリー・ブラウンスタイン (ジュヌヴィエーヴ・キャントレル)
  音楽 : カーター・バーウェル
  撮影 : エドワード・ラックマン
  編集 : アフォンソ・ゴンサウヴェス
  配給 : ファントム・フィルム
  日本公開 : 2016 年 2 月 11 日
  上映時間 : 118 分







 結論から言うと、ボクはこの映画好きです !!

 とにかくエンディングがとてもいい ・・・・・・・
 このエンディングは、この先どうなるかわからないけれど大好きです.




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 この原作を書いた パトリシア・ハイスミス 、とてもきれいな女性ですね.
 ただし、視線がちょっとヤバイ ・・・・・・・ 彼女が精神科 (と言っても統合失調症などではなく、その当時同性愛に起因した事件を起こしたための通院だったようです) に通院している頃の写真.


 彼女の作品で有名なのは 「太陽がいっぱい」 や 「見知らぬ乗客」 といった、映画化された作品です.
 どちらかというとサスペンス小説作家と見られがち.

 この 「キャロル (The Price of Salt) 」 は彼女自身の実体験をもとに描かれています.
 ただこの当時同性愛は反社会的ともみられていた時代だったせいか、作品発表時の作者名は クレア・モーガン になっていました.
 同性愛ゆえの親権はく奪の部分も実体験に基づいているようです.

 約 30 年後に突然 「この作品を書いたのは私でした」 とカミングアウト.
 現在は書籍も パトリシア・ハイスミス 名で販売されているようです.

 死後、彼女の日記から少女時代から女性しか愛せなかったことが分かったようです.




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 アカデミー賞 では 6 部門でノミネートされたものの、残念ながら受賞はありませんでした.
 このあたりは保守的な会員たちが多いので、こういった同性愛を描いた作品は賞獲りには厳しいというのが一般的に言われています.


 女優二人の演技も素晴らしいし、映像もとてもいい.
 おまけに時代考証に基づいた細部の表現もすごくいい.
 映画として、本当にいいと思うんですが ・・・・・・


 同じ同性愛を描いた映画に "ブロークバック・マウンテン" があります.
 この "ブロークバック・マウンテン" もすごくいい映画で、 作品賞 に有力視されていましたが結果的には "クラッシュ" に獲られちゃいました.


 "クラッシュ" よりは "ブロークバック・マウンテン" のほうが、ボクはいいと思うんだけれどね.




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 さてこの "キャロル" 、まず感心するのはその色調.
 1950 年代にハリウッド映画で使われていた テクニカラー という撮影技術を再現しているようです.
 特に印象的な赤の使い方がすごくいいんだな.

 オープニングのテロップでも、一枚ごとに微妙に色を変えてあったりして.
 このテロップ、大文字のゴシック ・・・・・ っぽい字体が何か不思議な感じ.

 エンディングも同じ字体で、普通は文字色は白なんだけれどこれに色がついている.
 これってとても違和感あります.

 でも、とてもきれいなエンディング曲とともに流れるこのテロップ ・・・・・・・
 エンディングの余韻とともに、本当に不思議な感じなんだなぁ.



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 キャロル 役の ケイト・ブランシェット .

 数多くいる 大好きな女優さん の一人です.
 この映画の好きな部分の一つが、彼女の演技 ・・・・・・・ 彼女の視線です.

 この目力は半端ないなぁ.
 彼女の視線にさらされると、なにか心の中をみんな覗かれているような印象なのです.
 顔は笑っていても目がコワイ (笑)

 口や鼻も大きく結構きつめの顔なのですが、表情がねぇ ・・・・・・・
 こんな女性に見つめられたら、間違いなくすべてを捨ててでも堕ちちゃいます.



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 テレーズ 役の ルーニー・マーラ .
 この テレーズ は パトリシア・ハイスミス 自身のことです.

 ルーニー・マーラ についての今までの印象は、痩せっぽちで神経質、ちょっと精神的にも病んでいるような役がピッタリだと思っていました.
 今回この映画で、改めて彼女のステキな部分を再認識 ・・・・・ いやいや、キレイさを再発見という感じかな.


 この映画での彼女は本当に魅力的で美しい.
 冒頭の部分、肩にかかる キャロル の手に向ける目線の動かし方なんかも、ものすごく感情が伝わってくるのです.

 この映画では アカデミー助演女優賞 にノミネートされましたが、ボクは 主演女優賞 でも全く問題なかったと思っています.
 まぁタイトルも "CAROL" だから仕方ないと言えば ・・・・・・・




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 キャロル から テレーズ へのプレゼントとしてカメラが贈られました.
 そのカメラというのが キヤノン IIIa というカメラ.

