少し前に、 "ALWAYS 三丁目の夕日 '64" を観ました.
 この映画も色々な評価がありますけど、ボクはそれなりに楽しかったですね.




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 古き良き時代 ・・・・・ まるでボクの HN そのものですが ・・・・・・ そんな日本の 1 ページを、人情味あふれるストーリーで魅せてくれます.
 多少、お涙ちょうだい的なストーリーではありますが、わかっていてもつい感動しちゃうんですよね.
 景色こそ違いますが、映画の中のワンシーンと同じように、遠い昔に体験したことのあるような経験が蘇ってきます.
 今ほど物に満たされてはいなかったんだけれど、なにか今より満たされていたような記憶があります.

 この映画の中では、やっぱり "六ちゃん" ・・・・・・ この 堀北真希 いいですねぇ.


 そしてあのテーマ曲 ・・・・・・ あのテーマ曲が流れただけで、 夕日町三丁目 の風景が広がっちゃうんですよね、うるうる.

 こういうコテコテの人情味あふれる映画が、一本くらいあったっていいじゃないですか.
 この映画に関しては、また書く機会があれば ・・・・・・・・ .






 そんな "ALWAYS 三丁目の夕日 '64" の舞台となった 1964 年.
 映画でも幾度となく登場した 東京オリンピック の年ですね.
 そしてこの年の 7 月、ジャズの巨人が来日しました.







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   " Miles in Tokyo / Miles Davis "




 
   1. Introduction By Teruo Isono ・・・・ 1:10
   2. If I Were A Bell
            (F.Loesser) ・・・・ 10:14
   3. My Funny Valentine 
            (R.Rodgers-L.Hart) ・・・・ 12:45
   4. So What 
            (M.Davis) ・・・・ 8:02
   5. Walkin' 
            (R.Carpenter) ・・・・ 9:11
   6. All Of You 
            (C.Porter) ・・・・ 11:18
   7. Go-Go (Theme And Announcement) ・・・・1:19





   Miles Davis (tp), Sam Rivers (ts), Herbie Hancock (p),
   Ron Carter (b), Tony Williams (ds)
   Recorded Live at Kohseinenkin Hall, Tokyo, July 14, 1964.





 このアルバムも賛否両論 ・・・・・・ どちらかというと 否 のほうが多いかもしれません.
 その話題の中心となるのが、 Sam Rivers です.
 ボクも彼のテナーがダメなので、当然このアルバムに関しても完全なる 否 !

 でしたが、幾度となく聴いていくうちに ・・・・・・・ どうなの?
 そんなに悪くはないかな、確かに Sam Rivers の演奏は好みじゃないけれど ・・・・・・.



 
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 演奏された曲も、まだスタンダードを中心にしたお馴染みの選曲です.
 "So What" が始まった時の歓声 ・・・・・・ わかるなぁ.
 きっと、昨年の東京ドーム Eagles 公演でボクが体験したような ・・・・・・・・ あの "Hotel California" のイントロが流れた出したような感じなんだろうな、 「待ってましたっ」 って感じ.
 
 それだけにその後の Miles の荒々しいソロや、 Sam Rivers のフリーキーなソロを聴いて唖然としたんじゃないでしょうか (笑) .



 アルバムとして重要なアルバムであることは、きっとみんながその通りと言うでしょうか.
 Geoge Coleman が抜け、その代わりに Sam Rivers が加入し日本公演の後すぐに脱退し、 Wayne Shorter が代わりに入り "黄金のクインテット" が完成します.
 結果的に Sam Rivers がこのグループに在籍したのは、日本公演までの約一カ月.
 ただこの一カ月というのは最初からわかっていたようなことが "マイルス・デイヴィスの真実 (小川隆夫 著)" にも書かれています. 
 その短期間に残された演奏が、唯一この日本公演の演奏ですので.



 1964 年 7 月、 Miles グループは初来日し、
   7 月 10 日 名古屋市公会堂
   7 月 11 日 大阪フェスティバル・ホール
   7 月 12 日 東京 日比谷公会堂
   7 月 13 日 大阪フェスティバル・ホール
   7 月 14 日 東京 厚生年金会館 
   7 月 15 日 京都 円山公園野外音楽堂
と、超過密スケジュールをこなしました.

 このアルバムは 厚生年金会館 での演奏が収められていますが、後年 "The Unissued Japanese Concerts 1964" というアルバムに、 12 日の 日比谷公会堂 、さらには千秋楽 15 日の 京都 円山公園野外音楽堂 でのステージの模様が収録されています.
 特に 15 日雨の中での 京都 円山公園野外音楽堂 のステージは、日本での最高のステージとも言われています.
 このアルバムは、いつか手にしてみようかと思っています.


 相変わらず Miles の演奏は、キレのある演奏で、いつものように緊張感ありあり.
 それにも増して、 Tony Williams のドラムがこれまた凄いですね.


 Miles グループの中で George Coleman のテナーはちょっと古いスタイルだったし、逆に Sam のテナーは、二歩も三歩も先を行きすぎていたのかもしれません.
 でもボクは、 George の演奏が結構好きでした、ちょうどそんな演奏が同じ年に吹き込まれています.
 奇しくもこの年、スタイルの違った三人のテナー奏者が、 Miles グループでのライブを行い、それぞれレコード (CD) になっています. 
 この辺りの聴き比べも、結構楽しいものがあります. 
 そして翌年、あの "Plugged Nickel" を最後に、スタンダード中心のお馴染みの演奏から決別していくのでした.




 東京オリンピック ムード一色、高度経済成長まっただ中の日本を、 Miles はどんなふうに感じたのでしょうか.
 "三丁目の夕日" のようなホンワカした日本は、そこにはなかったのかもしれませんね.