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 今日もまた "Just One of Those Things" の入ったアルバムを紹介.
 その前に "ライ麦畑" のことをちょっと書いておきます.


 ちなみにこの原題が "The Catcher In The Rye" 、一般的な邦題として "ライ麦畑でつかまえて" と呼ばれています.
 しかし 村上春樹 訳ではあえて原題の英語表記.

 ボクも読んだ感想として、いままで当たり前と思っていた "ライ麦畑でつかまえて" という邦題にちょっと違和感感じるようになったので、ここでは "ライ麦畑" にしておきます.

 ただ違和感はあるものの "ライ麦畑でつかまえて" という邦題はとてもいい題だと今でも思っています.




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 "フラニーとズーイ" で結構手こずったので、長い間 積読 されていました.
 ところがいざ読み始めると、思っていたよりも全然読みやすくてビックリ.
 ボク自身老人の皮をかぶった子供みたいなものだから、 ホールデン・コールフィールド の口から語られる話がとてもストレートに入ってきて、ちょっとそんな気持ちがわかったり.

 この本の内容はそれこそいろいろなところに、いろいろな意見が書かれていますので、ボクは超変態的な部分を.

  以前にも "大工よ、屋根の梁を高く上げよ シーモア:序章" の中でみんなにふるまわれる飲み物として トム・コリンズ が出てくることを書きましたが、この "ライ麦畑" にも実は出ていたんですね.


 ホールデン がホテルのナイトクラブ "ラベンダー・ルーム" で女性三人とダンスする場面で、鈍くさい二人の女の子が飲んでいたのが トム・コリンズ .
 でも ホールデン は冬の季節に トム・コリンズ を飲むことに対して 「やれやれ、わかっちゃいない ・・・・」


 そうなのか、一つ勉強になったなぁ.
 ボクもその わかっちゃいない 一人です.

 まぁどうでもいい、かなり トリビアチックなことですが.




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 それと気になったのは ハンチング帽 .


 彼の一つの代名詞ともいえる 赤いハンティング帽 ・・・・・・・
 読んだ時に ハンチング のイメージが、あの薄い感じの帽子を思い浮かべちゃったのでどうもピンとこなかった.
 まぁ一般的に言われている ハンチング というんじゃなく、耳あての付いたキャップのことなんだろうな.



 どんなに背伸びしたって、この帽子だけでも子供っぽい印象受けちゃうな.

 結構面白く読ませてもらった "ライ麦畑" でした




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 今日のアルバムはヴォーカルではなくインストです.
 それもバリバリのハードバップで、 Blue Note が一番 Blue Note らしかった頃だったとボクが思っている時代のアルバムです.

 そして今日のアルバムの主人公のメジャー・デビューはなんと 18 歳.
 天才の名を欲しいままにしていましたが、果たして ホールデン・コールフィールド のように鬱屈していたのでしょうか ・・・・・・






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  " The Cooker / Lee Morgan "





  1. A Night in Tunisia
          (D.Gillespie-F.Paparelli) ・・・・・ 9:20
  2. Heavy Dipper
          (Lee Morgan) ・・・・・ 7:02
  3. Just One of Those Things
          (Cole Porter) ・・・・・ 7:15
  4. Lover Man
          (J.Davis-R.Ramirez-J.Sherman) ・・・・・ 6:47
  5. New-Ma
          (Lee Morgan) ・・・・・ 8:11
  6. Just One of Those Things (Alt-tk)
          (Cole Porter) ・・・・・ 7:50





  Lee Morgan (tp), Pepper Adams (bs),
  Bobby Timmons (p), Paul Chambers (b),
  Philly Joe Jones (ds)
  Recorded at RVG Studio, Hackensack, September 29, 1957.







 BLP-1578 ・・・・・・ 録音当時、 リー・モーガン はまだ 19 歳.
 オリジナルは 5 曲、最後の曲はお馴染みの CD 化に伴うボーナス・トラック.