 調べてみたら 1951 年 12 月に発売されたモデルで、その当時の キヤノン のフラッグシップ機だったようです.
 カメラの歴史などあまり興味がなかったので、映画の画面に キヤノン のカメラが出てきたことだけでもちょっとビックリ.

 戦後、まだ 10 年も経っていないのに アメリカ で 日本 のカメラが堂々と売られていたとはねぇ.




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 ちなみに上のポスターで テレーズ が持っている黒いカメラは、 Argus 社から発売された C3 というカメラ.

 このカメラも、当時比較的買い易い価格のためか人気のあったカメラのようです.

 1960 年代まで販売され、かなり売れたカメラですので、まだまだ中古カメラでかなり出回っています.
 程度にもよりますが 1,000 円くらいで買えるものもかなりありました.
 ただ映画の効果で同じモデルの値段が急騰したりして ・・・・・・・ 1,000 円だったらボクでも欲しいと思うくらいですからね.



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 映画の中で テレーズ が "Easy Living" のフレーズをピアノで弾きます.
 そして キャロル に Billie Holiday のアルバムをプレゼント.


 この映画にはジャズが結構使われています.
 予告編では "No Other Love / Jo Stafford" も効果的に使われていました.

 時代を考えると、ポピュラーと同じような感覚でジャズも聴かれていたんじゃないのかな.



  Easy Living / Billie Holiday
  No Other Love / Jo Stafford
  Why Don't You Believe Me / Pattie Page
  Mullenium / Gerry Mulligan
  Farmer's Market / Annie Ross
  Perdido / Woody Herman





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 この映画、いろいろなところに破滅的な要素がたくさんあります.
 だから見ているほうは結構ハラハラ、ドキドキ ・・・・・・・
 とても不安定な部分がたくさんなんです.

 そういう意味では、サスペンス映画なのかもしれません (笑)



 だからこそあのエンディングが際立っていいんだな.
 余韻に浸りながらエンディング・テロップをぼんやり観ることのできる、秀作です.



  ・ ・ ・ ・ ・ ・

Easy Living

  ・ ・ ・ ・ ・ ・



 連日の猛暑日 ・・・・・・・・

 職場ではエアコン効かせて、家では早めに寝室に飛び込みエアコン.
 これじゃぁねぇ ・・・・・・・ 本当に身体に悪い.



 おまけに夕方になると夕立 & 雷.


 昨日はそんな雷を写真に収めようと数百枚撮ったのですが、見事に全滅.



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 仕方がないので、 2 年前に取った写真を掲載しておきます.
 サムネではわかり辛いのですが、一応稲妻を捉えている写真.


 今日こそと思って帰ってきたんだけれど、幸いにも今日は夕立ありませんでした.



  ・ ・ ・ ・ ・ ・



 さて、最近はあまりにジャズの話題とはかけ離れて脱線しまくりでしたので、今日は心を入れ替えきちんとジャズ・アルバムを.
 それも正統派の Blue Note なのです.



 ただ日本ではどうも評価が今一つな感じのミュージシャンなのです.
 今はそんなでもないと思うのですが、ボクがジャズを聴き始めた頃なんて、ほとんどリクエストされないミュージシャンの一人.





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  " Easy Living / Ike Quebec "





  1. See See Rider
          (M.Rainey-L.Arant) ・・・・・ 8:59
  2. Congo Lament
          (Bennie Green) ・・・・・ 6:50
  3. Que's Pills
          (Stanley Turrentine) ・・・・・ 5:37
  4. I've Got a Crush on You
          (I.Gershwin-G.Gershwin) ・・・・・ 6:49
  5. Nancy (With the Laughing Face)
          (P.Silvers-J.V.Heusen) ・・・・・ 7:22
  6. Easy Living
          (L.Robin-R.Rainger) ・・・・・ 5:00
  7. B.G.'s Groove Two
          (Bennie Green) ・・・・・ 6:10
  8. I.Q. Shuffle
          (Ike Quebec) ・・・・・ 9:42





  Ike Quebec (ts), Bennie Green (#1-3, 7, 8: tb),
  Stanley Turrentine (#1-3, 7, 8: ts), Sonny Clark (p),
  Milt Hinton (b), Art Blakey (ds)
  Recorded at RVG Studio, Englewood Cliffs, January 20, 1962.








 このアルバムですが、 Blue Note では時々みかける、カタログには載ったもののリリースされずにお蔵入りしていたアルバムの一枚です.
 1980 年代になってようやく日の目を見ました.


 その後 CD 発売などされたもののずっと手に入れることができず、昨年 6 月の再販時にようやく購入したものです.
 これを購入した頃って、結構無理して Blue Note の 4100 番台は片っ端から購入していた頃でした.
 ただ、このアルバムに関してはピアノの ソニー・クラーク がとても興味あったので即クリック.



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 有名な "See See Rider" からこのアルバムは始まります.
 が、この演奏がとても脱力系の演奏なのです.
 かなり期待して購入しただけに、最初この曲聴いた時は思いっきり力が抜けました (笑) 


 この曲は12小節のコテコテのブルースで、 1924 年に Gertrude "Ma" Rainey によって最初のレコーディングが行なわれました.
 エルヴィス をはじめ多くのミュージシャンがカバーしている、とても有名な曲です.



 4 曲目から 6 曲目までの 3 曲がカルテットでの演奏で、残りの 5 曲は タレンタイン と グリーン が加わったセクステットでの演奏.
 7 曲目の "B.G.'sGroove Two" と 8 曲目の "I.Q. Shuffle" は今回の再販に伴うボーナス・トラック.


 ソニー・クラーク がピアノだったので即購入ということを書きましたが、ここでの演奏は正直アメイジングとは言い難いのです.
 それでも "I've Got a Crush on You" でのしっとりした演奏を聴いていると ・・・・・・・ 曲名じゃないけれどやっぱり 「首ったけ」 って感じなのです.



Ike Quebec_Photo 01

 ボーナス・トラックを含めたセクステットでのホーン・アンサンブルも聴き応えありますが、ボクはやっぱりアナログ盤で言うところの B 面にあたる 4 曲目から 6 曲目のような演奏が好きです.


 いかにも アイク・ケベック らしいと言えばらしい.
 アイク・ケベック が苦手な人は、きっといつもこんな演奏という感じでダメなのでしょうか.

 独特の音を引っ張る感じが好き嫌いの分かれ道かな.
 このあたりが、ある意味でちょっと古い感じの演奏とも言えるんだけれど.



 5 曲目の "Nancy (With the Laughing Face)" は、 Jimmy Van Heusen が作曲.
 この Jimmy Van Heusen は、 ビング・クロスビー や フランク・シナトラ とは大の仲良しで、彼らのために何曲も書いています.
 そんな フランク・シナトラ の娘 ナンシー・シナトラ のために書かれた曲がこの曲.



Ike Quebec002

 いかにもいい人、って感じですね.

 彼は 40 年代から Blue Note への吹き込みがあり、演奏だけではなく他の部分で、Blue Note に大きく貢献したというのも有名な話です.
 いろいろな新人ミュージシャンを紹介したり、 RVG スタジオまでミュージシャンを載せて送る運転手までしていたことも有名なお話しですね.


 もっともっと評価が高くてもいいと思うんだけれどなぁ.



  ・ ・ ・ ・ ・ ・



 最後にちょこっと映画のお話し.


 今夜 WOWOW オンデマンド で "サベージ・キラー" という映画を観たんだな.
 まぁこの映画、超 B 級スプラッターでグロさも満杯って感じなんだけれど、不思議といい感じのするところもあったりして、とても微妙な映画だった.



savaged001

 主役の アマンダ・エイドリアン 、とってもキレイな人なのですが、後半は写真のようにドンドンすごいことになっていきます.
 まぁ万人受けする映画ではないので、あまりお勧めできないのですが (笑)



 エンディング曲がちょっと Evanescence ぽくて、映画とは全然違う雰囲気.
 ちょっと調べてみたら Nocture というグループで、ヴォーカルは Mandy Suiter .
 曲名は "Caged" .

 いや〜っ、この曲とても透明感があって、ちょっとゴシックっぽい感じでステキな曲でした.



 最後の写真はビックリですが、夏はこんな怖い写真もいいかな (笑)



  ・ ・ ・ ・ ・ ・
● プロフィール ●

la_belle_epoque

 ジャズ・アルバムの紹介を中心に始めたブログでしたので、こんなタイトル付けていますが、最近では完全に写真やカメラの話題が中心になっています.

 最近になって 沼 という場所にハマっていることに気が付き、脱出のためもがき苦しんでいます。
 金銭感覚も社会通念上の常識とはどんどん離れていってるようですが・・・・・・

 いつもおいでいただく皆様に、感謝です。

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