 奇しくも "Just One of Those Things" がボーナス・トラックという ・・・・・・・





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 まずはこのアルバム、ジャケットがいい !! 
 いかにも Blue Note って感じで ・・・・・・・・ とてもジャズっぽい.
 このジャケット見ただけでも、硬派のジャズ ・・・・・・ Blue Note らしい、ぶっとい音が聴こえてくるようです.

 昔アナログ盤を聴いていた頃は、こういうステキなジャケットのアルバムを手に入れると、まだ聴いていなじゅても何かうれしかったなぁ.

 そんな ジャケ買い も懐かしい思い出なのです.

 アナログ独特の音もですが、やっぱり大きいジャケットは魅力だな.



 このアルバムはちょっとゆったり目の "A Night in Tunisia" で始まります.
 このゆったり感と ペッパー・アダムス のバリトン・サックスがとても独特の雰囲気を出してます.
 でもソロに入ると リー・モーガン のソロが一気に爆発する感じ.




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 何といっても リー・モーガン の演奏にビックリ.
 例えば "Just One of Those Things" の演奏でも、とても 19 歳とは思えないような堂々とした演奏.

 ちょっと吹きすぎとも感じるくらいですが、彼の場合はちょっとしっとりとしたバラード系を吹いても震えてしまうくらいゾクッときちゃいます.
 このあたりがすごいところで、 10 代にしてすでに恋のイロハを習熟している感じなんです.


 彼の Blue Note 初リーダー・アルバムの吹込みが 1956 年 11 月 4 日でそれから 1 年の間に 5 枚ものリーダー・アルバム出しているんですから、ただただスゴイ.


 ピアノは ボビー・ティモンズ で、かなりアツくファンキーなソロを楽しむことができます.
 特に "Just One of Those Things" でのソロは聴き応えあります.

 リー・モーガン と ボビー・ティモンズ はその後結成された ジャズ・メッセンジャーズ に ベニー・ゴルソン の紹介で加入していきます.




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 それとこのアルバムは、やっぱり バス・クラリネット の ペッパー・アダムス .
 ビッグバンドには必ずと言っていいほど入ってはいるものの、 ジャズ の中ではとてもマイナーな楽器です.
 ボクは彼以外の奏者の名前も、 ジェリー・マリガン 、 サージ・チャロフ 、 レオ・パーカー くらいしか思い浮かばない.

 なかでも ペッパー・アダムス は ドナルド・バード と Blue Note に多くのアルバムを残してもいるので、ボクは ジェリー・マリガン よりも ・・・・・・ という感じです.
 そのためか、ブラインドでこのアルバム聴いたりすると、おもわず 「 ドナルド・バード でこんなアルバムあったっけ ・・・・・ 」 なんて思ったりもしちゃいますが (笑)

 ちなみに ペッパー・アダムス の Blue Note の初吹込みがこのアルバムで、その後 ドナルド・バード のアルバムに参加しているのは有名.


 この次に発表した "Candy" があまりにも評価が高いためか、どちらかというとの地味目のアルバムでしょうか.
 でも "Lover Man" なんかとても 10 代の演奏とは思えない (笑)


 それだけに聴けば聴くほど味が出てくるような ・・・・・・ 秀逸なアルバムでしょうか.




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 すっかり紅葉が下りてきました.
 3 日は天気が良かったのでちょっと練習がてら秋の風景を探しに行ってきました.




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 この場所結構お気に入りの場所で、あの日差しの時に、あの場所にモデル立たせて、ここから ●● mm で ・・・・・・・・ なんて、ついつい考えながらファインダー覗いちゃいます (笑)


 明日はこの写真の近くでイベント.
 今年 市のフォトコン で入賞をいただいた写真が、昨年このイベントでの模様を収めたものでした.

 まぁ同じような写真を出すつもりはありませんが、天気がよければちょっと撮影にでも行ってみるつもりです.





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